四物湯を買いました

2025/11/07

前回の日記の後日談。
フィリピン料理「スープナンバーファイブ」に入る「Sibot」は漢方配合の「四物湯」でした

そして私は、フィリピン料理「スープナンバーファイブ」を作りたくて、
四物湯を買いました!!

今日の日記は、我が家に四物湯が届いてからの感想日記です。

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買った。(≫こちら

シボット

四物湯

いやん、開封した直後から、すっごいいい香り!すっごいいい香り!すっごいいい香り!!開封したときの第一印象が素晴らしいです!! これで最高のフィリピンの薬膳スープを作るだなんて、わくわくしますね! ちなみに四物湯の効能には冷え性や乾燥肌が含まれているのと胃腸が弱い人は飲めないとかがあるので自分に合うことは確認済み(というか販売する薬局の薬剤師が確認を取りに来る)。

1つのパックは12 g入りで、以下で解説する4つの生薬が3 gずつ入っており、これを1日分として煎じ、煎液を3回に分けて飲みます。つまり1回分の服用量は4種類の漢方薬1 g分ずつを煮出した煎液です。

四物湯

うわあ、いい香り♪ 煎じて飲んでみます♪

ジオウ(熟地黄)の香りがとてもよいですよ。甘くていいにおい。ローストした香り。味は甘みが強く、どこか黒糖風味とも言うか。普通に美味しい。

トウキセンキュウはセリ科の典型的な香りがします。セロリシードの匂いです。アメリカで人気の「オールドベイシーズニング」の匂いです。これ絶対料理にいいよね!! また香りよりも味のほうに顕著にセロリ風味が出て料理を美味しくできることが分かりました。

シャクヤクはいかにも「根っこ系漢方薬の典型的な匂い」というか、まんま「乾燥した根っこ」という生薬です。ボタン科だしシャクヤクは大輪の花だし主成分ペオニフロリンなんて名前が超フローラルだから期待していたのに、ぜんぜんお花っぽい要素がないのですよ(汗) そういえば大学3年生のときの生薬の実習試験が「ブツを見て生薬名を当てる」っていうハイパー難易度が高いもので、シャクヤクは苦労した記憶があるわ・・・(根っこ系生薬が多数ありすぎるし、根っこだけ見て鑑別するのってチョー難しいのだ)。味はというと、わずかなエグさ、わずかな・・・何と言うか薬局の匂い。でもそれがね、薬膳スープたる芯の香りを作ってくれるんです。ちなみにシャクヤクは生薬の使用率の中でも上位に入ります。漢方配合薬の代表選手です。

これらが等量ずつ合わさった「四物湯」(しもつとう)を煎じた液は、ほんのり甘くて、セロリが入ったスープのような香りがあって、「薬膳だわ」と思える乾物臭や漢方薬局の匂いもあり、味もよい。薬膳スープを作るにはかなりいい味出してくれています。

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せっかくなので四物湯の出がらしにお湯を差しておいたら・・・

四物湯

またまた色と香りが強く出ました。味も相変わらず良いです。

四物湯

これも美味しく頂きました♪

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なお、スープナンバーファイブを作るにあたり、検討したのはその使用量です。

東南アジアでは薬膳の食材でも、日本では薬膳の生薬は医薬品として使用される場合の用法と用量を頭に入れて少なめに控えめに調理しなければなりませんね(※)。

※なお重要事項ですが医薬品として薬剤師から交付されたものも交付(お渡し)と譲渡(支払い)が完了した後は法律上医薬品ではなくなります。交付と譲渡後私の手元にあるのは私物ということになります。

例えば4人分のスープを作ると仮定して・・・。そこに入る四物湯は、1食分が医薬品としての1回量になっては多いので、1食分に医薬品としての1/2回量が入るようにしました。

具体的には、1日量+出がらしからの抽出を医薬品の4回服用分に相当すると近似しました(出がらしからいい色と味が出るので出がらし1回分を医薬品1回分カウントしました)。つまり、1回量+出がらしからの抽出を2回服用分に相当すると近似し、それを4食分に含めれば1食分に医薬品としての1/2回量が入ると近似できます。

また注意点ですが、薬局製剤としての漢方薬を買うのなら薬剤師の確認が義務付けられており体に合わないリスクはその段階でかなり排除されているので、自分が買って自分が喫食する分には大丈夫です。しかしモノが薬剤師確認漢方薬なだけに、良心に従って行動するなら他者に無責任にふるまうような場で作るのはやめておきましょう。まあ漢方薬としての服用量の半分の薄さにしているので、食品レベルに落とし込んでいますが。

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以下、四物湯の基礎情報メモ(自分用抜粋)です。
<効能・効果>
皮膚が枯燥して色つやの悪い人の、冷え症、しもやけ、しみ、血の道症など。
「血の道症」とは女性症状全般を指す用語として昔からあるもの。月経、出産、加齢などに伴う…なので、ホント幅広い女性の症状を語る広く漠然とした言葉です。血の道症に含まれる症状は非常に多く、のぼせ、冷え、頻脈、徐脈、肩こり、腰痛、過敏、しびれ、倦怠感、頭痛、頭重、めまい、眼精疲労、不安、不眠、多汗、頻尿、便秘、下痢、月経困難などなど。
<薬剤師的なコメント>
四物湯は、漢方の世界では「血」が不足した多くの症状に使うものとされます。大原則は「皮膚が乾燥していたり色つやが悪いような人」であり、そういう人に出る様々な症状に適応があります。血を補うことにより皮膚が潤されますので、肌あれ、乾燥肌、肌のしみに効果があります。貧血や貧血の諸症状(動悸など)、冷え性、精神不安症状などのほか、白髪や抜け毛にも使われる漢方配合薬です。
<禁忌>
乳児(生後3か月未満)は絶対禁忌で、添付文書上4歳未満は服用不可。小児には成人より少ない既定の薬用量があるので購入時の医薬品情報を確認する。
<副作用>
皮膚の血が潤うので皮膚に違和感が出る方がいます(発疹、発赤、かゆみなど)。この場合は服用をやめます。
配合漢方の中のジオウが消化器異常を起こすことがあり、胃部不快感、食欲不振、腹痛などが出たら→服用中止。下痢の場合は増悪するようなら服用中止。
「四物湯を飲みたいけど私は胃腸が弱くて飲めないわ」という方には、ジオウが入っていない類似漢方薬として「当帰芍薬散」など選択肢はまだありますので漢方薬局に相談するとよいと思います。


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