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日本人がバチカン市国を旅して「バチカン料理」を食べるとするならば、それはバチカン国内で飲食するものであり、その答えは、「MUSEI VATICANI」(ムゼイバティカニ)、すなわち「バチカン美術館」にあります。
私は世界237か国目の渡航にて、念願のバチカンを訪れました。「世界の料理研究家」として活動する私は、世界一難しい各国料理といえる『バチカン料理』に足を踏み入れたかったのです。そして『バチカン料理』のみならず、この聖なる国そのもの全体に、私は理解を深めたかったのです。
それではこのページでは、バチカン市国の内部のレストランやカフェで提供するものを調査した結果のまとめを中心に記載していきます。
*調査日:2016年12月20日(火)
* * *
まず、バチカン美術館に入り、チケットゲートをくぐったら、楕円の螺旋階段を上がります。隣にエスカレーターもありますが螺旋階段の途中に世界の伝統的な船の展示があるので歩くほうが面白いです。登りきったら、そこがバチカンで言う2階(日本で言う3階)です。
(※注:このページでは、現地エレベーター表示等に合わせ、日本語文中でもバチカン階層表記をしています)。
そこから左右にルートが分かれます。
この案内看板があります。
まだ午前中の早い時間なので多くの観光客は左、つまり見どころのシスティーナ大聖堂やエジプト美術品などなどの芸術の数々に触れられる方向へ進んでいきます。しかしバチカン料理調査優先の私はここを右に進みます。
パッと見て分かりにくいこの案内看板ですが、左側の看板は現在地が下にあります。右側の看板は現在地が上にあります。よって、右に進むと「レストラン→カフェテリア→ピッツェリア」の順に店が登場するはずです。
なお、この案内看板から読み取れる飲食店情報は以下の通りです。
・絵マーク:5軒(カフェ3軒、レストラン2軒)
・文字:3軒(カフェ1軒、レストラン1軒、ピザ屋1軒)
また、この左右にルートが分かれるところを敢えて右にも左にも進まずに正面屋外に出ると飲用可能の水が出るファウンテンが左手にあります(看板のむこうに見えています)。この「バチカン水」も、バチカン料理を語る一端です。是非飲んでおきましょう。
下の図は、入場料を支払うともらえるバチカン美術館内部地図の下半分です。
下から順に、「ENTRATA」(入口)、そして楕円の螺旋階段(隣にエスカレーター)、そして「 i 」マークが上の案内看板の写真です。ここまではこれまでの説明とおおよそ一致しています。
しっかし分かりにくいですよね、この地図。なお、実際に私がレストランへ直行した道(分岐から真右へ進んでエレベーターに乗る道)も描いてありません。
飲食店情報としては、コーヒーカップマーク(カフェテリア)が3つに、ナイフとフォークマーク(レストラン)が2つ描いてあります。
下の図は地図の上半分で、有名なシスティーナ大聖堂の近くにもう1つコーヒーカップマーク(カフェテリア)の表示があります。
上下あわせたら「飲食店は6軒ある」ことになります(カフェテリア4軒、レストラン2軒)。
下の写真は、レストランやカフェで使われている紙製のランチョンマットです。
上の写真から読み取れることは、
・文字情報:「レストラン&バー」という見出しの下に、飲食店が4軒(ピザ屋1軒、カフェ3軒)。
・地図情報:飲食店5軒(レストラン&バー1軒、ピザ屋1軒、カフェ3軒)。
下の写真は別の紙製ランチョンマットです。
読み取れることは、文字情報として、飲食店5軒(レストラン&バー1軒、ピザ屋1軒、カフェ3軒)です。
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まとめます。
1)案内看板の情報
絵マーク:5軒(カフェ3、レストラン2)
文字:3軒(カフェ1、レストラン1、ピザ屋1)
2)配布地図の情報
絵マーク:6軒(カフェ4、レストラン2)
3)ランチョンマットその1
文字情報:4軒(ピザ屋1、カフェ3)
地図情報:飲食店5軒(レストラン&バー1、ピザ屋1、カフェ3)
4)ランチョンマットその2
文字情報:飲食店5軒(レストラン&バー1、ピザ屋1、カフェ3)
(笑)なにこのバラバラ!
こうやってまとめてみるとびっくりします。やっぱり分かりにくいですよね~。
* * *
では、この看板の位置から右に進んで階段で1階分降りて(エレベーターもあります)、進みます。この案内看板によれば「レストラン→カフェテリア→ピッツェリア」の順に店が登場するはずです。
階段を降りたところに看板がかけられていました。あれ? この看板では「ピッツェリア→カフェテリア→レストラン」の順に店があるように書いてありますよ?
