マルグーガ
サウジアラビアで大富豪の家に招かれ、女性である私は女性たちのキッチンへ入れてもらえ、そこで「マルグーガ」に出会いました。みなさんはカレーうどんが好きですか? きっとカレーうどんは多くの人が好きな料理だと思うのですが、まさかアラビア半島にカレーうどんがあるなんて!!と感動したのです。マルグーガは、汁だくの美味しいカレーの鍋に、ふわふわに延ばした非発酵生地(ラザニアのような広さをもつ生麺)を入れて、まるでカレー煮込みうどんのように麺に汁気を吸わせていただく料理です。それは驚く味ではなく、むしろ日本で食べ慣れたカレーうどんの味に近い、ほっとする味でした。サウジアラビアのナジュド地域(首都リヤドなどがあるエリア)で有名な料理ですが、小麦粉料理の発祥メソポタミアはイラクにあり、また美味しい料理は周辺国へ広まるの定石どおり、この料理はアラビア半島のさまざまな国で食べられています。作るのは簡単だし、美味しいスパイスカレーにふわふわ生麺入りの美味しさに興味があれば作ってみてください。写真でスプーンの上に乗っているのがふわふわ麺です。
材料
(4人分):
<マルグーガの生地>
- 全粒粉(※1)
- 150 g
- 水
- 150 g
- ※1:全粒粉のほか、強力粉や中力粉で作ってもよいです。
<カレー>
- 玉ねぎ
- 1個
- にんにく
- 3かけ
- クミンシード
- 大1/2
- サラダ油
- 大3
- 塊肉(※2)
- 300~400 g
- 塩(※3)
- 小2
- ターメリック
- 大1
- クミンパウダーA
- 大1
- コリアンダー
- 大1
- こしょうA
- 小1
- シナモンパウダー
- 小1/2
- トマト缶の中身
- 200 g(※4)
- 野菜類(※5)
- 刻んで丼1杯分
- 水
- 500 mL
- 唐辛子
- 1本
- バター
- 大1~2
- クミンパウダーB
- 小1
- こしょうB
- 小1/4
- ※2:牛肉か羊肉の塊肉があるとよいです。ない場合はカレー用肉などを使います。
- ※3:現地では乾燥レモンを加えるレシピがあるので、塩漬けレモンの塩を使うとよいです。
- ※4:トマト缶はカットタイプが使いやすいです。1缶400 g入りの場合、半量を使います。トマトピューレや生トマトを使ってもよいです。
- ※5:野菜類の幅は広く、かなり自由に選べます。カレーに入れられる野菜類なら大抵OKです。現地では、にんじん、ピーマン、なす、かぼちゃ、インゲン、グリーンピースなどを使います。この写真ではかぼちゃ1/4個、なす2本、赤ピーマン1個、緑ピーマン5個を使いました。
調理時間
:
作り方
:
- <マルグーガ生地の準備>ボウルに全粒粉と水を入れ、ヘラで優しく混ぜて(練らないで!)、水が粉に吸われたらそのまま置いておく。
- <カレーを作る>玉ねぎとにんにくをみじん切りしに、カレーを作る鍋に入れる。
- 鍋にサラダ油とクミンシードを入れて中火にかけ、玉ねぎとにんにくを炒める。
- お肉を2 cm角くらいのサイズに切り、鍋に入れ、塩をふってときどき混ぜて炒める。
- ターメリックパウダー、クミンパウダーA、コリアンダーパウダー、こしょうA、シナモンパウダー、トマト缶の中身を加え、全体を混ぜ、弱火にしてフタをしてしばらく煮る。
- その間に野菜類を1~2 cm角(インゲンなど細長いものは2 cm長さ)に切る。
- 野菜類、水、唐辛子を入れて強火にし、沸騰したら弱火にしてフタをしてしばらく煮る。
- 小皿にバター、クミンパウダーB、こしょうBを入れ、鍋の横に置いて「溶かしスパイスバター」を作る。
- <マルグーガ生地を作る>作業台に打ち粉(分量外)を厚めにふり、マルグーガ生地をヘラで4等分して4か所に離して置き、その上に打ち粉をかける。
- 手に打ち粉をつけて生地をポンポン押しながら、ひっくり返して延びた部位にも打ち粉をつけながら、平たく延ばす。
- 最後は打ち粉をつけながら鍋の直径くらいに延ばし、ひっくり返したボウルや平皿の上に置いておく。合計4枚の生地を作る。
- <仕上げ>カレーを合計で50分ほど煮込んだら味見をし、塩加減やスパイス加減を好みに調える。
- (具が多くて水分があまり見えないようなら具を取り出しておく。)
- マルグーガ生地を1枚広げて鍋に入れ(できるだけ重なりを作らないように)、フタをして5秒待ち、フタをあけて煮汁を上からかけて火を通す。
- 2枚目以降も同様に鍋に入れて火を通す。具を取り出した場合は最後に戻す。
- 全体を軽く混ぜ、フタをして弱火で置いておく。
- 食べる前に「溶かしスパイスバター」を入れて軽く混ぜて出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- マルグーガの生地に塩を入れるレシピもあります。私が見学した家ではターメリックパウダーを加えて少し黄色い生地にしていましたが、ここではシンプルで基本のマルグーガとし、塩やターメリックを省いています。
- マルグーガ生地をこねるとコシが出て硬くなってしまうので、生地をこねないようにし、ふわふわの麺を食べられるようにします。
- 唐辛子は、断面があると辛さが強くでるので鷹の爪ホール(ヘタまでついている無傷のもの)を使うとよいです。また途中で味見をして辛ければ途中で取り出すとよいです。
- 全粒粉を使ってマルグーガ生地を作る場合、打ち粉も全粒粉を使うとよいです。
- マルグーガ生地を入れると生地が水分を吸ってカレーの煮汁が減りますが、そのときは水を足してマルグーガを煮て、あとから再度味見をして塩加減やスパイス加減を調えるとよいです。ただしマルグーガはあまり汁だくに作る料理ではないので、水を足すときは少量ずつとし、あまりたくさん加えないようにします。
- カレーの味見をして旨味が足りないと思ったら、鶏がらスープの素やコンソメ顆粒などを補助的に加えるとよいです(現地でもそのようにする人もいます)。
Tips about cuisine
- 「マルグーガ」のアラビア語(アラビア半島各国の公用語)の綴りは「مرقوق」。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
【出典URL付記やリンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやXなどのSNSにおける情報の小規模な引用や紹介。
【事前連絡と出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動・サイト記事作成・出版等で料理レシピや写真を使用する場合は有料です(料金は≫こちら)。※無断使用が発覚した場合は料金3倍にて請求書を発行しますのでお支払い頂きます。
【事後連絡下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。※教職員の使用は上に該当するため有料です。
【禁止事項】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用または営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
【出典URL付記やリンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやXなどのSNSにおける情報の小規模な引用や紹介。
【事前連絡と出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動・サイト記事作成・出版等で料理レシピや写真を使用する場合は有料です(料金は≫こちら)。※無断使用が発覚した場合は料金3倍にて請求書を発行しますのでお支払い頂きます。
【事後連絡下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。※教職員の使用は上に該当するため有料です。
【禁止事項】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用または営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。