エチオピア料理

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  • イタリアに国リンク挿入!(今後の投稿は、肉や魚のおかず、野菜や豆のおかずなどを予定しています)。

【基礎情報】

国名:エチオピア連邦民主共和国Federal Democratic Republic of Ethiopia、首都:アディスアベバ、ISO3166-1国コード:ET/ETH、独立国(一度も植民地化されていない)、公用語:アムハラ語、通貨ブル

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【地図】

エチオピアは、北から時計まわりに、エリトリア、ジブチ、ソマリア、ケニア、南スーダン、スーダンに囲まれた内陸国です。

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◆人々も食べ物も独特、アフリカのアナザーワールド

エチオピアは、アフリカで唯一植民地化されたことのない国です。厳密なことを言うと、もともと現在のエリトリアもエチオピアだったので、当時のエチオピア北部(今のエリトリアの部分に相当する領域)はイタリアに占領されましたが、占領されていない地域は今もエチオピアとして残ったのですから、まさに一度も他国の支配下に置かれたことがないと言えます。エチオピア人は独特の文化を守り、エチオピアはアフリカの中でも際立って独特な国です。よってエチオピア料理も独特です。更に言うとエチオピア政府は民族主義を認めているため、地域ごとに、極めて多彩な文化が今も継承されています。

タッジエチオピア南部の部族地域。酒屋でタッジ(ハチミツ酒)を飲む人々。(撮影地オモラテ)

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主食 Staple

エチオピア人の主要な主食はインジェラです。穀物の粉をひいて、水の中で発酵させて、丸くて平たい鉄板の上に流し込まれてフタをして蒸し焼きにされたものです。プスプス穴があいていて、発酵した酸味があって、水分が多くてぶよぶよしていて、しかも色は淡茶色~灰色。よくクレープ状と言われますが、クレープとは明らかに異なる食べ物です。民族ごとに名称がありますが、エチオピア支配民族であるアムハラ族や、ティグレ族の言葉ではインジェラと呼ばれ、公用語もアムハラ語であることから、エチオピア全土でインジェラの名で通じます。

インジェラといえばテフの粉で作るものと思われがちですが、伝統的で古くからあるインジェラは、ミレット(トウジンビエ)やソルガム(モロコシ、コーリャン)で作られます。今も、安いインジェラはそういう雑穀で作られます。少しお金のかかったインジェラはテフで作られ、上品な淡い色をしています。

インジェラは大きく焼かれますので、直径の大きなステンレス製のトレイに乗り、更にその上におかずが乗ります。あるいはおしぼりのようにくるくると丸められたインジェラが出てくることもあります。インジェラをみんなで囲んで、インジェラをちぎって、具をつかんで、口に運びます。インジェラの上の具は、1種類のことも多いのだけど、何種類も乗ることもあります。煮込み料理の汁も全部インジェラで吸い取って食べきる。料理は無駄なくインジェラと共に食べつくされるのです。

小麦粉を主体にするパンには、ダボキッタがあります。ダボはいわゆるパン。クミンシードを入れたダボ、カボチャを生地に混ぜるダボ、ハチミツ入りのダボなどバリエーションが豊かです。またキッタは、チャパティーのような薄焼きパンです。

コチョはエチオピアの南部で作られている、エンセーテ(偽バナナの木)の茎の中身を発酵させて練って薄焼きにした、干しイモみたいな独特の主食です。
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コーヒー Coffee

コーヒーはブンナと呼ばれます。コーヒーがエチオピアのカッファの原産であることは確実視されており、それがコーヒー(Coffee)の語源となりました。エチオピアのコーヒー豆はアラビカ種(イルガチェフェ、シダモ、ハラル、リムなど)で、コーヒーはあらゆる階層において最もポピュラーで正式な飲み物とされており、単なる飲み物を超える大事な文化となっています。旅行者でもブンナベット(直訳:コーヒーの家)や民家の庭先でコーヒーの儀式(セレモニー)を体験することができます。白っぽい生豆を炒って黒くし、木臼で砕き、フラスコのようなポット(エチオピア、エリトリア、スーダンで共通してジャバナと呼ばれる)に入れ、おちょこのようなカップに出来上がったブンナを注ぎます。お香を炊きながら3度淹れるのがエチオピア式です。また都市部ではイタリア製の焙煎機を使用し、マキアートを提供するお店もありますが、こんなところは、かつてエチオピアに侵攻してきたイタリアの影響が感じられる点です。

