メキシコ料理


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・地図をグーグルマップにしました。国境線が分かりやすいので好きです。


基礎情報メキシコ合衆国United Mexican States、首都メキシコシティー、ISO3166-1国コードMX/MEX、独立国(1921年スペインより)、公用語スペイン語、通貨ペソ

◆サルサの味、モーレの味、彩りの映える料理の数々

メキシコは、米国のすぐ真下。古代から文明が栄えた場所で国土は多様な地形に富んでいます。

「サボテンと青い空、ピラミッドとインディヘナ、マリアッチの音にソンブレロ、青い海でダイビング」・・・メキシコのイメージは多様ですね。広い国土は地形の変化に富み、それゆえ地方独自の特徴も生まれました。更に、メソアメリカ古代文明圏に長く続く伝統と、米国直近という位置から受ける近代化と、更に言えば陽気な国民性までもが融合し、色とりどりの料理が食卓に並びます。

メキシコ料理を語る食材といえば、まずはトウモロコシです。
硬粒種のトウモロコシを石灰を加えた水に浸漬してすりつぶした生地は「マサ」と呼ばれ、マサを手のひら大のサイズに薄く平らに延ばして焼いた「トルティーヤ」がメキシコ料理の主食です。メキシコのトウモロコシは甘みが薄く、黄色、赤、黒、白のものがあります。メキシコの食事には、固くならないように布に包まれたトルティーヤが卓上に置かれ、おかずと一緒に何枚もトルティーヤを食べるのです。

トルティーヤの応用料理も、数多くあります。
・タコスは、トルティーヤに具を乗せて食べるもの。肉類、内臓料理、魚介類、野菜などなど、何でもトルティーヤと組み合わせられます。メキシコでは至る所にタコス屋(タケリーヤ)があります。
・ケサディーヤは、トルティーヤに具(チーズが基本)を入れて二つ折りにして揚げたり焼いたりしたものです。ケソはチーズで、元々チーズをトルティージャで包んで焼いた料理です。後述のティンガを乗せて2つ折りにするようなケサディーヤもよく見かけます。
・エンチラーダとは、「チリソースに浸す」という意味。トルティーヤに具(鶏肉が多い)を入れて二つ折りにして、唐辛子入りのソースに浸したもの。
・エンフリホラダは「フリホレスに浸す」という意味。トルティーヤに具を入れてフリホーレス(黒い煮豆、粒あんタイプでもこしあんタイプでも)に浸す。
・トスターダは、トルティーヤを揚げ、揚がった円盤状の土台に、フリホーレス(煮豆)などの具を乗せたもの。
・チラキレスは、前日の残りのトルティーヤやトスターダをトマトソースで調理して具と合わせるもの。朝食の定番。
・ナチョスはトルティーヤを扇形に切って油で揚げたもの。ディップのようにすくって食べます。
・ウエボスランチェロスは朝食の定番。トルティーヤに卵(ウエボ)とランチェロン(ピリ辛いトマトソース)をかけて焼いたもの。

・・・トルティーヤにちなんだ料理の代表的なものだけでも、たくさんありますね。

これらに合わせる主な具は、カルネ(肉類)、レス(牛肉)、ポジョ(鶏肉)、ハモン(ハム)、チュレタ(あばらの肉)、チョリソー(スパイシーソーセージ)、チチャロン(豚の皮のサクサク揚げ)、ビステク(薄切り肉を焼いたもの)、ティンガ(細切り肉のトマト&チリ煮)、フリホーレス(煮豆)、アボカドなどがあります。

トウモロコシからできる料理はほかにもあります。
・ソペスは、マサを立体的に(器のように)形作って焼いて、具を乗せたもの。
・サルブテスは、マサをふっくらと揚げたものに具を乗せるもの。
・ゴルディータは、マサを厚めの円盤状に焼いたもので、切れ目を入れて具を挟んだもの。
・タマル(タマレス)は、マサに豚脂や他の具を入れてトウモロコシやバナナの皮で包んで蒸したもの。
・アトレは、トウモロコシの粉をお湯とミルクで溶いたもの。
・ポソレは、トウモロコシと肉と野菜が入ったボリュームスープ、独立記念日の料理。

