ガーナ料理

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  • お酒」の項を新設しました。

【基礎情報】

国名:ガーナ共和国Republic of Ghana、首都:アクラ、ISO3166-1国コード:GH/GHA、独立国(1957年英国より)、公用語:英語、通貨:セディ

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【地図】

ガーナは西アフリカのギニア湾に面する国です。西にコートジボワール、北にブルキナファソ、東にトーゴと接しています。

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◆赤い料理が多くて、スパイシーなタレが名物です。

ガーナ料理は赤い料理が多いですね。熟れたトマトの色に、クセのある匂いがやみつきになるパームオイルの赤い色。そして料理に多用される油が光沢と共に放つ鮮やかさに、シトという唐辛子のペースト。様々なおかずを盛り合わせる楽しさもあり、市場にも活気が感じられ、周辺国からガーナを訪れると、英語が通じる安堵感もあってガーナ料理との触れ合いはとても有意義です。

ガーナ盛り合わせ
盛り合わせ料理が楽しいガーナ。ピリ辛ペーストも入ってスパイシー。(撮影地タコラディ)

今のガーナがある地域には、かつて強大な王国が幾つもありました。金(ゴールド)や奴隷貿易の拠点として栄え、アフリカ大陸では最も成功した豊かな地域の1つでした。しかしそれらの王国は「ゴールドコースト」という国名でまとめられて英国植民地となり、やがて第二次世界大戦後に独立国となるとき、国名は戦士を意味する「ガーナ」へと変わりました。

料理の話をすると、戦争が長く続く国では一般に食文化の発展が遅れます。しかし近代のガーナは、政情不安の多いアフリカの中では平和で裕福で安定した国で、料理の点でも周辺国以上に豊かで発展している印象を受けます。トマトやパーム油をふんだんに使うから、ガーナでは赤い料理が目立ちます。シトーと呼ばれるピリ辛いタレを多用するからガーナ料理はスパイシーという印象を受ける人も多いことでしょう。盛り合わせ料理が多いのも楽しいです。

さまざまな民族がいてさまざまな言語があって、それらをつなげるのが共通語としての英語です。でもガーナを囲む国は全部フランス語圏。ガーナ料理の特異な発展も、ガーナが元英領ゆえ周辺国と隔てられた歴史背景が大きな一因ではないでしょうか。
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主食 Staple

アフリカの料理は「主食を選ぶ」。ガーナの主食の多彩さには目を見張るものがあり、ガーナを旅すると次々に新しい主食に出会えます。これはほぼ米(ときどき小麦粉製品)を常食する日本人には興味深い事象です。モチ状の主食をちぎって煮汁につけて食べるアフリカ定番スタイルのほか、米もパスタもおかずも唐辛子ソースも乗っけたボリュームあるワンプレートもガーナらしい一皿です。南部ではカッサバ(キャッサバ芋)やプランテン(ゆでてイモのように食べる食用バナナ)、北部ではミレット(トウジンビエ)やソルガム(イネ科に属するタカキビの一種)といったように、地域が違えば気候が違い、食べるものが違ってきます。

■トウモロコシの主食
ガーナではマイス(トウモロコシ)がよく消費されます。トウモロコシはポルトガル人によってアフリカへもたらされました。

バンクーバンコ)は、発酵トウモロコシ粉とカッサバ(キャッサバ芋)の粉を湯で練って作るモチ状の主食です。発酵した原料で作るので酸っぱいです。

ケンケー(別名:コミドコヌ)は、トウモロコシ粉を練って発酵させて生地にし、トウモロコシの皮やバナナの葉で包んで蒸し、しばらく置いて発酵させたものです。トウモロコシの皮で包むガ族のケンケーはガケンケー、バナナの葉で包むファンチェ族のケンケーはファンチェケンケーとも呼ばれます。バンクー以上に発酵度が高くて酸っぱいクセのある主食です。