しかし、ブンナ(コーヒー)が最初に発見されてから幾世期もの間は、コーヒー豆は食べるものであり、挽いて飲むものではありませんでした。そのまま食べるか、砕いて油と混ぜて食べました。この習慣は今もエチオピア(カファやシダモの奥地あたり)に残りますし、隣国のソマリアにも残っています。
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お酒 Alcoholic Drinks

エチオピアでお酒を飲むのであれば、タッジがイチオシです。エチオピアの気候では花が豊かに咲き、ハチがハチミツを作る良い環境なのです。タッジはハチミツとハーブ(ゲショーという葉)を寝かせて発酵させて作るお酒ですが、見た目はオレンジジュースのようなのに、しっかりと糖分がアルコールに変化していて、甘みはなくなってほんのりビター。まるで柑橘カクテルのような美味しさなのにしっかり酔えるのですよ。

タッジを飲みたい時はタッジベット(直訳:タッジの家)へどうぞ。民家街を歩いていて、地面に立てた棒に空き缶がかけられていると、そこは飲み屋さん(タッジベット)の印です。タッジは通常はガラスボトルに入って供されますが、田舎にいくほど、ベレレというフラスコに入って出てくるのを見かけることが多くなります。

また、タラ(アムハラ語)やスワ(ティグレ語)と呼ばれる穀類の粉の地酒もおすすめです。欧米の手法で作られた各種ビラ(ビール)も種類が豊富で、ベデレ、メタ、ハラルなどのブランドがあります。
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ノンアルコール Nonalcoholic Drinks

冷えた飲み物なら是非アンボをどうぞ。エチオピアの天然炭酸水です。エチオピア人は冷えたコカコーラやビールを冷えたアンボで割って飲むのですが、実際これが最高に美味しいのですよ。
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宗教に関連して Food & Religion

エチオピア人の40%を占めるオロモ族が、キリスト教徒とムスリム(イスラム教徒)半々。
アムハラ族はエチオピア人の3分の1で、キリスト教徒85%、ムスリム15%。
ティグレ族は7%で3番目、キリスト教95%、ムスリム5%。
ソマリ族が4%で4番目、ほとんどムスリム。

ということで、エチオピアの宗教といえば、キリスト教とイスラム教(あとは民族独自のアニミズム)ということになります。こういう場合、往々にして「ムスリムは豚肉を食べないけれどキリスト教徒は食べる」という図式になりがちなのですが、エチオピア人はキリスト教徒でも基本的に豚肉を食べません。食べる習慣がないのです。

また、エチオピア正教の戒律から、ツォム(断食の日)があります。毎週水曜日(キリストが生まれ変わった日)と金曜日(キリストが没した日)、あとはクリスマス前やその他に数十日の断食を数回。合計で、1年間に200日以上も断食をします。このとき動物性タンパク質を食べてはならず、豆や野菜のおかずを食べることになりますが、なぜかツォムの日でも魚は食べてよいのだそうです。エチオピアには海はなくとも河川はたくさんありますから、エチオピア人が食べる魚は淡水魚です。
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最後に Acknowledgments

以上、エチオピア料理について、概観いたしました。

エチオピアはとにかくアフリカの「アナザーワールド」。人類発祥の地で、世界初のホモサピエンスが誕生して、コーヒーの原産国で、子供は外国人をみると「ユーユーユーユー」と連呼し、「Twelve o’clock」と言えば6時だし、1年は13ヶ月あるし!!(まだまだあるが以後略)

そんな奇異な不思議大国エチオピアに行かれたならば、是非、その独特の食文化を含めて、いろいろなことに驚いてきてください。「日本にないものを見たい」という憧れをもって世界を旅するならば、エチオピアは最高の国だと私は確信しています。

エチオピア料理に出会えたことと学べたことに感謝すると共に、本稿が、エチオピアを旅して、エチオピアの料理を知りたい人の一助になれれば、嬉しく思います。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食】
  • インジェラ(እንጀራ)・・・穀類の粉と水を発酵させて薄く円形に片面焼きしたもの。
  • キッタ・・・小麦粉の薄焼きパン。
  • コチョ・・・エンセーテ(偽バナナの木)の茎の中身を発酵させて練って薄焼きにしたもの。
  • ダボ(ዳቦ)・・・パン類。
【飲み物】
  • アンボ・・・天然炭酸水。
  • スワ・・・穀類(ミレットやソルガムなど)の粉と水で作るどぶろく風。
  • タッジ・・・ハチミツとハーブを寝かせて作る酒。
  • タラ・・・スワと同じ
  • ビラ・・・ビール。
  • ブンナ・・・コーヒー。
  • マキアート・・・ふわふわミルク入りコーヒー。

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