秋が来た。菜園で熟れた野菜で念願のルーマニア料理のザクースカ

2019/10/19

私には何年も持ち越した夢があった。

ルーマニアで食べたザクースカ

ザクースカ

美味しかった。
味がとても良くて、野菜の旨味が凝縮されていて、私も作りたいと思った。もちろんこの写真は工業生産品の瓶詰めだが、当時ホームステイをしていた家のママが、これはルーマニア全土に根付く郷土料理で、シーズンにたくさん採れたなすや赤ピーマンをどっさり使って作り、各家庭で瓶詰めして作る冬を乗り切るための保存食なのだと教えてくれた。現地でも決まったレシピはなくて、とにかく、採れた野菜をどっさり使うものなのだと言う。

日本でこれを作りたいと思ったけれど、お店で赤ピーマンを1 kgも探すのは大変じゃない? なすを2 kg買うのも日常的な規模ではありません。そして考えるほど、そうやって材料を集めるのは「何かが違う」気がしたのです。そう、こういう野菜の保存食は菜園の恵みで作るべきなのではないかと。

ただ、言うが易しとはこのことで、実際何年もこの夢は頓挫してしまいました。

自分の菜園をもつようになってからも、頓挫の原因はたくさん。まず赤ピーマンですが、緑の美味しい時期に食べるのを我慢して赤くなるまで枝につけて置いとかなければならないこと。ピーマンだって、一斉に花が咲いて実をつけるわけではなく、順々に花が咲いて順々に実っていくから、赤くなる時期もかなりずれ幅がある。そうなると、同じ時期に大量の赤ピーマンを得るためには、相当の量の苗を植えなければならないということになります。また、その収穫の時期と同時期に、トマトは完熟して赤く、なすが豊富に実っていなければならないこと。初夏に収穫した玉ねぎやにんにくもその時期まで切らしてはいないこと。そして、そういったすべてのタイミングが揃うように、前の年からザクースカに照準を合わせて作付計画を立てなければならないのです。

でも今年はその困難を乗り越えてできました。念願の、野菜たちが一堂に揃ったのです。

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10月の我が家の菜園にあるものは、

秋のトマト、

ザクースカ

秋のなすは大豊作、

ザクースカ

秋の赤く熟れたししとうは(9月はあまり食べなかった甲斐があって)バケツにいっぱい採れました!!

ザクースカ

秋野菜は、成長が遅くなってじっくりと美味しさを蓄えていくので、旨味が濃いように思います。

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ルーマニア料理のザクースカのレシピは、今回の作成では、ナス2 kg、赤ピーマン1 kg、トマト500 g、玉ねぎ大1個、にんにく5かけ、唐辛子2本。ナスと赤ピーマンは皮を焼いてはぐ。塩少々だけでとにかく優しく煮詰め、途中に油を加えて口当たりをなめらかにしていきます。

見た目はミートソースのようですが、レシピを見たら分かる、材料の半分以上は、これ、ナスなんです!!! 焼きなすの美味しさは、半端ない♡ 美味しい♡

ザクースカ

ただし、鍋底で焦がしてはアウトなので、この料理は放置の調理ができません。ずっと火の前に立って木べらでよーくすりつぶしながら、なおかつ鍋底の焦げを作らないように、優しく混ぜながら水分を飛ばしていかなければなりません。この頃は毎日用事が立て込んでいて多忙だったため、作り終えるのに2週間かかりました。2週間のあいだ、毎日煮て冷まして、やっと濃厚な甘さを持つザクースカが完成しました。

ただ、2週間の時間をかけたのは良い点もありました。作る途中から少しずつ味を見ていったから分かったのですが、最初はトマトの味が強かったのが、完成した時は焼きなすと赤ピーマン主体の味に戻り、「あの時の味になったね」と、私も家族もそう言いました。

たっぷり1.5 kgは瓶詰めしました♪

ザクースカ

瓶とフタは予めしっかり煮沸して、ザクースカを入れて軽くフタをした後も沸騰する湯の中で煮続けて、フタをかなり頑丈に閉めて、鍋帽子の中に入れ、更に鍋帽子の外には冬用のコートを何重にも重ねて、自然に室温になるまで2日くらい放置しておきます。こうすれば1年でも2年でも保存できます。保存してから数ヶ月は置いておくと美味しいとのことです。ともあれ今日から1年間、年中ごちそうを頂ける機会が得られました。

瓶詰めにしないザクースカ

ザクースカ

このレリッシュは、焼きたてパンに乗せて食べる。これが正しい食べ方です。

美味しい秋野菜の恵みの味。私が長年夢見た念願のルーマニアの旅の思い出の味。

ザクースカ

ルーマニアのブラショフで交流してくれ、私にお料理をいっぱい教えてくれたシミリアおばさん、心からありがとう!!

レシピは、≫こちら


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