イノシシを解体して豚足を獲得しましょう!
優しいご近所さんにはイノシシの罠を仕掛けている方々がおり、イノシシが獲れたら私を呼んで下さることがよくあります。でも皆さん、背中や腹やもも肉はとるけれど、食べられる部位を相当捨ててしまうんです。
以前私がシンガポールに行ったとき、シンガポール料理を愛しシンガポール料理の理解を助けてくれるシンガポール人が、美味しい豚足料理をごちそうしてくれました。レシピも教えてくれました。それは豚足を黒酢、ごま油、生姜、砂糖をベースに煮るもので、骨からゼラチン質をはがしながら、旨味を味わいながら、感動しながらその料理をいただきました。
市販の豚足って、買ったらすぐ食べられるように、かなりゆでて柔らかくしてあります。だから肉や組織の旨味がかなり減っています。
そこで、イノシシが捕獲できたある日、私は足の先を持ち帰り、自分で処理するところから始めようと思いました。
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1)かかとより先の足先を切り落とし、洗って、下ゆでします。
土や砂を落とすために水洗いをします。毛には細菌やダニなどがいるでしょうから、ゆでて殺滅します。よって表面の殺菌・殺滅が目的なのであまり時間はかけません。
2)ゆであがりました。
3)毛を落とす、あるいは皮をはぎ、爪を取ります。
爪は皮膚に強固についているので、キッチンばさみを使って爪の際をぐるっと切ると、爪がパカっと抜けます。
4)処理完了!
30分くらいで足先4本の処理完了。場数を踏めばもっと早くできるようになれます。
5)もう一度ゆでる
殺菌してから保管したいので、もう一度ゆでます。今度は内部の細菌も殺しておきたいので少し長くゆでます。臭み抜き・・・というか、自然のイノシシをさばきたての段階で処理を進めると、臭くないんです。このゆで作業により表面に付着した毛も取れます。
6)完成!
この状態で冷凍保存できるので、ゆっくりじっくりスローライフ的に調理できる気分になれる日まで冷凍庫に置いておきます。
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その後私は、シンガポール料理、ピッグトロッター(豚足の生姜たっぷり黒酢煮)を作りました!
足先は骨と骨が結合組織で接合しているのですが、黒酢の作用により口の中でパーツに分解できるくらい柔らかく煮え、黒酢と生姜たっぷりの味を吸っています。だから気長に口に含み、骨にまとわりつくぶるぶるねっとりしたゼラチン質を楽しむことができました。
また豚足が放出する旨味によって煮汁がめちゃうまです。ごはんだけでなくお酒のつまみにもとても合う味ですし、パーフェクトコラーゲン効果でお肌の改善にきっといいはず!と思いました♪
なお、上述の通り、近所のハンターさんたちは豚足を棄ててしまうので、豚足のさばき方は誰にも教わったことがなく、完全自己流です。でもまあ、安全な形で美味しく調理できるようにさばいているので、多分大丈夫ではないかなと思っています。