パラグアイ料理

[last update 2015/01/17]

+++新着+++
・路上で様々な薬草を並べた屋台がある。原住民であったガラニー族からの伝統で、頭痛にはこれ、二日酔いにはあれとあれ、イライラしているときはこれとそれ、というように症状に応じて調合してくれる。そしてこれをマテ(熱い茶)あるいはテレレ(冷茶)にブレンドして飲むのです。


お客に合わせてマテやテレレ用の薬草を調合する屋台。(撮影地シウダーデルエステ郊外)


基礎情報パラグアイ共和国Republic of Paraguay、首都アスンシオン、ISO3166-1国コードPY/PRY、独立国(1811年スペインより)、公用語スペイン語/グアラニー語、通貨グアラニー

◆赤い土と青い空。グアラニーの文化が生きる国。

南米にあるパラグアイは、東のブラジルと、西南のアルゼンチンに大きく挟まれた内陸国です。

パラグアイは、南米の中でも「のどかな田舎」な雰囲気の国です。国民のほとんどが先住民族グアラニーと白人の混血(メスチソ)です。南米には「公用語はスペイン語のみ」という国が多いのですが、注目すべき点は、パラグアイの公用語がスペイン語とグアラニー語であること。人々の多くはスペイン語も話せ、日常生活ではグアラニー語を使うバイリンガル。パラグアイ人はインディオ(先住民)の文化を今も受け継いでいます。これ、お隣アルゼンチンが、先住民がほぼ絶滅して白人国家となってしまっているのと比較すると、とても興味深くありませんか?

さて、皆が口を揃えて言う、パラグアイ料理を語る一種の合言葉は、
「パラグアイ人は野菜を食べない」。

パラグアイは、お隣ブラジルやアルゼンチンと同様、肉食文化の傾向が強く、国民食はアサードです。アサードは「焼いた肉」の意味で、網焼きや鉄板焼きにすればパリジャーダ、串焼きにすればチュラスコ(ブラジルのシュハスコと同じ言葉)とも呼ばれ、ともあれ肉を豪快に焼いて豪快に食べるものです。肉は牛肉がメインとなります。そもそもそのあたりの国々でアサードを食べるのは、牧畜文化の伝播なのでしょう。今はチキンもまた安価に出回るため、パラグアイでもポジョ(鶏肉)料理は大変に好まれています。ポジョアサード(グリルしたチキン)やポジョフリット(フライドチキン)などはどこでも見ることができます。
・・・ということで、パラグアイに行くと、体は野菜不足を訴えますのでご用心。

「パラグアイ人は野菜を食べない」に続く合言葉が、
「彼らは野菜がわりにテレレを飲む」。

パラグアイ人は、お茶をいつも携帯しています。グアンパ(カップ)にジェルバ(乾燥した薬草茶葉)を入れ、テルモ(大きな水筒)から冷水を注ぎ、ボンビージャ(先端に茶こしのついた金属ストロー)で冷浸茶を飲むのです。冷水を入れればテレレで熱湯を入れればマテと呼ばれます。お茶好きの日本人から見ても驚くくらい大量のテレレを飲み、テレレからビタミンや健康成分をとるのです。ひょっとしたら、野菜を加熱する和食や中国料理の文化よりパラグアイのほうがビタミンを上手に摂取しているのかもしれません。また、ジェルバを炒って淹れる「コシード(又はマテコシード)」はパラグアイ版ほうじ茶で、砂糖やミルクを入れ、チーパという後述のチーズパンを食べるときの定番の飲み物としていただきます。

主食はマンジョッカ(キャッサバ)というイモで、じっくりゆでて毒素を失くしていただきます。実に食感も味もよいイモです。

マンジョッカからできる片栗粉風の粉はアルミドンと呼ばれ、チーパというチーズ入りパンの原料です。チーパもパラグアイを代表する国民食で、ブラジルのポンデケージョやボリビアのクニャペと同じ食べ物です。街角でも道端でも、バスの中に売り子が入ってきてまでも、とにかくどこででも売られています。

パラグアイ料理で、マンジョッカと並ぶもう一つの主要食材はマイス(トウモロコシ)です。

チーパグアス(直訳:大チーパ)は、玉ねぎや生トウモロコシのすりつぶしなどを使って作るパウンドケーキ。生ではなく乾燥とうもろこし粉で作るパウンドケーキはソパパラグアージャです。
(※スペイン語でソパ=スープであっても汁物ではないところが面白い!)

これらの焼き物は、伝統的には「タタクア」という土釜で作ります。今でも庭にタタクアをもつ家もあります。

まだまだマンジョッカとマイスを使う料理はあります。パハグアマスカダは、つぶしたマンジョッカとひき肉で作るハンバーグ風。ソアプア(ソ=肉、アプア=丸)は、トウモロコシの粉とひき肉で作る肉団子スープ。ボリボリはトウモロコシの粉とチーズを練った団子が入ったスープ。

その他スープ類には、カルドやソパ(どちらもスープ)、ギーソ(トマト雑炊)、プチェロ(肉野菜スープ)、ソジョ(みじん切り野菜とひき肉のスープ、別名ソオジョソピ)などがあります。パラグアイ人は、朝と夜は軽く(場合によっては食べないで)、昼にしっかり食べ、おやつも食べます。

