セーシェル料理

[last update 2015/06/01]

◆クレオール・クレオール・クレオール。青い空が似合う海の料理。


+++新着+++


首都のマーケット。種類は少なくても生き生きとした食材が並ぶ。(撮影地マヘ)

ルガイにレシピリンク挿入!


基礎情報セーシェル共和国Republic of Seychelles、首都ヴィクトリア、ISO3166-1国コードSYC/SC、独立国(1976年英国より)、公用語英語/フランス語/セーシェルクレオール語、通貨ルピー

セーシェルは、アフリカはケニアあたりから見て東の海に浮かぶインド洋の孤島です。

セーシェル(セイシェル)は、美しい海に楽園の島々が大人気。日本でもハネムーナー憧れの国です。その清純なイメージからは想像しにくいのですが、セーシェルのほとんどの国民は、奴隷の子孫です。白人と黒人とアジア人の混血であるという、負の歴史に裏打ちされた事実があります。

昔、セーシェル諸島は無人島でした。18世紀にフランス人が領有を宣言したとき、すでにモーリシャスがフランス植民地になっていたことから、主にモーリシャスのフランス人が奴隷を連れて入植してきました。19世紀に入って英国へ割譲され、英国植民地としてモーリシャスの管轄下に置かれました。しかし、その後奴隷制度が廃止されたあとも、英国は違法の奴隷の輸送を続け、それまでの奴隷数よりもケタ違いに多い奴隷(解放奴隷)がセーシェルに入り、また中国人やインド人労働者も導入されました。

セーシェル、モーリシャス、レユニオンの三国は、フランス領になったり英領になったりした時期が重なっており、それゆえ人の行き来があり、またセーシェルとレユニオンがもともと無人島だったことから、三国の食文化にはモーリシャスを介した共通点が多数見出されます。なお、英国支配の時代であっても、セーシェルにはフランス人と奴隷が住んでいたので、独立した今もセーシェルの文化として残っているのは、イギリスではなく、フランスとアフリカの影響です。

セーシェルの住人は、初期の入植者、フランス人が連れてきた黒人奴隷、そして英国人が導入した多数の解放奴隷の子孫です。今では混血が進み、比較的同質となってクレオール人と呼ばれていますが、ほとんどアフリカ人の血が主体と言ってよいようです。

数十もの小島が集まるセーシェルでは、ココナッツ、果実、魚は普遍的な食材です。現在では食用作物としてパンの木、キャッサバ、ヤムイモ、ココナッツ、バナナのほか、家畜として牛、豚、鶏なども飼育されており、食糧の自給度の向上も認められます。食事の主体にはなりませんが、シナモンやバニラなどの香料もよく採れます。

セーシェルは、アフリカ系住民が主として住む国の中では生活水準が高く、輸入に対する食糧依存度が高いです。しかし現地でスーパーを覗いても、その品数はむしろ貧弱でした。セーシェルであまり採れない野菜類や米なども、決して安いものではありません。人口のほとんどが集まる主島のマヘ島でさえ、スーパーの数は十分ではありません。鮮魚や野菜類が買えるオープンエアマーケットはありますが、便利なところから離れて住んでいる住民は、近所のごく小さな商店で、バゲット(フランスパン)や缶詰、スパゲティー、米などを買ったりしています。総じて、食べる物の種類は少ないほうだと思います。

もともと無人島ですから伝統的な料理というものがなく、歴史の中で複数の民族が混交してきたセーシェルの料理の特徴は、ずばり「クレオール料理」です。

セーシェルは、英語とフランス語とクレオール語が公用語です。クレオール語は、フランス語とバントゥー(アフリカ人の主要民族)を基本に、マラガシー(マダガスカル語)、英語、ヒンディー(インドの主要語)が混ざってできた言葉です。同様に、クレオール料理は、アフリカ料理に、フランス、中国、英語、インドなどの影響が混ざってできた料理です。米を主食に、セーシェルらしい食材としての魚やココナッツに、インドを感じさせる香辛料、中国を感じさせる醤油、フランスの料理の嗜好が混ざっています。具体的にいうと、カレーやスペアリブ、チャツネやルガイ、フランス風焼き魚などは、セーシェルクレオール料理の代表です。

セーシェルの宗教プロファイルとしては圧倒的にカトリック教徒が多く(9割以上)、欧州の食文化の影響も強いことから、ビールやワインなどの酒類も好まれています。セイブリューはあっさりしたテイストで美味しいです。

セーシェルでは、地元の人どうしはクレオール語を話しますが、国の第二言語は英語(第三がフランス語)なので、私たち日本人が英語で話しかけたら、きっとそれを理解してくれます。若い人の多くや観光業に携わる人は英語がペラペラです。下の料理名各論では、分かる限りクレオール語表記や読み仮名もつけますが、このサイトを見てセーシェルでセーシェル料理を探す人に役立てたらと思い、英語表記も積極的につけました。