でも実際、最初に登場するのはフードコートでした。フードコートは下の写真のような構造になっています。ここにこの飲食店形態はレストランではなく「フードコート」と表記されています。
入口に近い方から5つの販売ブースに分かれています。手前から順に、日本語にすると以下のように表示されています。
・Freschi sapori(フレスキサポリ、訳:新鮮な味)-サラダと果物
・Tradizionale(トラディチオナレ、訳:伝統)-肉とグリル
・La spiga(ラスピーガ、訳:麦穂)-イタリアンパスタ
・Al mercato(アルメルカート、訳:市場)-ストリートフード
・La norcineria(ラノルチネリア、訳:精肉屋)-チーズと豚肉
見出しが素敵ですね。「麦穂」とか。
入口に近いところに、下のように無料の調味料がたくさん置いてあります。オリーブオイル2種、塩、こしょう、つまようじは個別包装パック。ボトル調味料には、なんと! バチカンにキッコーマンの醤油が!! 日本人として嬉しい発見です。
この写真が入口側から見たフードコートです。左側に無料の調味料が置いてあって、その奥が5つの販売ブース、左から順に「Freschi sapori」のように販売種目が掲げられています。・・・早い時間に行ったのでこのような人の少なさでしたが、これが少し遅い時間になると、それ以降は取材続行が不可能になるほど人があふれます。
1つめ、Freschi sapori。サラダと果物。すべて包装済み販売。奥には水のペットボトルも冷やされて販売。
2つめ、Tradizionale、肉とグリル。黒人さんが働いていました。肉料理を切り分けてサーヴします。この日は、ソーセージ、付け合わせのフライドポテト、ローストチキン、ローストポーク、魚フライがありました。
3つめ、La spiga、イタリアンパスタ。店員さんいい人だなー、写真撮らせてくださいとお願いしたらパフォーマンスもしてくれて♪ (それだけこの時間帯が比較的忙しくないということですネ♪ ちなみに写真の右側では職員のおばちゃんが手拍子をたたいてお兄ちゃんの手の動きを煽ってくれています(笑))
イタリアンパスタのレジの前に、セットメニューの案内がありました。
・メイン料理主体のメニュー(12.5ユーロ):お好きなメイン1品、付け合わせ、水(ペットボトル500 mL)、パン、フルーツかデザートかヨーグルト。
・フルイタリアンメニュー(18.5ユーロ):上のセットにお好きなパスタ1品が加わります。
お値段が高いように見えるけれど、バチカンは物価の高いローマの一等地にあって、ちょっと外に出てローマ市内でごはんを食べてもすごく高いんです(事実、この日の前日に食べた野菜スープ1皿が10ユーロしました)。だからローマの物価に慣れていればそれほど高くないと思います。
では4つめ、Al mercato、ストリートフード。ディスプレイがあり、ハンバーガー、ホットドッグ、ナゲット、フライドポテト。
5つめ、La norcineria、チーズと豚肉。肉、ハム、プロシュート、チーズなどが入ったパン類です。写真右にはカットフルーツ盛り合わせやケーキなどのデザート。
フードコートは以上です。
しかしなるほど。このフードコートは他国のフードコート(店が集合して競合する形態)のとは異なり、左の前菜から右のデザートまで、むしろ分担をしているのだと分かりました。
この5ブースの組み合わせは客の自由です。ハンバーガー単品を食べたい人は単品でよし。パスタと肉とフルーツと・・・と組み合わせも客の自由です。そしてセットメニューも販売されているのです。上手く出来ています。
* * *
このフードコートの隣が、カフェチェントラレ(Caffè centrale、中央カフェ)です。2つは入口が一緒で内部で仕切られて分離されており、カフェチェントラレは飲み物やデザートやおやつが充実しています。
エスプレッソ1ユーロ、カプチーノ1.3ユーロ、ミネラルウォーター500 mLが1.3ユーロ。ビール(中)4ユーロなどのアルコールもあります♪
ガラスケース内の上部にあるケーキが美味しそーvvv
ガラスケース内の下部の値札は、具だくさんパニーノ(具を挟んだパン)が4ユーロです。
そのカフェテリアでは、メキシコで有名なコロナビールが売られていました。スナック菓子もあり、ジュース類もいろんな種類があります。ケーキやアイスクリームも充実、パニーノも充実。コーヒー類はバリスタさんが入れてくれます。ただしカップは使い捨てのプラ製です。
* * *
ここまでの2軒で、最初に出てきた案内看板の右下にある「レストラン」(※実際はフードコート)と「カフェ」を見終えました。次に進むと「ピッツェリア」(ピザ屋)です。
