ホントはね、ナウルの伝統料理のダラールのページ(≫こちら)に、もうちょっと多くの文章を書いていたんです。
それを、こっそり独立してここに書こうと思うことがあります。
* * *
実際のところ、私が2018年1月にナウルに渡航する頃の話、ネットに「ナウル料理なんてない」とかさ、びっくりすることを書いている料理情報のサイトや発言が多かった。伝統ナウル料理も現代ナウル料理も、あれだけあるのにも関わらず、です。
信じられない。ナウル云々ではなく、「ない」って書けちゃう精神が。
だって誰だって分かると思うんだけど。
「ないものをないと言及することは非常に困難なことである」。
「ないことを証明するためには、非常に丹念に調査をしなければならない」。
ということくらい。
つぶやき程度であれば情報源としての効力は弱いとは思うので、仕方ないかなとも思うけど、料理情報としてそのように書くのはいかがなものか。行こうと思えば行ける国なんだから(ナウルは渡航難関国に属しますが)行けばいいのに。ナウルに行かずに書こうとするなら猛烈に勉強をすればいいのに。不勉強は良くないよ。一方で、個人がサイトに何を書くのも自由だとも思いますが、せめてそういう場合、そのご自身のサイトがフィクションや空想のもので、情報源ではないことが分かるようにしてもらえないと、悪影響だと思うんですよね。
* * *
とはいえ。私もいつもそのリスクと背中合わせです。
だから、努力は極めて積もうとは決めています。世界の料理に関して言えば、実体験における記録も重んじているため、医学症例論文(例えば、症例A患者にBパルス療法が奏功した例、みたいな)のような趣きも入りますが、事実の見聞を伝えることはそれはそれで成果です。目標は各国料理を総じて語れるように。ステレオタイプにならないように、嘘のない、フィクションでないように。「正しいものを正しく伝える」ことと「分かりやすく伝える」能力と、調べて調べて調べ尽くす習性を活かして、きちんとしたサイトを作るように、これからも努力を続けることを頑張ります。これがサイト作成のコンセプト。
人にものを教えること、伝えること。
とてつもなく責任の重いことだよね。
論語の「これを知るをこれを知ると為し、
知らざるを知らざると為す、これ知る為り」。
もしくはソクラテスの「無知の知」。
そういうことを肝に銘じて、いつもちゃんと勉強していかなあかんわーと、いつも反省を忘れないあづさであった。
(まるこちゃんのナレーション風に)
* * *
さて、下の写真は、ナウル代表的な伝統料理「コンモルレナンキウイレイド」(Komor ren ankiwi reid)です。
コンモル=生の魚、レナンキウイ=ココナッツミルク、レイド=ごはん(ただ最低教育水準が高く子供すらみんな英語が話せる国なので、たいていみんな英語でココナッツフィッシュとかココナッツフィッシュライスって呼びます)。
生の魚の切り身に玉ねぎを刻んで加え、絞りたてのココナッツミルクをかけて食べる。好みで酢やライム果汁を入れて。更に更に、ごはん大好きナウルでは、これをライスにかけて、ココナッツミルク海鮮丼になります。キリバス料理のチオローラと一緒。みんなローフィッシュ大好き。
食事に関して言えば、ナウル料理はキリバス料理(特にバナバ)とよく似ています。どちらもミクロネシアの食文化の一端です。両国は近いしね。