酸菜排骨煲(スァンツァイパイグーバオ)

  • 中国料理

  • 現地表記

    :酸菜排骨煲(中国普通話)

  • 概要

    :豚スペアリブと白菜漬物の煮込み

酸菜排骨煲(スァンツァイパイグーバオ)

中国東北部を旅すると、現地の料理には白菜の漬物をつかうものが大変に多いことを実感します。白菜漬物と一緒に焼き肉をし、白菜漬物で餃子を作り、白菜漬物で煮込み料理や炒め物を作るのです。かつて日本が満州国を作ったときの首都は当時は新京と呼ばれ、現在の長春(チャンチュン)市です。長春の食堂でトップメニューに掲げられていた「酸菜排骨煲(スァンツァイパイグーバオ)」(豚スペアリブと白菜漬物の煮込み)を自宅で作ったら、満州の旅を思い出す美味しさでした。漬物の味は加熱すると素晴らしい旨味になるんですよ。肉にしみ込んだ漬物の旨味が噛んだ時に口に広がり、本当に美味しいと思いました。是非作ってみてください。

材料

3~4人分):

豚スペアリブ
500 g
白菜の漬物(※1)
300~500 g(※1)
にんにく
1かけ
生姜
にんにくと同量
油(※2)
大2
鷹の爪(※3)
3~4本
小1/2
  • ※1:白菜の漬物は固形部分の重さです。手作りのものでも市販品でもよいです。絞って300~500 gを使う場合は絞る前の重さで500~800 gくらいを用意するとよいです。
  • ※2:油は、あればラードや豚の脂身を使います。その場合はサラダ油と等量混合すると使いやすいです。なければいつもの炒め物の油でよいです。
  • ※3:鷹の爪は切られていない丸ごとを使います。小口切りタイプを使うと辛味が強くでるので、それしかない場合は量を減らします。

調理時間

:1 時間

作り方

  1. 豚スペアリブをさっと水洗いし、湯(分量外)を1Lほど沸かして、豚スペアリブをさっとゆで、豚スペアリブを取り出す。ゆで汁は鍋に取っておく。
  2. 白菜漬物を絞り、漬け汁を別容器に取っておく。
  3. 白菜漬物を5 mm幅に切り、にんにくと生姜を薄切りにする。
  4. スペアリブの粗熱が取れたら、可能な限り骨を切断して短くする(剪定ばさみや骨切り道具などがあれば)(骨を切る道具がなければ切らなくてよい)。
  5. 大きめのフライパンに油の半量(大さじ1)を入れて熱し、にんにく、生姜、鷹の爪を入れて炒め、鷹の爪が黒くならないうちに取り出し、次に豚スペアリブを入れて、豚スペアリブの上に塩をふりかけ、豚肉の表面を焼きつけるようにじっくり加熱する(ここで10分くらいかけるとよい)。
  6. 豚スペアリブを取り出し、油の残り半量(大さじ1)を入れて熱し、白菜漬物を入れて香りが出るように炒める。
  7. 味見をし、酸味がほどよく利いた炒め物になるよう、好みで酢(分量外)を加えて炒める。
  8. フタができる鍋に白菜漬物炒めを入れ、お玉で1杯ずつ、白菜漬け汁→豚のゆで汁→水(分量外)と交互に加えながら、野菜の旨味・お肉の旨味・旨味の濃さが好みになるように煮汁を増やしていく。慣れないうちは等量混合から始めるとよい。
  9. 盛り付ける器の大きさを見て、煮汁が人数分のスープとして良い量になったら、豚スペアリブを入れていったん沸騰させ、フタをして弱火で30分以上煮る。
  10. 味見をし、塩加減や酸味加減や旨味加減を好みに調える。
  11. 一人用土鍋(あるいはその他の器)に1人分ずつ盛り付け、仕上げに炒めた鷹の爪を乗せる。
  12. 可能なら、食べる直前に土鍋を加熱して再度煮て出来上がり。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 白菜の漬物は、市販品なら賞味期限ぎりぎり、手作りのものなら時間が経ち、発酵が進んで酸味がよく出たものを使うと美味しいです。
  • 豚肉の脂身があれば刻んで加えると美味しいです。
  • 現地の「排骨」(パイグー)は豚のあばら骨が数cm長さに切断されていて骨から大変に良い旨味が出ます。農具や工具で骨を切ることができれば可能な限り切ると美味しいです。あばら骨が細い場合は包丁の角を刺して切れ目を入れてからキッチンばさみで切ることもできます。
  • 料理名の「煲」(バオ)は一人用土鍋のような器を意味するので、全量を作るときはいつものフライパンや鍋でも、最後は一人用土鍋(なければスープ皿やカフェオレボウル)に取り分けて提供するか、取り分けたあとにさらに再加熱して提供するとよいです。
  • 最後に盛り付ける一人用土鍋やその他の器が大きめだと、一人分が多くなりすぎてしまうおそれがあります。その場合はゆでじゃがを作って鍋底に沈めるとよいです(現地でもゆでじゃがや春雨が入ることがあります)。この写真でもほくほくゆでじゃがを大きめに切って底に入れており、美味しかったです。
  • 一人用土鍋に入れたあと再加熱するまでしばらく時間を置くと、お肉が柔らかくなって美味しいです。
  • 仕上げに小ねぎの小口切りやパクチーを乗せるレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「酸菜排骨煲(スァンツァイパイグーバオ)」のピンインは「suān cài pái gǔ bāo」。
  • 「酸菜」(スァンツァイ)は漬物、「排骨」(パイグー)は豚スペアリブのブツ切り、「煲」(バオ)は一人用土鍋のような器の意味。よって「酸菜排骨煲(スァンツァイパイグーバオ)」は「漬物と豚スペアリブの土鍋煮込み」のような意味になる。


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