セーシェルに行ったら、ただ風光明媚とかだけではない、負の歴史に裏打ちされた -単一民族でまとまることが決してなかった- クレオールの文化を、食事からもふんだんに感じてきてほしいです。

◆セーシェルに行ったら、これ食べよ♪

※ク:クレオール語、英:英語、仏:フランス語。

【クレオール料理】
カットカットバナン(Kat Kat Bannann)・・・甘くないバナナや魚をココナッツミルクで煮る。
カリ(ク:Kari)・・・カレー(英:Curry)
┗カリココ(Kari Koko)・・・ココナッツミルクでクリーミーなカレー。
┗カリスーリ(ク:t)・・・タコのカレー(英:Octopus curry)。ココナッツミルク入りが定石。
サティニプワソンサレ(ク:Satini Pwason Sale)・・・塩漬け干し魚を使ったシチュー。
テクテクスープ(ク:Tec Tec Soup)・・・白くて小さな二枚貝(アサリっぽい)のスープ。
パイナップル(英:Pineapples)・・・伝統クレオール調理ではスライスオニオンと黒こしょうでサラダにする。
ブヨン(Bouyon)・・・スープ類。
┗ブイヨンブレード(仏:Bouillon brède)・・・葉野菜のスープ
┗ブヨンブラン(ク:Bouyon Blan)・・・魚介類の澄んだスープ。
ルガイ(仏:Rougaille)・・・オニオントマトソース。魚などが入ることもある。

【魚介類】
コルドニェ(ク:Kordonye)・・・比較的小さな熱帯魚の一種(英:Rabbitfish)
トゥナ(英:Tuna)・・・まぐろ。ステーキやカレーにして食べる。
ブルズワ(ク:Bourzwa)・・・タイのような赤い魚(英:red snapper)。
ブヨンブラン(ク:Bouyon Blan)・・・魚介類の澄んだスープ。
プワソングリエ(仏:Poisson grillé)・・・セーシェル風焼き魚。魚をマリネして焼く。
プワソンサレ(ク:Pwason Sale)・・・塩漬けして干した魚。調理の素材。

【肉類】
サックリングピッグ(英:Suckling pig)・・・豚の丸焼き。お祝い料理。
ショーブスリ(ク:Chauve-Sourit)・・・コウモリ。カレーなどにして食べる。
フルーツバッド(英:Fruit bad)・・・ショーブスリと同じ。

【主食類】
グロマンジェ(ク:Gro manze)・・・イモ類の総称。主食というような意味合い。
バナンセンザク(ク:Bannann Sen Zak)・・・プランテーンバナナ。甘くなく、イモのように食べる。
フイヤペン(ク:Fiyapen)・・・パンの木の実。ハンドボールくらいの実を焚火に入れてほくほくの中身を食べる。
ブレッドフルーツ(英:breadfruit)・・・ファイヤペンと同じ。
マヨック(ク:Mayok)・・・キャッサバ。イモの一種。
パタット(ク:Patat)・・・さつまいも。

【野菜類】
エッグプラント(英:egg plant)・・・ナス。薄切りにして衣つけて揚げることが多い。
オーベルジン(仏:Aubergines)・・・エッグプラントと同じ。
パルミスト(仏:Palmiste)・・・ヤシの芯のサラダ。筍の姫皮みたい。富豪のサラダ(millionaire’s salad)とも呼ばれる。

【果物類】
ココナッツ(英:Coconut)・・・ココナッツ。中はジュース、割った内壁はゼリーやココナッツミルク作りに。
バナナ(英:Banana)・・・バナナ。ココナッツミルク煮やバナナフライなど料理にも使う。
ポーポー(ク:paw paws)・・・パパイヤ(英:Papaya)

【お酒】
セイブリュー(Seybrew)・・・国民的ビール。ドイツタイプのラガー。軽くて飲みやすい。
ココダムール(Coco d’Amour)・・・ココデメール(セーシェル名物ハート型のココナッツ)から作るクリーム系リキュール。

【その他】
チャツネー(仏:Chutney)・・・薬味。たとえば青パパイヤをすりおろしてレモン汁唐辛子塩コショウと混ぜるなど。

Tips about cuisines

・カレーはココナッツミルクベースが多い。
・醤油が割と普及しており様々なクレオール料理に醤油風味をつけている。
・ヤシの芯(パルミスト)の木はブラジルのアサイージュースの木と同じ。
・パンの木の実は昔は主食の座にあった時期があった。


[kuwakuwa]

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セーシェル世界のお金

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