サルサは、よく卓上にも置いてあり、料理に辛味や酸味をつけるタレのような位置づけの調味料です。代表的なものはサルサメヒカーナ、メキシコの国名を冠したこのサルサには、生の緑のチレ(青唐辛子)やコリアンダーの葉、白の玉ねぎ、赤のトマトがミックスされ、メキシコの国旗の三色を再現しています。サルサロハは赤唐辛子を使った赤(ロハ)のサルサで辛みが利いています。サルサベルデはトマティージョ(緑のホオズキ)で作る緑(ベルデ)のサルサです。

モレとサルサは、訳すとどちらもソースやタレといった具合になる気がして、厳格な区別は分かりませんが、サルサはよく卓上にも置いてあって気軽にかけるソースであるのに対し、モレは濃厚でもったりして手間をかけて作ったソースという感じがします。有名なのはモレポブラーノというプエブラ名物のモレで、カカオチョコレートや砂糖や唐辛子を使って作る濃厚なソースです。ポジョ(鶏肉料理)やビステク(薄切り肉を焼いたもの)にかけていただきます。またオアハカでは黄色のモレ、緑のモレ、黒のモレなど7色のモレが名物です。

グワカモレは、日本ではワカモレとしてとっても有名ですね。アボカドを潰してサルサやライムジュースを加えて作る濃厚ディップで、タコスやナチョスの定番お供です。鮮やかな淡いグリーンがメキシコ料理をたまらなく美味しそうに見せてくれます。

さて、メキシコに行ったら是非サボテン(ノパル又はノパレス)を食べてみてください。メキシコの国旗をよく見ると、美味しそうなサボテンが描かれていますね。この楕円形で薄くて平べったいウチワサボテンは、生でも食べられるし、炒め物やステーキにしても美味しいものです。


スーパーの売り場でサボテンのトゲを取ってくれています。(撮影地カンクン)

その他、チレレジェーノは、ピーマンみたいな唐辛子に具を詰めた料理。チレスエンノガダもチレレジェーノみたいなものですが、9月の独立記念日の定番料理で、白いソース赤いザクロ緑のチリ(ピーマンみたいな唐辛子)でメキシコ国旗の三色を揃えています。ちなみに白いソースはチーズ入り。メキシコにはオアハカのようなチーズの名産地もあり、オアハカではケシージョという白く細長いチーズを毛糸玉のようにぐるぐるまきつけたものが売られています。日本で流行った「裂けるチーズ」はオアハカのケシージョを模して作ったそうです。

メキシコ料理はスープ類もとっても豊富です。主食のトウモロコシに合うのでしょう。
ソパデマリスコスは魚介類のスープ。ソパデリマはユカタン地方のライムで作る酸っぱいスープ。カルドデレスは牛肉スープ。モレデオジャは直訳すると「モーレ鍋」、具が大きいポトフ風のスープ。カルドトラルペーニョ はメキシコシティー方面の名物で鶏肉や豆や野菜が入った辛いスープ。ソパアステカという、アステカ文明の名を冠したトルティーヤ入りトマト&アボカドスープも是非いただいておきたいものです。

そのほか、沿岸部にはセビッチェ(魚介や貝類のライムマリネ)があります。ユカタン半島(メリダを中心とする地域)の伝統料理にはポジョピビル(鶏肉のオレンジ&香辛料マリネのバナナ葉包み蒸し)やコチニータピビル(豚肉のオレンジ&香辛料マリネのバナナ葉包み蒸し)があります。このように、メキシコには地方特色料理もいろいろとあります。