アップレ(別名:アチュー)はケニアのウガリやナミビアのパップと同じもので、発酵していないトウモロコシ粉を湯で練って作る主食です。ココは発酵トウモロコシ粉をトロトロに煮た酸っぱいお粥です。

ガーナ北部で作られる、穀物の粉を湯で練って作るもち状の主食は、チョーザフィーないしトゥオザフィー、あるいは愛称でティーゼット(TZ)と言います。原料はトウモロコシ粉、キャッサバ粉、ミレット粉、ソルガム粉など。バンクーケンケーよりも水分が多くソフトに練られ、酸味もなくて食べやすいものです。

■キャッサバの主食
フフカッサバ(キャッサバ芋)を杵と臼でついてつくるモチ状の主食です。キャッサバ芋のほかにも、ヤム(ヤム芋)やプランテン(食用バナナ)もフフの原料になります。

アチェケは発酵したキャッサバ芋を粉にしたもので、ふかして粒食として食べます。プラカリは発酵させたキャッサバ粉を湯で練って作るモチ状の主食です。アチェケプラカリコートジボワール料理として有名ですが、アカン族などコートジボワールとガーナにまたがって分布する民族がおり、ガーナのコートジボワール寄り(ガーナ西部)ではコートジボワールと同じものが食べられています。

ココンテはキャッサバ粉を色が変わるまで湯で練った主食です。発酵していないのでキャッサバの甘みを感じます。アンペシは、カッサバ(キャッサバ芋)やヤム(ヤム芋)やプランテン(食用バナナ)をゆでるか蒸したもので、スパイシートマトソースをつけていただく主食です。

■ヤムイモの主食
ガーナ及び周辺国では、ヤム(ヤム芋)は特別な存在で、結婚や葬儀その他の祭事などではヤム芋が大量にふるまわれます。臼と杵でなめらかについてフフ、ふかしてアンペシ、揚げてフライドヤムなどにしていただきます。

■米の主食
ガーナに広域に広がるボルタ湖は世界最大の人造湖。ガーナ国内は水源が豊富で稲作も盛んです。米は他の主食よりも調理時間が短く現代の生活に合っており、ガーナ全土で食べられる主食です。プレーンライス(又はライスオモアモ)は白いごはんとして米を炊くものです。オモトゥオは炊いた白米を握って握ってライスボールにした「日曜日の料理」です。

ガーナ国民食と言えるワチは豆炊き込みごはんです。ワチはどこでも見られるポピュラーな料理で、ワチがあるからガーナの米食の頻度が高いものになっているように思います。また、ジョロフライスはトマト味の炊き込みごはんです。フライドライスは、中華料理店が多いガーナに広まった中国式の焼き飯で、今ではガーナ人の食堂でも提供される人気料理です。

■パン
ガーナでは、通常、食パンの形状をしたブレッド(パン)を食べます。ティーブレッド(紅茶パン)、シュガーブレッド(砂糖入りパン)、ブラウンブレッド(茶色パン)、バターブレッド(バターパン)など。実は西アフリカに食パンがあるのがすごいことで、ガーナを取り囲む国はすべて元フランス領ゆえパンといえばフランスパンです。食パンが人気なのは、ここが西アフリカでは数少ない元英領であることの表れです。
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シト Shito

ガーナ料理は西アフリカ料理の中ではピリ辛い印象があります。それはガーナ人がシトという唐辛子ペーストをよく調理に使い、また料理にシトを添えるからだと思います。肉料理や魚料理やごはんものに、しょっちゅうシトが付け合わされます。これをスヌと呼ぶ民族もあります。
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お酒 Alcoholic Drinks

ビールはガーナ国内で製造されており、クラブスターが2大銘柄。その他ガルダーギネスもあります。キャッサバイモを原料とするブラウンビール「ルートエクストラ」は西アフリカらしいビールと言えるでしょうか。またクラブシャンディはレモンと砂糖入りのジュース感覚の低アルコールビールも人気です。

