ガボン料理

基礎情報ガボン共和国Gabonese Republic、首都リーブルビル、ISO3166-1国コードGA/GAB、独立国(1960年、フランスより)、公用語フランス語。通貨セーファーフラン(XAF)

◆国は森だらけ。ブラックアフリカの典型的な料理

ガボンは海も川もありますが、国土が熱帯森に満ちているのが特徴です。

「ヤマネコ食べたね。」「美味しかったね。」と、ガボン料理の思い出はとても楽しく珍しく強烈なものであります。それらは決して怪しい食文化ではありません。ガボンは国土の8割が熱帯林で、ガボン人は狩猟によって得られる野生動物を長らく食べてきました。鳥を食べたりイボイノシシを食べたりヘビを食べたり、サルもイモムシも食べる。それはアフリカの原点ひいては人類の原点とも言える、狩猟採集生活の継承なのです。

森の獲物はガボン料理の基盤です。ガボンのみならず、近隣国 -コンゴ共和国、カメルーン、赤道ギニアなどなど- においてもそれは同様です。国境線は欧州の国が勝手に引いたものなので、彼らの民族性は国境線で仕切られることはない。彼らは中央部アフリカの熱帯の森の中で同じような暮らしをしてきましたから、ガボン料理が近隣国の料理と似ているのは至って自然なことであります。

さて、狩猟で得られた鳥や獣はどうやって調理されるのでしょうか。ブラックアフリカにおける食生活は基本的に「一主食、一主菜」の組み合わせです。魚は素揚げ、肉は串焼きと、シンプルに加熱して食べることも多いのですが、たいていのおかずは、主食となる炭水化物源がのどをつるりと滑りやすくなるように、稠度のあるどろどろ煮に調理されます。パームオイル(ヤシの実の油)煮が圧倒的に目立ちますが、ピーナッツソース煮、ピーナッツオイル煮、トマト煮などもあります。有名なガボン料理にはニェンブウェ(肉類のパームオイル煮)があります。独特の風味をもつ赤い油をたっぷり入れて煮た料理は、コンゴ共和国、コンゴ民主、アンゴラではモアンベと呼ばれ、アフリカ熱帯林地方に根付くの典型的な味の1つになっています。また近年マジー(工業生産のコンソメキューブ)がものすごい勢いでアフリカに普及し、ガボンでもマジー味のおかずが実に増えました。

料理は基本的には香辛料を使わないので辛くありません。煮込みに一粒のピマン(唐辛子)を入れることもありますが辛味よりも風味のほうがつきます。おかずを辛くして食べたい人は食卓に置いてある「ピマン」(唐辛子ペースト)を付け足します。ピマンは、赤や黄色の肉厚でジューシーなコロコロシェイプの唐辛子です。唐辛子そのものもペーストにしたものもピマンと呼びます。


ジャングル村の安宿。夕食はバトン、ピマン、ヤマネコの油煮。(撮影地ラララ)

伝統的かつガボン全土で食べられている主食は、マニオク(キャッサバ、木芋)です。大航海時代にヨーロッパ人がアフリカに持ち込んで以来、アフリカ各地に広まりました。イモの部分はゆでて食べたり、バトンまたはボボロ(すりおろしてバナナの葉で細長く巻いてゆでたもの)にしていただきます。またキャッサバの葉はサカサカ(葉を杵でついてどろどろ煮にしたもの)やイポロ(燻製魚とどろどろ煮にしたもの)という料理になりますから、葉っぱもまた有効に食べられています。

マニオクメイズ(とうもろこし)、プランテン(食用バナナ)、ヤム(ヤムイモ)などは植民地時代にはすでに農耕によって栽培されていましたが、特に近年は野菜の普及も目立ちます。市場に行けば、 -それは一昔前には見慣れない光景であるが- 青菜、トマト、オクラ、ナス、根菜類など、いろとりどりの野菜を見ることができます。日本人には珍しくて美味しくておすすめなのはアタンガです。小なすみたいな見た目と大きさなのだけど、アボカドを食べてるみたいで美味しいです。コンゴ共和国ではサフーと呼ばれます。

また、ガボンは長い海岸線をもつ国で、沿岸部あるいは内陸の川や湖沿いでは魚介類も食べられます。干し魚や燻製魚は全土に流通しており、塩漬けの魚は「ポワソンサレー」とフランス語で呼ばれたりもします。塩漬けの魚の塩抜きをしてから野菜や油と共に煮込んだ料理もまた「ポワソンサレー」です。

