新しい味にわくわくする世界のスパイスカレー(6)ペルー料理「ティンプー」

2023/01/22

【スパイスアンバサダー2022】の活動として、1~2月は「新しい味で世界のスパイスカレー」というテーマでレシピを掲載しています。

「新しい味に出会う」

って楽しいですよね。日本で安定して作れるレシピがない中で新しいレシピや調理に挑戦することはハードルが高いけれどもそれが完成してレシピ化できたときはとても満足感がありますし、楽しいです。新しい味に出会ってマンネリの真逆を行くことは、気分が高まって心がハツラツとします

よってここに、『新しい味で世界のスパイスカレー』というテーマを設定し、10レシピを連載します。

10か国の選定コンセプトは、まず地球の5大陸のそれぞれに2か国、その2か国は地域が重複しないようにしました。例えばアジア2か国において南アジアのパキスタンと東南アジアのシンガポールというようにです。メインスパイスが似通らないように分散するように選びました。さらに日本でスパイスカレーを作る人でもあまり作らない「新しい味のわくわくレシピ」であることを重視してレシピを選定しています。

私が実際に作って美味しかったレシピです。暗いことも多い世の中ですが、私と皆さんのキッチンが少しでも明るく楽しくなりますように。

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 【第6回】ペルー料理「ティンプー」 

ティンプー

『わくわくする新しい味』のアピールキャッチは、
インカ帝国の考古学的味わいに時間よ止まれ

「Thimpu」(ティンプー)の語源には諸説あり、1)アイマラ語の「時間」(綴り不明)、2)スペイン語の「時間」(tiempo)、ケチュア語の「沸騰」(Ttimpuy)など。私は「時間」という説が好きで、アンデス山脈インカ帝国の素晴らしい味わいに、まるで「時間が止まった」かのような考古学的味わいを感じるのです。

heart『ゆで肉とゆでじゃがの黄色唐辛子ソースがけ♪ ティンプー♪』
材料(2人分):

塊の肉(※1)
400~500 g
2 L
小1
ドライオレガノ
小1/2
玉ねぎ
1個
じゃがいも
2個
にんにく
1かけ
サラダ油
大2
アヒアマリージョ(※2)
大3
小1/4
こしょう
小1/8
クミンパウダー
小1/5

※1:手に入りやすい塊の肉として、例えば牛もも肉などをブロックで買うとよいです。
※2:現地では生の黄色唐辛子から手作りもしますが、日本ではペーストの瓶詰めが市販されています。アヒアマリージョの代用はなかなか難しいので、輸入食材店で調達します。

作業工程:3 時間

  1. (白ごはんに乗せて食べたい場合は米を研いで炊飯しておく。)
  2. 大きめの鍋に、塊の肉、水の半量(1 L)、塩、ドライオレガノ、玉ねぎの半分(1/2個)を入れて強火にかけ、沸騰後は弱火にしてフタをし、3時間ほどゆっくりと煮る。
  3. その間に別の鍋に洗ったじゃがいもを入れ、水の半量(1 L)を入れて強火にかけ、沸騰後は弱火にしてフタをし、15分ほどゆでて、火を止めておく。
  4. その間に玉ねぎの半分(1/2個分)を薄切りにしてから1 cm長さに切り、にんにくを細かいみじん切りにしておく。
  5. 小鍋にサラダ油、切った玉ねぎ、にんにくを入れて中火で熱し、火が通ったらアヒアマリージョを加えて混ぜ、肉のゆで汁を大さじ5杯ほどすくって加えて混ぜる。
  6. 塩、こしょう、クミンパウダーを加えて混ぜ、徐々に煮詰めてとろりとしたソースにする。
  7. 味見をして塩加減や辛さ加減などを好みに調える。
  8. じゃがいもを湯から取り出して皮をむき、器に(ごはんと食べるならごはんをよそってから)肉とじゃがいもを乗せ、ソースをかけて出来上がり。
  9. Enjoy!

ティンプー

美味しーーーい♡♡♡

アヒアマリージョを使った黄色いソースはどんな味かというと、唐辛子とこしょうとクミンにより、まさに「イエローカレー」という言葉がピッタリな味わいです。

ボリビアやペルーはインカ帝国の文明が栄えた南米の地。そこで私が食べて感動して、「日本で絶対作りたい」と思った料理がティンプーでした。お肉とじゃがいもを煮て白ごはんに乗せ、黄色い唐辛子ソースをかけたものです。黄色い唐辛子は現地では「アヒアマリージョ」と呼ばれるのですが、アヒアマリージョの瓶詰めが近くのホームセンターに売られていたので、日本でもそこそこ普及しているのかと思います。現地では生の黄色唐辛子から手作りもしますが、日本ではペーストの瓶詰めが市販されています。アヒアマリージョの代用はなかなか難しいので、輸入食材店で調達します。

なおこれは標高が富士山頂ほどもある寒冷の土地で作る料理です。野菜が乏しい食文化であることを理解しながらかぶりつく肉の塊は、食べつつも文化の学びになりました。


※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。


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