庶民的なメキシコ料理を食べるなら「Comida Corrida(コミーダコリーダ)」の看板があるお店がおすすめです。これは日替わり定食ランチで、メインの肉か魚、スープ、トルティーヤ、ジュースのセットを、安い値段で提供してくれます。

伝統的なソフトドリンクは、オルチャタやアグアデハマイカ。
オルチャタは米を煮つぶして水や砂糖や少々の香料を加え冷たくしたもの。アグアデハマイカはローゼルのジュース(エジプトのカルカデと同じ)。でも今どきのメキシコ人はレフレスコ(炭酸飲料)が大好き。コーラの消費量世界一はメキシコらしいです。

地酒ならテキーラとメスカルです。
テキーラはテキーラ発祥の村の名前から来ています。竜舌蘭(アガベ又はマゲイと言う)を原料に作られる蒸留酒で、所定の条件(産地とか生産者とか)を満たしたものをテキーラと呼び、そうでない竜舌蘭の蒸留酒はメスカルとして売られます。テキーラは高級品なのでメスカルのほうが庶民的です。テキーラはストレートで飲むほか、テキーラサンライズ(テキーラとオレンジジュースのカクテル)や、マルガリータ(テキーラとライムのカクテル)もおすすめ。

セルベッサ(ビール)もよく飲まれています。コロナやサンのブランドがメジャー。
ミチェラーダは、ソースやレモンが入ったビールカクテルです。

以上、メキシコ料理について書いてきました。
メキシコは中米で最も発展した国で、マヤ文明から続く地域特色豊かな伝統文化と、お隣米国から受ける近代化が、食文化でも混交しています。トマトや唐辛子の赤、アボカドやサボテンの緑、モーレやフリホーレスの黒など、色とりどりで、辛味や酸味も利いていて、メキシコ料理はとても情熱的で、官能的だと思います。

安飯屋で「ケエスマスリカ?(一番美味しいのは何?)」と笑顔で言ってみればいい。
それを注文して、好みのサルサをかけて食べる。
メキシコ人は初めて会う旅人にも「アミーゴ(友達)!」って言ってくれる陽気な民族性です。

美味しかったら「グラシアス(ありがとう)、ムイリカ(美味しかった)!」
そして「ノスベモス(またね)!」

◆メキシコに行ったら、これ食べよ♪

【とうもろこし粉(マサ)から作るもの】
・トルティーヤ(Tortilla)・・・マサを薄くして焼いたもの。
 ┗ウエボスランチェロス(Huevos rancheros)・・・トルティーヤに卵とトマトソースをかけて焼く。
 ┗エンチラーダ(Enchilada)・・・トルティーヤに具(鶏肉が多い)を入れて二つ折りにして、唐辛子入りのソースに浸す。
 ┗エンフリホラダ・・・トルティーヤに具を入れてフリホーレスに浸す。
 ┗ケサディーヤ(Quesadilla)・・・は、トルティーヤに具(チーズが基本)を入れて二つ折りにして揚げるか焼く。
 ┗ゴルディータ(Gorditas)・・・マサを厚めの円盤状に焼いたもので、切れ目を入れて具を挟んだもの。
 ┗サルブテス(Salbutes)・・・トルティーヤをふっくらと揚げたものに具を乗せるもの。
 ┗ソペス(Sopes)・・・トルティーヤを立体的に形作って焼いて具を乗せたもの。
 ┗タマル(タマレス)・・・マサに豚脂や他の具を入れてトウモロコシやバナナの皮で包んで蒸したもの。
 ┗チラキレス(Chilaquiles)・・・トルティーヤやトスターダをトマトサルサで調理する。
 ┗トスターダ(Tostada)・・・トルティーヤを揚げた円盤状の土台に具を乗せる。
 ┗ナチョス(Nachos)・・・トルティーヤを扇形に切って油で揚げたものでディップ。