一週間の食事は曜日によって変わります。月、水、金はスープ料理。火、木は汁気のないもの(ごはんとかパスタ)を、木、土はご馳走(アサードなど)を食べます。

パラグアイ人はほぼ全員がキリスト教徒(カトリック)です。中世には、イエズス会がここにユートピアを作ろうともしていました。キリストの復活までの一週間を祝すセマナサンタ(聖週間)は、秋(3~4月)の大行事です。
日曜日の復活祭へ向け、木はウルティマ(イエスの最後の晩餐)、ごちそうをたらふく食べ、金はパッション(受難の日、イエスが十字架にかけられて刑死した日)、労働が禁じられ、全ての会社や店が休業し、刑死の苦しみを分かち合うため殺生をせず肉を食べず、水曜日に作り置きしたチーパ(チーズパン)を食べて過ごす。そして日はイースター(復活祭)でキリストが復活したお祝いとして卵型のチョコレートなどとともにごちそうを食べるというものです。セマナサンタが終わるとパラグアイは秋が深まっていくのです。

次に、パラグアイにおける日本人の貢献について。
パラグアイの食文化に今や欠かせない存在が、和食です。
政府の移民推進政策は、ドミニカ共和国のように失敗を見たところもありますが、パラグアイでは、移民(日系1世)の方々の努力で農業面で成功を収めました。ブラジルの日系人は次世代(2世、3世)となるほど日本語が話せなくなっていくと聞きますが、パラグアイでは、2世たちも、日本で育った我々と変わらない日本人らしい日本語を話しています。パラグアイでは、日本の文化が美しく残されているのです。

日系人の住む町には農協がありました。○○さんの作る豆腐、○○さんの作る味噌、○○さんの作る梅干しといった具合に、とっても美味しそうな和の食材が売られていました。日本料理屋には地元パラグアイ人もたくさん来ていて、和食は日パをつなぐ架け橋となっていることを実感しました。

以上、パラグアイ料理について書きました。
食べるものの種類が少ないパラグアイ料理ですが、私は、南米の食文化を体感するにはなかなかよい国だと思っています。お隣のアルゼンチンは白人国家じゃない? それだったら、冒頭にも書きましたが、国民みんながメスチソで、すなわちみんなでインディオの文化を継承し共有しているパラグアイはとっても素敵じゃないですか。「食べるものが少ない」なら、それはそれでパラグアイを理解する一端でよいのです。

是非、パラグアイにおでかけしてみてください。
日系人居住区の町もあって、日系人が経営する宿もあるから、パラグアイを有意義に楽しむことができると思います。

赤い土に青い空が広がる国。
パラグアイは、私が再訪したいと願う国の1つです。

◆パラグアイに行ったら、これ食べよ♪

【お茶】
・コシード(Cocido)・・・下のマテコシードのこと。
・テレレ(Terere)・・・ジェルバ(薬草茶葉)の冷浸。
・マテ(Mate)・・・ジェルバで淹れる熱いお茶。
 ┗マテコシード(Mate Cocido)・・・炒ったジェルバで淹れるお茶。砂糖とミルクが入ることが多い。

【肉】
・アサード(Asado)・・・肉を豪快に焼く。
 ┗チュラスコ(Churrasco)・・・かたまり肉を串に刺して焼く。
 ┗パリジャーダ(Parillada)・・・網や鉄板の上で焼く。
・ポジョ(Pollo)・・・鶏肉。
 ┗ポジョアサード(Pollo Asado)・・・グリルチキン。
 ┗ポジョフリット(Pollo Frito)・・・フライドギキン。
・ミラネッサ(Milanesa)・・・薄く作る牛カツやチキンカツ。

【主食級】
・タジャリン(Tallarín)・・・スパゲティー
・マイス(Maíz)・・・トウモロコシ
・マンジョッカ(Mandioca)・・・キャッサバ

【マイスやマンジョッカを使ったもの】
・ソアプア(So’o Apu’a)・・・ソーは肉、アプアは丸。トウモロコシの粉とひき肉の肉団子入りスープ。
・チーパ(Chipa)・・・チーズパン。アルミドン(マンジョッカのデンプン粉)使用。
・チーパグアス(Chipa Guasú)・・・玉ねぎやチーズや生トウモロコシのすりおろしから作るパウンドケーキ風。
・ソパパラグアージャ(Sopa Paraguaya)・・・チーパグアスのトウモロコシが乾燥粉。
・パハグアマスカダ(Pajagua mascada)・・・つぶしたマンジョッカとお肉で作るハンバーグ風。
・ボリボリ(Vori Vori)・・・トウモロコシの粉とチーズを練った団子が入ったスープ。

【その他スープ系】
・カルド(Cardo)・・・スープ。肉(カルネ)や魚(ペスカド)などで作る。
・ソパ(Sopa)・・・スープ。肉(カルネ)や魚(ペスカド)などで作る。
・ギーソ(Guiso)・・・トマトと米の雑炊。肉が入ることも。
・プチェロ(Puchero)・・・肉野菜スープ。
ソオジョソピ(so’ó josopy)・・・みじん切り野菜とひき肉のスープ。
ソジョ(Soyo)・・・ソオジョソピの短縮版。こちらで呼ばれることの方が多いようだ。


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パラグアイ料理」への4件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    チーパって略しただけじゃね?

  2. チーズ+パン=チーパですか? 面白い。ただパラグアイではチーズはケソって言うので、どうなのでしょう。出典あったら見せてください♪

  3. とうりすがり より:

    パラグアイの料理の食材が知りたいです。

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