イクラはロシア語で魚卵を意味することは、かなり昔から知っていました。
イクラの綴りは「икра」です。ロシア語の「и」はイ、「к」はカ行の子音、「р」はラ行の子音、「а」はアなので、「икра」は通常日本語カタカナ表記で「イクラ」と書きます。
* * *
ロシアのスーパーマーケットで野菜ピューレのビン詰めを見たら、イクラと書いてあって、驚きました。写真は「баклажановая」(バクラジャノバヤ)、すなわちナスを主体としたペーストです。
ほかにも野菜のイクラがありました。下の写真は「кабачков」(カバチコフ)、すなわちズッキーニを使ったイクラです。
ナスのイクラを食べてみたときの写真です。
魚卵は入っていません。で、お味は、♡美味しい♡ 野菜の旨味が凝縮されている♡ やみつきになって、その後はズッキーニのイクラも食べました♪
* * *
さあ、こうしてロシア現地で『イクラは魚卵だけではない』と身をもって体験したことで、「Икра」(イクラ)という単語に興味が出ました。
◆ロシア語Wikipedia「Икра」(≫こちら)
冒頭に「イクラは曖昧な用語です」(Икра — многозначный термин.)と記されています。つまり、「イクラ」にはいろいろな意味があるというのです。
幾つか挙げられている「イクラ」の中には「Овощная икра」(アヴァシナヤイクラ、野菜のイクラ)がありました。
野菜のイクラ!!
野菜のイクラ。
野菜のイクラ・・・、
やっぱり、野菜のイクラがあるんです。
リンクを追うと、最初に私が食べた「ナスのイクラ」が出てきました。
◆ロシア語Wikipedia「Баклажанная икра」(≫こちら)
ここには、「「ロシアに関する500の驚くべき事実」という本には、ナスのイクラは17世紀にイランから持ち込まれてロシアに登場したと書かれています。」(В книге «500 удивительных фактов о России» утверждается, что в России баклажанная икра появилась в XVII веке и что она была завезена из Ирана)と書いてありました。
なるほどそりゃそーだ。ロシアのほとんどの地域では、ナスを豊かに実らせるほどの気候条件はないだろう。南方から伝わった料理であるということには非常に納得がいきます。
* * *
さて。
で、「Икра」(イクラ)とは、どういう意味をもつのでしょう?
私はこれをロシア現地で見た当初、「魚卵もつぶつぶ、この野菜のイクラもつぶつぶ。だから「Икра」(イクラ)とはつぶつぶあるいはつぶつぶが美味しい料理を広く指すのではないか」と思っていました。帰国してから調べたところ、この見当は概ね合っていました。
ただ、手元の露英辞典には魚卵のほかに、「足の筋肉、ふくらはぎ」という意味が書かれていました。もうこうなると、つぶつぶだけでは共通点が説明つきませんね。
本記事では、ロシアで実際に見た野菜のイクラを紹介し、「Икра」(イクラ)の意味を「つぶつぶ」と見当つけるところまでを記載しますが、いつか「足の筋肉やふくらはぎ」をも含めて解説できるようになればいいなと思います。
* * *
そうだ。野菜のイクラ、私も作ってみました。めちゃくちゃ美味しかったです!!!
材料(作りやすい量):
- なす
- 2kg
- 赤ピーマン
- 1kg
- トマト(※1)
- 500g
- 唐辛子(※2)
- 2本
- 玉ねぎ
- 大1個
- にんにく
- 5かけ
- サラダ油
- 大5
- 塩
- 小2
※1:トマトは完熟生トマトが理想です。ない場合はトマト缶などを使います。
※2:生唐辛子がない場合は、乾燥粉末状の唐辛子(カイエンペパーパウダーや一味唐辛子など)を小さじ1/3ほど入れて代用できます。
作業工程:2 日
- なすをオーブン最高温度に入れて40分焼き、皮を完全に焼き、取り出して紙袋のようなものに入れて、蒸らしながら触れる温度に冷ます。
- 赤ピーマンをオーブン最高温度に入れて40分焼き、取り出して紙袋のようなものに入れて、蒸らしながら触れる温度に冷ます。
- なすを包丁で縦2つに切って、スプーンで皮の内側と身を掻き出し、ボウルに入れる。
- 流水で手をきれいにしながら赤ピーマンの黒く焼けた皮をはぎ、ヘタと種を取ってボウルに入れる。
- トマトをボウルの上で(汁も無駄にしないために)角切りにし、唐辛子を小口切りにしておく。
- 玉ねぎとにんにくをみじん切りにして鍋に入れ、サラダ油の半量を入れて炒める。
- なす、赤ピーマン、トマト、唐辛子、塩を鍋に入れ、木べらで具を潰しながら、鍋底の具をはがしながら、弱火で丹念に煮続ける。
- 水気がにじみ出なくなって、煮詰まってきた感じがしたら、味見をして塩加減や甘さ加減を好みに調え、残りのサラダ油を入れてテカりを出すように具になじませる。
- ビン詰めにして常温で長期保存する場合は、ビンとフタを煮沸し、水気を切り、具を詰めてフタを軽く閉めて更に沸騰した湯でビンごとゆで、熱いうちにフタをきつく締め、タオルや冬のコートで何重にも保温して、2日かけて室温に冷まします。
- Enjoy!
このレシピやブログ記事を気に入っていただけたら応援クリックお願いします(*^_^*)
* * *
もちろんロシアで「Икра」(イクラ)と言えば魚卵も指すので、安心してね!!
タラコディップ風で、これも素晴らしく美味しいのです♪♪