チキンティッカマサラ

  • 英国料理、インド料理

  • 現地表記

    :Chicken tikka masala(英語)

  • 概要

    :炙り焼きにした鶏肉で作るクリームカレー

チキンティッカマサラ

英国で生まれた美味しいカレー「チキンティッカマサラ」は今や世界中のインド料理レストランで食べられています。2001年、英国の外務大臣ロビンクックは、英国の多文化主義を称賛する演説でこの料理に言及し、「チキンティッカマサラは、英国が外部の影響を吸収して適応した実践を完璧に示した、真の英国の郷土料理です。チキンティッカはインド料理だが、焼いた肉をカレーソースで食べたいという英国人の欲求を満たすためにマサラが追加されたのだ。」と宣言しました。ということで、この料理を作る際は、まず鶏肉を香ばしく焼くことから始めます。そして鍋ではトマトと生クリームたっぷりリッチなカレーを作ります。そう、生クリームがたっぷり入る上に、香ばしいスモーキーなフレーバーが口に広がるので、いやおうなしにこのカレーは美味しいと感じるのです。トマトを使う理由は、一説ではこのカレーの起源が、英国のトマトスープ缶詰めに生クリームを入れたのが始まりだからとか。ともあれ一度作ってみてください。高級インド料理レストランの味になりますよ。

材料

3~4人分):
<チキンを焼く>

鶏胸肉
400 g
ヨーグルト
大4
レモン果汁
大1
塩A
小1/3
にんにくチューブA
小1
生姜チューブA
小1
ガラムマサラ
小1
クミンパウダーA
小1/2
カイエンペパーA
小1
パプリカパウダーA
小1
サラダ油A
大2

<カレーを作る>

玉ねぎ
1/2個
サラダ油B
大2
にんにくチューブB
小1
生姜チューブB
小1
トマトピューレ(※1)
大5(※1)
ターメリック
小1
コリアンダー
小1
カイエンペパーB
小1/2
パプリカパウダーB
小1/2
クミンパウダーB
小1
塩B
小1
砂糖
小1
1 C
カレー粉
大1/2
カスリメティ(※2)
小1/2
生クリーム
100 mL(※3)
  • ※1:トマトピューレはレトルトタイプで市販されているものを使いました。スパゲティーソースを使ってもよいです(ミートソースではなくトマトだけのソース)。また製品によりトマトの濃さが違うので使用量は色を見て加減します。
  • ※2:カスリメティはフェヌグリークの葉の乾燥品です。ない場合は省きます。
  • ※3:生クリームは濃厚タイプを使うと美味しいです。植物性ホイップでも代用できます。またトマトの赤色の強さによって使用量が変わるので多めに用意するとよいです。

調理時間

(鶏肉を漬け込む時間を除く)