フードコートとカフェの共通出入り口を出て通路に戻り、次に進むと、通路の突き当りにピザ屋があります。ここで注目。ピザ屋に入る手前でトイレに降りる階段があること。もうひとつ、窓の外に白いパラソルが見えていること。
ピッツェリアも綺麗なところです♪
フレンドリーなスタッフが、ピザ生地を延ばす作業を見せてくれました。下の写真の右にはピザ焼きオーブンもあり、この時点で、ピザはバチカン国内で作っていることを確認しました。
これまでバチカンの中で食べられる料理は、イタリアで作られて運ばれたと思わしきものもたくさんあったため、この「バチカン産のバチカン料理」たる光景を確認できてよかったです。
ピザが焼けてくる~♪♪ しかも美味しそー♪♪ なお、ローマ市内でよく見る四角形のピザではなくここでは円形のピザを焼いています。
お昼ごはんの時間が近づいてきたので(しかもこれまでの時点で芸術品をまったく鑑賞していないw!笑)、ここで、芸術品の鑑賞を終えて戻ってきた夫と合流して、焼き立てのピザを食べることにしました(実際は、次に紹介するカフェデッレカロッツェを見てきてから戻って食べています)。
価格ですが、ピザとドリンクのセットメニューは、店員に聞くとジュースでもビールでも同じ値段なのです!! ならば喜んでビールを飲んじゃおう♪
バチカン美術館は広大で、通路も長く、階段も多くあり、内部移動にもエネルギーを遣います。こういうときに冷えたビールがジュース価格で飲めるのはとても嬉しいですね。サーバーからカップに注いでくれるので、泡がもこもこと立って飲むと気分爽快です♪ だいたい、ビールとジュースが同じ値段というのはバチカンならではの現象でした。値段を気にしないか、酒税が課されないかのどちらかではないでしょうか。
また、ここではパニーノも食べました。パニーノは立体的なパンに切れ目を入れて具を挟むサンドイッチです。店員さんに「パニーノバチカーノ」(バチカン版パニーノをちょうだい)と尋ねたら、チキンカツのパニーノを挙げてくれました。「ハムやチーズだとイタリアと同じだから」と言っていました。
* * *
ここまでの3軒で、インフォメーション看板の右下にある「レストラン」(※実際はフードコート)と「カフェ」と「ピザ屋」を見終えました。
外に出て、先ほどのこの写真で見たパラソルのあたりを歩き、
あれ? またカフェがあるよ!?
さっき案内板にある店は全部見終えたはずなのに・・・、謎のカフェ発見です。上の写真に映っているように、半地下です。
ここがカフェデッレカロッツェです。カロッツェは馬車という意味で、この近くに馬車が陳列されている地下美術館があるのでこの名前がついていると思われます。カフェチェントラレ(先ほど見たフードコート隣接のカフェ)よりも小規模ですが、売っているものは多く共通しており、同じ商品は価格も同じでした。
ただし、このランチョンマットに載っている名前とは店名が異なっていました。
ところでこのランチョンマットにはカフェデッレカロッツェの名前が違っているだけでなく、カフェチェントラレも載っていません・・・。
* * *
ここから私は観光を再開しました。地下の馬車美術館へ進み、通路に沿って芸術品を見て、再びインフォメーションに戻ります。
うーーーん、やっぱりおかしいよなあ。この看板の通りなら、右側に進むと「レストラン→カフェ→ピザ屋」が現れるはずなのに、実際は、「フードコート→カフェ→ピザ屋→カフェ」がありました。
さあ今からは左側の看板のように進んでいきます。特に下から4つめの「Egizio」(エジプト)は、エジプトの財宝が多数陳列され、素晴らしかったです。そのエジプト展示の地区を出るとこんな廊下。
そして、あれ? 上の写真の近くから外に出られるところがあるよ? そしてそこにはなんとレストランがあるよ!? ・・・そう、ここで謎のレストラン発見です。
素敵なレストランだなー。写真に映っている建物内には入れず、屋外のテラス席のみの営業でした。
メニューを見ました。
でもメニュー表紙にも店の名前が書いてありません。。。
(のちにメニュー内部の文字と位置から照合しカフェラピーニャだと判明しました。)
私はこの店で、メニューの全ページの写真を撮らせていただくことができました。写真を急いで撮りました。掲載は控えますが、1ユーロのパンから、199ユーロのドンペリ(高級シャンパン)まで掲載されています。エスプレッソが2.5ユーロなど、これまでのカフェよりもお値段高めです。料理は、タリエーリ(前菜ボード盛り合わせ)、インサラテ(サラダ)、プリミ(パスタ)、パニーニ(立体パンのサンドイッチ)、デザート菓子、飲み物(お酒やカクテルも含む)、セットメニューがありました。
