ペリメニ

  • ロシア料理

  • 現地表記

    :Пельмени(ロシア語)

  • 概要

    :水餃子

ペリメニ

ロシアに行って、ひょっとしたら最も高頻度に見かけるかもしれない料理の1つが、このペリメニです。ペリメニはまさに水餃子。小さな商店の冷凍庫でもゆでる前の冷凍状態で売られているほど暮らしに深く根差していて、お鍋1つで美味しい食事が完成します。皮1つにも粉の種類や加えるものの有無など様々なレシピがありますが、ここでは「皮も美味しい」と言ってもらえるお気に入りの配合にし、作りやすいサイズで作成しました。このレシピには卵が入らないので、例えば「今日は3割増しで作ろう」というようなときにも調整がききます。2時間の手間をかける価値がある美味しい料理。なお温かいペリメニに冷たいスメタナ(発酵乳)が至極美味しいので写真の食べ方が超オススメです。

材料

4人分):
<皮>

125 mL
小1
強力粉
235 g
薄力粉
15 g

<具>

玉ねぎ
120 g(※1)
にんにく
1かけ
ひき肉(※2)
150 g
小1/3
こしょう
小1/5
ラード
大1/2
  • ※1:玉ねぎ1個の重さを200 gとすると半分強。
  • ※2:豚ひき肉、牛ひき肉、羊ひき肉、それらの合い挽きなど。

調理時間

作り方

  1. <皮>カップに水と塩を入れて混ぜ、塩を溶かしておく。
  2. ボウルに強力粉と薄力粉を篩(ふる)って入れ、塩水を散らしながら少し入れてスプーンで混ぜる作業を繰り返し、塩水を100 mLほど加えた段階で、手のひらの付け根で生地をぐっと押してから半分に折り、生地をぐっと押してから半分に折る作業を100回繰り返す。水分が明らかに足りないときは残りの塩水を少しずつ足してよい。
  3. 丸くまとめ、表面が乾かないようにラップやフタをして30分寝かす。
  4. <具>玉ねぎを細かいみじん切りにしてボウルに入れる。
  5. にんにくをすりおろすかクラッシャーでクラッシュしてボウルに入れ、ひき肉、塩、こしょう、ラードを加え、手やヘラを使い、肉の1粒1粒を潰すようなイメージで、全体が均一になるように丹念に練る。
  6. <皮>再び、手のひらの付け根で生地をぐっと押してから半分に折り、生地をぐっと押してから半分に折る作業を100回繰り返し、丸くまとめ、表面が乾かないようにラップやフタをして30分寝かす。
  7. <具>皮の生地を30分寝かす間に具をバットに広げて40等分しておくとよい(例:長方形に広げて7列×6列の切れめを入れると42等分になり、具が少ない四隅は2か所で1個分とすると40等分になる)。
  8. <皮>楕円に潰して半分に切り、形を対称に整えてもう半分に切り、生地を4等分する(重さを量って4つの重さが等しくなるように調整する)。
  9. 1つの生地を棒状に延ばし、10等分し、打ち粉(薄力粉、分量外)をふる。これを4回行い、最終的に全生地を40等分し、打ち粉をふる。
  10. 歪んだ形の生地を指で上から見て丸くし(球でなくてよい、円盤でよい)、表裏に打ち粉をしてコップの底を当てて薄くて丸い直径6 cm程度のシート状に延ばし、打ち粉をまぶした麺棒でフチの部分を薄く潰しながら(直径の1/3部分のみ麺棒を転がすことを360°で行う)直径を7 cm程度に延ばす。
  11. <仕上げ>皮が40枚完成したあたりで、大鍋に水を入れて強火にかけ、沸騰させる。
  12. 湯がわくまでの間に、40枚の生地の上に具を1/40ずつチョンチョンと乗せる。
  13. 2つ折りにして半円の形にして皮の端を押してすべて閉じ、次に2つの角(かど)を襟巻のように引き寄せてくっつける。
  14. ペリメニ

  15. 湯が沸いたら好みで塩(分量外)を少し入れ、40個の餃子をなるべく一気に入れ、菜箸でチョンチョンと動かして鍋底にくっつかないようにし、40個全部が浮くまでゆでる(約5分)。
  16. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 皮の生地組成の解説をすると、皮1枚9 g×40枚=およそ360 gの生地を作ります。加える水分量は湿度等によって変わるのですが、粉に対して40%台として粉を250 gとし、そのおよそ95%を強力粉、およそ5%を薄力粉としています。この配合は中国の水餃子を作るときの「半斤」(パンジン、粉250 gレシピ)そのもので、中国水餃子にも使える便利レシピです。
  • 具だけ余ったり、皮だけが余ったりするとそれを処理する手間が増えるので、私は最初から皮と具の重さを決めて過不足が出ないように作っています。どちらかが余っても問題ないなら、計量はもっと大雑把でよいです。
  • 皮の生地に卵を入れるレシピもありますが、それだと量の加減ができなくなるのと、暑い日は腐敗しやすくて気になるのと、卵を入れないレシピもあるので、私は入れていません。
  • 調理時間2時間15分の内訳は、10分こね、30分寝かせ(この間に具を準備)、5分こね、30分寝かせ、皮作りに40分、包むのに15分、ゆでるのに5分としました。餃子の皮作りに慣れていればもっと短縮できます。
  • このペリメニは、皮1枚が9 gで、7 gの具を乗せます。よって40個分で皮の生地がおよそ360 g、具が280 gになるレシピです。
  • このレシピで40個分を作ると、日本の餃子にやや近い、現地の大きめサイズのペリメニになります。日本の餃子にやや近いほうが日本人には作りやすいと思います。
  • 現地の小さめサイズのペリメニを作る場合は個数が増えるため、調理時間がより増える可能性があります。
  • 中国風の水餃子の場合は、ひき肉に水を加えてジューシーに作るレシピも多数ありますが、このペリメニは玉ねぎから水分が出るので、水を追加しません。
  • スメタナを事前に作っておくと、素晴らしいソースになります。
  • スメタナがない場合、無糖ヨーグルト400 gに生クリームを大さじ3杯くらいを混ぜると、簡単に似たソースを作ることができ、ペリメニの味わいによく合います。
  • この写真ではさらに仕上げに粗挽きの黒こしょうをふっています。
  • カッテージチーズが入るペリメニもあります。
  • ペリメニはゆでる前の状態で冷凍保存できます。

Tips about cuisine

  • 「ペリメニ」のロシア語(ロシアの公用語)の綴りは「Пельмени」。
  • 「Пельмени」(ペリメニ)は複数形。1つだけで食べることがないので複数形で呼ぶ。もし1つだけを指すなら単数形で「Пельмень」(ペルメン)になる。


本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
出典URL付記リンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやTwitterにおける情報の小規模な引用や紹介。
事前連絡出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動や出版等で、当サイトおよび当管理人のもつ料理レシピや写真を活用・使用したい場合(料金は≫こちら)。
事後連絡でもよいのでお寄せ下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。
ご遠慮ください】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用ならびに営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。