作り方

  1. <前日>鶏胸肉を炙り焼きにしやすいサイズに切る。例:厚さが3 cmくらいになるように切り、5 cm角に切る。
  2. 金属製でないボウルにヨーグルト、レモン果汁、塩A(小さじ1/3)、にんにくチューブA(小さじ1)、生姜チューブA(小さじ1)、ガラムマサラ、クミンパウダーA(小さじ1/2)、カイエンペパーA(小さじ1)、パプリカパウダーA(小さじ1)、サラダ油A(大さじ2)を入れて均一に混ぜ、鶏肉を入れて混ぜ、冷蔵庫に1晩置いておく。
  3. <当日>お肉を冷蔵庫から出し、何時間か置いてお肉を室温にする(何時間置くかは気温による)。
  4. 以下のように火を準備する。
  5. <薪を使うバーベキューの場合>火を起こす場所に、紙、小枝、薪と重ね、紙に火をつける。小枝が燃え、次に薪が燃えるので、薪が大方燃えて下火(熾火)になったら網を乗せて肉を乗せ、途中上下を返し、じっくりと焼く。
  6. <炭火を使うバーベキューや七輪の場合>着火剤(あるいは紙や小枝)を使って炭の一部に火をつけ、火がついた部位の周囲に他の炭を寄せ、うちわであおいで着火部位を広げる。いったん火が出たのち炎が出なくなったら(熾火)、上に網を乗せて肉を乗せ、途中上下を返し、じっくりと焼く。
  7. <オーブンの場合>オーブンを180℃くらいに予熱する。オーブン天板に肉類を並べて置き、途中上下を返してじっくりと焼く。
  8. <魚焼きグリルの場合>魚焼きグリルに肉類を並べて置き、途中上下を返してじっくりと焼く。オーブンよりも火の通りが早いので注意して観察する。
  9. 鶏肉が焼けたら一口サイズに切っておく。
  10. <カレーを作る>玉ねぎをみじん切りにする。
  11. カレーを作る鍋にサラダ油B(大さじ2)と玉ねぎを入れて中火で熱し、玉ねぎをよく炒める。
  12. 玉ねぎが色づき、玉ねぎどうしがくっついてもったりしてきたら、にんにくチューブB(小さじ1)と生姜チューブB(小さじ1)を入れ、よく炒める。
  13. トマトピューレを入れて炒める。このとき焦げやすくて炒めにくいと思ったらサラダ油や水を少々追加し、焦げないようにする。
  14. トマトの赤い色がくすんできたら、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダー、カイエンペパーパウダーB(小さじ1/2)、パプリカパウダーB(小さじ1/2)、クミンパウダーB(小さじ1)、塩B(小さじ1)、砂糖を入れて混ぜる。
  15. 鶏肉と水を入れて数分間煮て、水分を減らしてとろみを出す。
  16. カレー粉とカスリメティを入れて混ぜる。
  17. 生クリームを8割ほど入れて混ぜ、あまり白くなりすぎないよう観察しながら残りを入れて混ぜる。
  18. 味見をし、塩加減やスパイス加減やクリーム加減などを好みに調える。トマトの酸味が気になる場合は砂糖を加えて和らげる。
  19. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 鶏肉は骨のない部位を使います。なおかつヨーグルトとスパイスに1晩漬け込むことで非常にジューシーに柔らかくなるので、もも肉よりも胸肉のほうが合います。
  • 現地のレシピで使われているカシミリチリは、辛さが強すぎず甘みが感じられるタイプの唐辛子パウダーです。ここではカイエンペパーパウダーにパプリカパウダーをブレンドすることでカシミリチリに似せています。
  • にんにくチューブと生姜チューブを同量使うのは、現地の「ジンジャーガーリックペースト」の再現です。
  • 調理時間1時間の内訳は、鶏肉を焼くのに30分、カレーを作るのに30分としています。
  • 鶏肉のマリネ液はヨーグルトやレモン果汁によって酸性度が高いので、金属製のボウルを避けます。
  • 鶏肉の焼き方は、現地ではタンドールという石窯の中で木を燃やして炭にして炭火焼きにします。ここでは薪、炭火、オーブン、魚焼きグリルの4通りを掲載しましたが、なるべく直火で焼く方法を選びます。もしいずれも困難な場合はフライパンでこんがりと焼きます。
  • 本式にタンドールで焼くときは肉が落ちないように串に刺しますが、ここでは串を省いています。お好みで串をどうぞ。
  • チキンティッカを焼くときは両面を香ばしくじっくりと焼き、この段階で中まで火が通るようにします。ただ後ほどカレーに入れて煮る工程があるので、火の通り具合いに厳密にこだわらなくてもよいです。
  • 玉ねぎを炒めるとき、玉ねぎと玉ねぎがくっついて全体がもったりするくらいまで炒めると、仕上がりが玉ねぎくさくなく、甘みと旨味が引き出され、大変美味しくなります。
  • トマトの色と生クリームの色が合わさってオレンジ色になり、ターメリックパウダーやカレー粉の黄色により明るいオレンジ色になります。色合いにもこだわって作ってみてください。

Tips about cuisine

  • 「チキンティッカマサラ」の英語(英国やインドの公用語)の綴りは「Chicken tikka masala」。
  • 「Chicken」(チキン)は鶏肉の意味、「tikka」(ティッカ)は「一口サイズ」のような意味をもつペルシャ語に由来する単語で、「masala」(マサラ)は香辛料ミックスやカレーそのものを指す用語である。「Chicken tikka」(チキンティッカ)が「鶏肉を食べやすいサイズに切って炙り焼きにしたもの」という料理名なので、「Chicken tikka masala」(チキンティッカマサラ)は「炙り焼きにした鶏肉を具にしたカレー」の意味になる。


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