キチュリ
-
国
:インド料理
-
現地表記
:खिचड़ी(ヒンディー語)
-
概要
:米と豆のカレー風味のお粥
キチュリは米と豆の粥を意味します。それはそれは古くから存在した料理のようで、ギリシャの紀元前の記録にもインドのキチュリが報告されているのだとか。カレー風味のお粥なのだけど、そのスパイス使いがやはり本格インド。キチュリは奉納に用いられる神聖な料理でもあり、庶民の日常食でもあり、赤ちゃんの離乳食でもあり、ホテルのビュッフェ朝食に並ぶ定番料理でもあります。このレシピはベンガル州の奉納・ふるまいのキチュリを作りました。緑豆が見えにくいのだけどしっかりと入っていて、ほくほくした緑豆と米を一緒に食べるのは美味しかったです。元気が出る朝粥が欲しかったら、キチュリはもってこい!ですね!
材料
(2~4人分):
- 緑豆(※1)
- 1/2 C
- 米(※2)
- 1 C
- サラダ油
- 大1
- バター
- 大1
- クミンシード
- 小1
- マスタードシード
- 小1
- チューブにんにく
- 小2
- チューブ生姜
- 小1
- ターメリック
- 小1
- 鷹の爪
- 2本
- グリーンピース
- 50 mL
- 水
- 3 C
- カルダモンホール
- 5さや
- クミンパウダー
- 小1
- カイエンペパー
- 小1/5(※3)
- ヒン(※4)
- ごく少量(※4)
- 塩
- 小3/4
- 砂糖
- 小1/5
- ガラムマサラ
- 小1/4
- ※1:緑豆は皮なしを使うと楽です。皮つきを使うとより美味しいです。
- ※2:インディカ米があればそれを使います。ない場合は日本の米を使います(写真は日本の米使用)。
- ※3:カイエンペパーパウダーは辛さの好みに応じて加減します。
- ※4:ヒンはヒングとも呼ばれ、インド料理食材店で売られている、匂いの強い粉末状樹脂のような食材です。なければ省きます。使うときは耳かき半分とか耳かき1/4杯くらいの、ごく少量にとどめます。匂いがニラに似ているのでニラのみじん切りで代用してもよいです。
調理時間
:(米や豆の吸水時間を除く)
作り方
:
- <前日>緑豆と米を別々に水(分量外)に浸け、吸水させておく(※皮つきの緑豆を使う場合はいったん沸騰させて置いておく)。
- <当日>米をザルにあげておく。
- (※皮つきの緑豆を使う場合は、米を研ぐように豆を摩擦すると皮がむけて水に浮遊するので、上澄みを皮ごと流して捨てる。完璧に皮を取り切らなくても大丈夫だが気にならない程度に皮をむいておくとよい。)
- 緑豆を別のザルにあげておく。
- フタができる鍋にサラダ油、バター、クミンシード、マスタードシードを入れて中火で熱し、粒がパチパチとはじけてきたらチューブにんにく、チューブ生姜、ターメリックパウダー、鷹の爪を入れて油となじませる。
- にんにくの香りが良くあがってきたら、緑豆、米、グリーンピース、水を加えて混ぜる。
- カルダモンホールの一か所に切れ目を入れ(包丁のお尻の角で刺すなどする)、鍋に加える。
- クミンパウダー、カイエンペパーパウダー、ヒン、塩を加え、味見をして塩加減などを好みに調える。
- 水がいったん沸いたら弱火にし、少しだけずらしてフタをして、鍋の底に米がつかないようにときどきヘラで底を掻きながらゆっくりと煮る。
- 水気がやや残った粥状になってきたら砂糖とガラムマサラを加えて混ぜる。
- 水気が少ない粥状になってきたら、味見をして塩加減やスパイス加減を好みに調えて出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 緑豆は皮なしを使うと手間がかからなくて便利です。
- 皮つきの緑豆を使うと皮をむく手間がかかりますが味がより良いです。その場合、調理時間は皮をむく時間だけ増します(15分くらい?)。
- 皮つきの緑豆を使う場合、いったん煮ることで膨らんで皮がはじけるので、皮を取り除きやすくなります。
- インディカ米に比べ、日本の米を使うと粘り気が出やすいので、あまり混ぜないように気をつけて調理します。
- チューブのにんにくと生姜は現地の「ジンジャーガーリックペースト」の代用です。にんにくが多いほうが美味しいので今回はにんにく多めにしています(現地でもペーストにさらににんにくを追加するレシピもあります)。
- 鷹の爪は、切ると辛味が出るので、切らずに丸ごと加えます。
- 辛いのが苦手な場合は、例えば水を入れる前に鷹の爪を取り除き、カイエンペパーパウダーを省くかごく少量にします。
- 仕上げにバターかサラダ油を加えて混ぜると、舌あたりが良くなり美味しさが増します。
- あればバターのかわりにギーを使うと風味が一層良くなります。
- この料理は肉や魚を加えず、ベジ料理(肉類を使わない料理)として作られます。
- カリフラワーやじゃがいもなどの野菜・根菜類を角切りにして加えるレシピもあります。その場合は最初にサラダ油で炒めてから取り出し、米を煮ている最中で鍋に戻します。
Tips about cuisine
- 「キチュリ」のヒンディー語(インドの公用語)の綴りは「खिचड़ी」。
- 「खिचड़ी」は「ख・ि・च・ड़・ी」が「有気のkh・イ・無気のc・舌を反らせ上の歯茎の裏を弾くダとラの中間(ラに近い)の無気音・イの長母音」である。これを左から読むと「キチュリー」だが現状は「キチュリ」と聞こえることが多いのでここではキチュリと表記している。
- 「खिचड़ी」(キチュリ)を英語アルファベット表記すると、「Kichuri」や「Kichudi」が多い。ただしこの「d」は上の「巻き舌r」を「そうじゃないr」と書き分けるために便宜的に置かれた文字であり発音は「キチュリ」のまま。「そうじゃないr」を表現するために「Kichuṛi」と書くこともよくある。「 ṛ 」については下記リンクで解説しています。
- 「खिचड़ी」(キチュリ)は米の粥(米と豆の粥)を意味する。
インド料理「Dal Tadka」は「Tadka」と書いてもタルカと読みます。
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