ガボンの首都のリーブルビルといえば、アフリカ屈指の大都会のひとつ。ガボンは石油生産で豊かな国であり、リーブルビルで食べる食事はあか抜けている印象があります。それは貧富の差が激しく、格差社会が目立っていて、どこかアンゴラなどとも重なるイメージですね。ただ、ガボンは元フランス領だし今もフランス語が公用語という国だから、それなりのお金を出して食べる「ちょっといい料理」はフランス料理(のアフリカ版)という図式です。一方で内陸の農村部では、乾燥した肉や、串に刺して焼いた肉をよく食べます。

路上ではサンドイッチ屋台をよく見かけます。ガボンは宗主国フランスつながりで、サンドイッチバゲット(フランスパン)に切れ目を入れて具を詰めていくものです。バゲットは国内生産量も多く、ガボン料理の主食の1つとして確立していると聞きます。屋台では何種類、十何種類もの具が予め用意され、客の好みでサンドしてくれます。ただ、西アフリカの同様の路上サンドイッチ屋と比較すると、マヨネーズやビネガーなどの調味料をどばどば使ってくれるのは、ガボンの豊かさを表しているのかもしれません。

もうひとつ、ガボンの主食にはリー(米)があります。リーグラは「油の多い米」という意味で、油をたっぷり使って魚や野菜を煮て、その美味しい煮汁でごはんを炊いてワンプレートで提供する、モーリタニアやセネガルの国民食です(セネガルでチェブジェンと呼ばれるのもリーグラの1つです)。ガボンは西アフリカからの出稼ぎが多いからか、リーグラが(特に都市部で)かなり普及している印象があります。またベニエ(丸い揚げパン)は、非常に安価で一般的な食べ物です。西アフリカや中央部アフリカ、どこに行ってもあるものだけれども、ガボンでもチープな朝食の定番です。

お酒を飲むなら、もちろん店に入ればビェール(ビール)もありますが、田舎のディンギブ(ヤシ酒)もおすすめです。

以上ガボン料理の概要を書きました。。
ガボンって、日本人も滅多に旅行しないし、欧米人にも人気がない国(苦笑)。産油国でお金と外貨産業があるからビジネスで来る外国人や駐在の外国人はいるけれど、彼らは土着的な料理を食べません。

だからこそ、これを読んでくれた人が、もしも、もしも、食事を楽しむ旅行者としてガボンを訪れるのであれば、めいっぱい土着的な料理を目指し、それこそチンパンジーもワニもイモムシにも挑戦してみてください。思いっきりアフリカの原点を堪能してみてください!

言っておきますがガボンの地べたの旅は疲れますよー。
「金クレ星人」(腐った軍人ポリスども)との戦いとかね(ToT)(泣)

◆ガボンに行ったら、これ食べよ♪

【主食】
・サンドウィッチ(Sandwich)・・・バゲットに切れ目を入れて具を詰める。
・バゲット(Baguette)・・・フランスパン。
・バトン(Bâton)・・・キャッサバのすりおろしをバナナの葉で細長く巻いてゆでたもの。
・プランテン(Plantain)・・・食用バナナ。
・ベニエ(Beignets)・・・丸い揚げパン。
・ボボロ(Bobolo)・・・バトンと同じ。
・マニオク(Manioc)・・・キャッサバ。
・メイズ・・・とうもろこし。
・ヤム(Yam)・・・ヤムイモ。
・リー(Riz)・・・米。
 ┗リーグラ(Riz gras)・・・油たっぷりの魚や野菜の煮汁でごはんを炊くワンプレート。

【おかず】
・ニェンブウェ(Nyembwe)・・・肉類のパームオイル煮。
・ポワソンサレー(Poisson salé)・・・塩漬けの魚あるいはそれを使った煮込み。

【野菜類】
・アタンガ(Atanga)・・・見た目が小なすで味がアボカド。
・イポロ(Iporo)・・・燻製魚入りのサカサカ。
・サカサカ(Saka saka)・・・マニオクの葉を杵でついてどろどろ煮にしたもの。

【調味料】
・ピマン(Piment)・・・唐辛子あるいは唐辛子ペースト。
・マジー(Maggy)・・・工業生産のコンソメキューブ。

【お酒】
・ディンギブ・・・ヤシ酒。
・ビェール(Bière)・・・ビール。


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ガボン世界のお金

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