自家製の酒には、ピト(ミレットやソルガムの発酵酒)やパームワイン(ヤシの樹液の発酵酒)があり、北部はピト、南部はパームワインになる傾向があります。

アペテシはパームワインやサトウキビジュースを蒸留した、アルコール度数の高い蒸留酒です。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食類】
  • アチェケ(Akyeke)・・・キャッサバ芋を発酵させたものを粉にしてふかしたもの
  • アチュー(Etsew)・・・発酵していないトウモロコシ粉を湯で練ったもの
  • アップレ(Akple)・・・発酵していないトウモロコシ粉を湯で練ったもの
  • アモ(Ɛmo)・・・白米を炊いたもの
  • アンペシ(Ampesi)・・・イモ類や食用バナナをゆでたもの
  • オモ(Omo)・・・白米を炊いたもの
    • オモトゥオ(Omo tuo)・・・炊いた白米をライスボールにしたもの
  • カッサバ(Cassava)・・・キャッサバ芋
  • ケンケー(Kenkey)・・・トウモロコシ粉の生地を蒸して発酵させたもの
    • ガケンケー(Ga Kenkey)・・・トウモロコシの皮で包んで作るケンケー
    • ファンチェケンケー(Fante Kenkey)・・・バナナの葉で包んで作るケンケー
  • ココ(Koko)・・・発酵トウモロコシ粉を煮た粥
  • ココンテ(Kokonte)・・・キャッサバ粉を色が変わるまで湯で練ったもの
  • コミ(Komi)・・・トウモロコシ粉の生地を蒸して発酵させたもの
  • ジョロフライス(Jollof rice)・・・トマト味の炊き込みごはん
  • チョーザフィー(Tuo Zaafi)・・・穀物の粉を湯でゆるく練ったもの
  • ツオザフィー(Tuo Zaafi)・・・穀物の粉を湯でゆるく練ったもの
  • ティーゼット(TZ)・・・穀物の粉を湯でゆるく練ったもの
  • ドコヌ(Dokonu)・・・トウモロコシ粉の生地を蒸して発酵させたもの
  • バンコ(Banko)・・・トウモロコシ粉を発酵させたものとキャッサバ粉を湯で練ったもの
  • バンクー(Banku)・・・トウモロコシ粉を発酵させたものとキャッサバ粉を湯で練ったもの
  • フフ(Fufu)・・・イモ類や食用バナナを杵と臼でついたもの
  • フライドヤム(Fried yam)・・・揚げたヤムイモ
  • プラカリ(Plakali)・・・発酵させたキャッサバ粉を湯で練ったもの
  • フライドライス(Fried rice)・・・中国式の焼き飯
  • プランテン(Plantain)・・・食用バナナ
  • ブレッド(Bread)・・・パン
    • シュガーブレッド(Sugar bread)・・・砂糖入りパン
    • ティーブレッド(Tea bread)・・・紅茶パン
    • バターブレッド(Butter bread)・・・バターパン
    • ブラウンブレッド(Brown bread)・・・茶色パン
  • プレーンライス(Plain Rice)・・・白米を炊いたもの
  • マイス(Mays)・・・トウモロコシ
  • ヤム(Yam)・・・ヤムイモ
  • ライス(Rice)・・・白米を炊いたもの
  • ワチ(Waakye)・・・豆炊き込みごはん
【調味料】
  • シト(Shito)・・・唐辛子ペースト
  • スヌ・・・唐辛子ペースト
【お酒】
  • アペテシ(Akpeteshie)・・・パームワインやサトウキビジュースの蒸留酒
  • ガルダー(Gulder)・・・ビールの一銘柄
  • ギネス(Guiness)・・・ビールの一銘柄
  • クラブ(Club)・・・ビールの一銘柄
    • クラブシャンディ(Club Shandy)・・・
  • スター(Star)・・・ビールの一銘柄
  • パームワイン(Palm wine)・・・ヤシの樹液の発酵酒
  • ピト(Pito)・・・ミレットやソルガムの発酵酒
  • ルートエクストラ(Ruut extra)・・・キャッサバイモ原料のビール

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