フィンランド料理

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【基礎情報】

国名:フィンランド共和国Republic of Finland、首都:ヘルシンキ、ISO3166-1国コード:FI/FIN、独立国(1917年ロシアより)、公用語:フィンランド語、スウェーデン語、通貨:ユーロ

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【地図】

フィンランドは、東側は南北に長くロシアと接しており、北はノルウェー、西はスウェーデンと接しています。南の海を渡ってすぐがエストニアで、南西部の島嶼群はフィンランド領自治国のオーランドです。

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◆素材の味が伝わるシンプルな料理

フィンランドという響きからは、美しい森や湖、サウナ、サンタクロース、ムーミンなど、愛らしいものが連想されます。主要民族であるフィン人の言葉はウラル諸語との類似点があり、またフィン人にはアジア人特有の染色体が見出されることから、フィン人のルーツの1つはウラル(ヨーロッパとアジアの境をなす山脈)から西方へ移動してきた人々であると言われています。西にはかつて広い版図を持っていたスウェーデン、東には大国ロシアがあるため侵略と占領の歴史は長く続きました。それでも民族は団結し、フィンランドは独立を果たしました。

*このサイトでは、オーランド(フィンランド語:アフヴェナンマー)について、別途ページを設けます。オーランドはフィンランドの自治領ですが、住民のほとんどはスウェーデン人で公用語もスウェーデン語のみ、本来はスウェーデンに帰属して然るべき島嶼群、フィンランド領であるもののISO 3166-1国コードを取得しています。本ページは、オーランドを除くフィンランド本土の食文化を紹介します。

フィンランド家庭の食卓
家庭の夕食。主菜は生サーモンとクリームのオーブン焼き。(撮影地キビキュラ)

フィンランドは、食文化の点からは、北国ゆえ、食べるものの種類はあまり豊富ではありません。作物は温帯地域の方が圧倒的に豊富ですから、ギリシャやスペインなど太陽降り注ぐ南欧の料理と比べると、食材や料理のバリエーションは少ないという印象を抱きます。

主要な食材は、ライ麦のパン、じゃがいも、カブなどの根菜、湖水や海域の魚、森のベリー類やきのこ、狩猟した動物の肉、酪農で得る乳製品など。香辛料類も元来あまりなく、味や風味づけは、主には塩、ディル(セリ科のハーブ)、ベリー類、乳製品に依ります。チーズ、生クリーム、バターなど、乳製品が入ると料理はぐっと贅沢に美味しくなりますよね。しかもほぼパーフェクトな栄養源。フィンランドは酪農にも力を入れていて、主要産業にもなっています。

昔はきっと暖炉の火が熱源となって、ことことと煮込む料理や暖炉の釜で焼く料理が多かったのでしょうね。生活のインフラが高度に整い、農業技術の向上により野菜を多く作れるようになり、EU内自由貿易から多種多様な食材がスーパーに並ぶ今も、フィンランド料理には、昔をしのぶような、素朴な鍋料理やオーブン料理が多いのです。それは、素材の味がシンプルに伝わる料理です。
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主食 Staple

気温と日照時間の関係から耕作の適期は短く、フィンランド人の主食は、ルイス(ライ麦)と根菜類(主にカブ)に強く依存してきました。18世紀にドイツからじゃがいもが伝来してからはじゃがいもも、現代ではパスタも定番になり、主食のバリエーションは増えました。リーシ(ごはん)やペルナ(じゃがいも)が食卓に乗るときもありますが、それらがあってもレイパ(パン)が必ずあり、リーシ(ごはん)やペルナ(じゃがいも)は付け合わせの位置に近くなります。

基本の主食はレイパ(パン)です。基本的に硬くて重いパンです。原料も形もいろいろあって、パンの種類が豊富であることはフィンランド料理の特徴の1つのようです。

基本のパンは、ルイスレイパ(ライ麦のパン、ルイス=ライ麦)です。日本で黒パンと呼ばれるように醤油のような濃い色をしています。生地は発酵して酸味があるのでハパンレイパ(酸っぱいパン)とも呼びます。シヒティレイパはライ麦と小麦のミックスパンです。ペットゥレイパ(ペットゥ=樹皮)は松の樹皮を粉にしたものをライ麦粉と混ぜて作るパンです。19世紀の飢饉ではよく食べられ、その後も戦争中の食糧不足時にもよく食べられました。現在は健康志向の高い人に好まれているパンです。

レイパがふくらみのあるパンであるのに対し、リエスカは、薄パンです。ペルナリエスカ(じゃがいも入り生地で作る薄パン、ペルナ=じゃがいも)、オーラリエスカ(大麦で作る薄パン、オーラ=大麦)、それから中西部イリビエスカの名物のマイトリエスカ(牛乳入り薄パン、マイト=牛乳)などがあります。

リンプは、ドーム型に焼き上げた半球形のパンです。単にリンプと言えばフィンランド西部でお祝いの日(クリスマスなど)に食べられるダークシロップ入りの甘くてソフトな黒パンを指すようです。ペルナリンプ(ペルナ=じゃがいも)はじゃがいも入りの生地で作るリンプです。

クラッカーのようなパリパリパンもあります。ナッキレイパ(大きいクラッカーのようなパン、ナッキ=パリパリ)と言います。

フィンランドのパンは、レイカレイパ(円心に穴があいたパン、レイカ=穴)の形で売られていることが多くあります。昔、パンを棒にさして屋根の下や軒下に吊るして保存していた名残です。

次はお粥について。
フィンランドでは、朝食では、伝統的にはしっかりした量のプーロ(お粥)を食べてきました。プーロ(粥)は、オーツ麦(燕麦)で作ればカウラプーロ(いわゆるオートミール)、ライ麦で作ればルイスプーロ、米で作ればリーシプーロです。シナモンや砂糖をふったり、とかしバターやベリーのソースをかけたりしていただきます。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食となる食材名】
  • オーラ(Ohra)・・・大麦
  • カウラ(Kaura)・・・オーツ麦(燕麦)
  • ペルナ(Peruna)・・・じゃがいも
  • ルイス(Ruis)・・・ライ麦
  • リーシ(Riisi)・・・米
【パン類】
  • レイパ(Leipä)・・・パン
    • シヒティレイパ(Sihtileipä)・・・ライ麦と小麦のミックスパン
    • ナッキレイパ(Näkkileipä)・・・大きいクラッカーのようなパン
    • ハパンレイパ(Hapanleipä)・・・酸っぱいパン
    • ペットゥレイパ(Pettuleipä)・・・松の樹皮の粉が入ったパン
    • ルイスレイパ(Ruisleipä)・・・ライ麦のパン
    • レイカレイパ(Reikäleipä)・・・円心に穴の開いた形状のパン
  • リエスカ(Rieska)・・・薄パン
    • オーラリエスカ(Ohrarieska)・・・大麦で作る薄パン
    • ペルナリエスカ(Perunarieska)・・・じゃがいも入り生地で作る薄パン
    • マイトリエスカ(Maitorieska)・・・牛乳入り薄パン
  • リンプ(Limppu)・・・半球形ドーム状のパン。通常は甘くてソフトな黒パン
    • ペルナリンプ(Perunalimppu)・・・じゃがいも入り生地で作るリンプ
    【お粥類】
    • プーロ(Puuro)・・・お粥
      • カウラプーロ(Kaurapuuro)・・・オーツ麦(燕麦)の粥(いわゆるオートミール)
      • リーシプーロ(Riisipuuro)・・・米の粥
      • ルイスプーロ(Ruispuuro)・・・ライ麦のお粥
    【乳製品】
    • マイト(Maito)・・・牛乳

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