ボーグキチュリ

  • インド料理

  • 現地表記

    :भोग खिचड़ी(ベンガル語のヒンディー表記)

  • 概要

    :米と豆のカレー風味のお粥

ボーグキチュリ

コルカタ(インドのベンガル州)を旅していたとき、路地にテーブルを出して食事をしている人々を見かけました。綺麗に着飾り、お祝いのように、行事のように食事を楽しむ素敵な空間だと思いました。皆が「おいでおいで」と招いてくれ、「今日はプジャよ」と教えてくれ、そして神にお祈りしたのちプジャのごちそうの食事に同席させてくれたのです。プジャはヒンドゥー教の古い伝統で崇拝の意味をもちます。神に献身的な敬意と祈りを捧げ、心を込めて花や料理をお供えします。その料理は「プラサダ」で、宗教的な供物、神に奉献された食べ物であり、その後、差別なく大衆によって共有され、食べられるのです。プラサダは時に贈り物や恵みとしても翻訳されます。ベンガル語で「ボーグ」(Bhog)は神に食べ物を提供すること、キチュリは米と豆の粥を意味します。ボーグキチュリは神聖な料理であるとともに、ホテルのビュッフェ朝食に並ぶような庶民の定番料理でもあります。

材料

2~4人分):

緑豆(※1)
1/2 C
米(※2)
1 C
サラダ油
大1
バター
大1
クミンシード
小1
マスタードシード
小1
チューブにんにく
小2
チューブ生姜
小1
ターメリック
小1
鷹の爪
2本
グリーンピース
50 mL
3 C
カルダモンホール
5さや
クミンパウダー
小1
カイエンペパー
小1/5(※3)
ヒン(※4)
ごく少量(※4)
小3/4
砂糖
小1/5
ガラムマサラ
小1/4
  • ※1:緑豆は皮なしを使うと楽です。皮つきを使うとより美味しいです。
  • ※2:インディカ米があればそれを使います。ない場合は日本の米を使います(写真は日本の米使用)。
  • ※3:カイエンペパーパウダーは辛さの好みに応じて加減します。
  • ※4:ヒンはヒングとも呼ばれ、インド料理食材店で売られている、匂いの強い粉末状樹脂のような食材です。なければ省きます。使うときは耳かき半分とか耳かき1/4杯くらいの、ごく少量にとどめます。匂いがニラに似ているのでニラのみじん切りで代用してもよいです。

調理時間

(米や豆の吸水時間を除く)

作り方

  1. <前日>緑豆と米を別々に水(分量外)に浸け、吸水させておく(※皮つきの緑豆を使う場合はいったん沸騰させて置いておく)。
  2. <当日>米をザルにあげておく。
  3. (※皮つきの緑豆を使う場合は、米を研ぐように豆を摩擦すると皮がむけて水に浮遊するので、上澄みを皮ごと流して捨てる。完璧に皮を取り切らなくても大丈夫だが気にならない程度に皮をむいておくとよい。)
  4. 緑豆を別のザルにあげておく。
  5. フタができる鍋にサラダ油、バター、クミンシード、マスタードシードを入れて中火で熱し、粒がパチパチとはじけてきたらチューブにんにく、チューブ生姜、ターメリックパウダー、鷹の爪を入れて油となじませる。
  6. にんにくの香りが良くあがってきたら、緑豆、米、グリーンピース、水を加えて混ぜる。
  7. カルダモンホールの一か所に切れ目を入れ(包丁のお尻の角で刺すなどする)、鍋に加える。
  8. クミンパウダー、カイエンペパーパウダー、ヒン、塩を加え、味見をして塩加減などを好みに調える。
  9. 水がいったん沸いたら弱火にし、少しだけずらしてフタをして、鍋の底に米がつかないようにときどきヘラで底を掻きながらゆっくりと煮る。
  10. 水気がやや残った粥状になってきたら砂糖とガラムマサラを加えて混ぜる。
  11. 水気が少ない粥状になってきたら、味見をして塩加減やスパイス加減を好みに調えて出来上がり。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 緑豆は皮なしを使うと手間がかからなくて便利です。
  • 皮つきの緑豆を使うと皮をむく手間がかかりますが味がより良いです。その場合、調理時間は皮をむく時間だけ増します(15分くらい?)。
  • 皮つきの緑豆を使う場合、いったん煮ることで膨らんで皮がはじけるので、皮を取り除きやすくなります。
  • インディカ米に比べ、日本の米を使うと粘り気が出やすいので、あまり混ぜないように気をつけて調理します。
  • チューブのにんにくと生姜は現地の「ジンジャーガーリックペースト」の代用です。にんにくが多いほうが美味しいので今回はにんにく多めにしています(現地でもペーストにさらににんにくを追加するレシピもあります)。
  • 鷹の爪は、切ると辛味が出るので、切らずに丸ごと加えます。
  • 辛いのが苦手な場合は、例えば水を入れる前に鷹の爪を取り除き、カイエンペパーパウダーを省くかごく少量にします。
  • 仕上げにバターかサラダ油を加えて混ぜると、舌あたりが良くなり美味しさが増します。
  • あればバターのかわりにギーを使うと風味が一層良くなります。
  • この料理は肉や魚を加えず、ベジ料理(肉類を使わない料理)として作られます。
  • カリフラワーやじゃがいもなどの野菜・根菜類を角切りにして加えるレシピもあります。その場合は最初にサラダ油で炒めてから取り出し、米を煮ている最中で鍋に戻します。

Tips about cuisine

  • 「ボーグキチュリ」はベンガル語(インドの州公用語)で、ヒンディー語表記をすると「भोग खिचड़ी」。
  • 「भोग」(ボーグ)は神に食べ物を捧げることを意味し、「खिचड़ी」(キチュリ)は粥を意味する。よって「भोग खिचड़ी」(ボーグキチュリ)は「お供えもののお粥」のような意味になる。
  • 神の崇拝の日はお供えの料理を皆で食べる。
  • ホテルのビュッフェの食事のラインナップの1つとしても置かれるような料理なので、現地では宗教に関わらない日でも食べられている。


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