【スープ類】
・ソパ(Sopa)・・・スープ。
 ┗ソパアステカ(Sopa azteca)・・・トルティージャを入れて作る国民的トマト&アボカドスープ。
 ┗ソパデマリスコス(Sopa de mariscos)・・・魚介類のスープ。
 ┗ソパデリマ(Sopa de lima)・・・ライムで作る酸っぱいスープ。
・カルド(Caldo)・・・スープ。
 ┗カルドデレス・・・牛肉スープ。
 ┗カルドトラルペーニョ(Caldo tlalpeño)・・・鶏肉や豆や野菜が入った辛いスープ
・モレデオジャ(Mole de olla)・・・具が大きいポトフ風のスープ
・ポソレ・・・トウモロコシと肉と野菜が入ったボリュームスープ

【その他肉や魚のおかず】
・カルネ・・・肉類
 ┗チュレタ(Chuleta)・・・あばらの肉
 ┗レス・・・牛肉
・コチニータピビル(Cochinita pibil)・・・豚肉のオレンジ&香辛料マリネのバナナ葉包み蒸し。
・セビッチェ・・・魚介や貝類のライムマリネ
・チチャロン(Chicharon)・・・豚の皮のサクサク揚げ
・チョリソー(Choriso)・・・スパイシーソーセージ
ティンガ・・・肉の細切りのトマト&チリ煮
・ハモン(Jamon)・・・ハム
・ビステク(Bistec)・・・薄切り肉を焼いたもの
・ポジョ(Pollo)・・・鶏肉
 ┗ポジョピビル(Pollo pibil)・・・鶏肉のオレンジ&香辛料マリネのバナナ葉包み蒸し。

【その他野菜や豆のおかず】
・アグアカテ(Aguacate)・・・アボカド
 ┗グワカモレ(Guacamole)・・・アボカドを潰してサルサやライムジュースを加えたもの
・フリホーレス・・・煮豆

【その他】
・ケシージョ・・・白く細長いチーズを毛糸玉のようにぐるぐるまきつけたもの。裂けるチーズ
・チレスエンノガダ(Chiles en Nogada)・・・具を詰めた緑のチレ、白いソース、赤いザクロ
・チレレジェーノ(Chile Relleno)は、ピーマンみたいな唐辛子に具を詰めたもの
・ノパル又はノパレス・・・ウチワサボテン

【ソース的位置づけ】
・サルサ(Salsa)・・・野菜などを切って混ぜるフレッシュソース
 ┗サルサメヒカーナ(Salsa mexicana)・・・青唐辛子やコリアンダーの葉、玉ねぎトマトで作る三色フレッシュソース
 ┗サルサベルデ・・・トマティージョ(緑のホオズキ)で作る緑(ベルデ)のサルサ
 ┗サルサロハ・・・赤唐辛子を使った赤(ロハ)のサルサ
・モレ・・・唐辛子やチョコレートなどで作るどろっとしたソース
 ┗モレポブラーノ・・・プエブラ名物の黒いモレ
 ┗モレアマリージョ・・・黄色いモレ

【ノンアルコールドリンク】
・アトレ・・・トウモロコシの粉をお湯とミルクで溶いたもの
・アグアデハマイカ・・・ローゼルのジュース(エジプトのカルカデと同じ)
・オルチャタ・・・米を煮つぶして水や砂糖や少々の香料を加え冷たくしたもの
・レフレスコ・・・炭酸飲料

【お酒】
・メスカル・・・竜舌蘭の蒸留酒
 ┗テキーラ・・・特定の条件を満たしたメスカル
  ┗テキーラサンライズ・・・テキーラとオレンジジュースのカクテル
  ┗マルガリータ・・・テキーラとライムのカクテル
・セルベッサ・・・ビール。コロナCoronaやサンSunなどがメジャー。
 ┗ミチェラーダ(Michelada)・・・ソースやレモンが入ったビールカクテル

【調味料】
・ピロンチージョ(Piloncillo)・・・サトウキビの砂糖。モレ作りの必需品


[kuwakuwa]

◆Link

メキシコ世界のお金

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