この店はどこの何なのかが分からないまま、ここを出発し、次は、遠く離れた1軒のカフェへ向けて、システィーナ礼拝堂へ続く長い回廊を進みます。この回廊も、一つ一つに本当はじっくり見入ってしまいたいほどの素晴らしい芸術作品の連続です。
遠~く離れた最後のカフェに到着しました。「カフェデルフォルノ」です。メニューや価格はカフェチェントラレやカフェデッレカロッツェと共通していましたが販売品目の規模が小さいようです。
* * *
以上で、バチカン美術館の内部にあるカフェ及びレストランをすべて見終えました。
これより、これまで掲載した様々な情報を、現地で確認した正しい情報を付記してまとめます。
◆【まとめ】バチカン美術館の内部にあるカフェ及びレストランの数
バチカン美術館の内部にあるカフェ及びレストランは6軒です。
紹介した順に、
A)フードコート、B)カフェチェントラレ
C)ピッツェリア、D)カフェデッレカロッツェ
E)カフェラピーニャ、F)カフェデルフォルノ
ただしA)とB)は入口が同じなので、2つを一体構造とみなせばトータルで5軒と言うこともできます。
次に、バチカン側から提供される情報を修正してまとめます。
1)螺旋階段上の案内看板
・レストランの文字があるが現地看板はフードコートとも掲げられている。
・ピッツェリアからつながるカフェ案内(カフェデッレカロッツェ)が文字と記号共に抜けている。
・エジプト館の近くのカフェ案内(カフェラピーニャ)が文字と記号共に抜けている。
・システィーナ礼拝堂近くのカフェ案内(カフェデルフォルノ)の文字が抜けている。
2)配布地図
・カフェデルフォルノの表記は適切。
・カフェラピーニャの表記は適切。
・残りの4軒(フードコート周辺の4軒)については、グレー網掛けが建物内部であることが説明がなく、通路位置も違い、階層表記も理解しにくく、混乱のもとが多数掲載されている。トイレ通路を介してピッツェリアとカフェが中でつながっていることも記されていない。
3)ランチョンマットその1
実はカフェチェントラレでこのランチョンマットについて職員さんに「ここはどれですか」と質問をしたとき、「この店は載ってないねぇ、ここはカフェチェントラレだからねぇ」と言われてしまいました。実は、見出しの「Restaurant & Bar」が「フードコート&カフェチェントラレ」だったのです。そうすれば、ピッツェリアの位置の位置が悪いのでもっと右にずらせばこのランチョンマットは概ね正しい情報を記していることになります。
4)ランチョンマットその2
上と同様に、これも見出しの「Restaurant & Bar」が「フードコート&カフェチェントラレ」だったのです。その他の情報は(CafèとCaffèの小さな違いなどに目をつむれば)概ね正確です。
* * *
総括。
以上、バチカン市国の内部にあるカフェ及びレストランに関する調査について記載しました。現時点で、インターネット上にはこれほど詳しく解説をしているページはないため、このページを【決定版】と掲げることにしました。
憧れのバチカンに行ったものの情報の整合性がとれず、今バチカンにいるというのに、現地に足を踏み入れてもちんぷんかんぷんで、飲食店の数も位置も名称も分かりにくく、理解しにくいものでした。しかし時間をかけて全部の店を訪れたあと、地図やその他の情報と照合して初めて、絡まる糸はほどけました。それにはとても時間がかかりました。
・・・だから、このページをぱっと見る人には、このページの記載内容はきっと分かりにくいと思います。
* * *
私はサイトを作成するときは、そのページに情報価値があることを心がけ、常に「知りたい人が知ることができるページ」を目指して、ちゃんと調べて、価値あるページを作るために執筆しています。
解明、解明、また解明。
ちゃんと調べれば、ちゃんと分かるものです。
解明してみると、やはり、いろいろつじつまが合っているのです。
本当、やれることは全部やったっていう感じです。
写真は、バチカン市国でカフェ!!おかわりまで飲んでます!!
フライト18時間もきつかったし時差マイナス8時間というのもきついし、日本を出てローマの宿に到着したのが夜(日本の明け方)で、よって眠れないまま次の日の朝イチでバチカン入り。要は丸2日寝ていないのできついのが顔に出まくりですけれど、でも私はバチカンで大満足!!!
“【決定版】バチカン美術館の内部にあるカフェ及びレストランに関する完全調査” への1件の返信
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