ボリビア料理


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基礎情報ボリビア多民族国Plurinational State of Bolivia、憲法上の首都スクレ、実質の首都ラパスISO3166-1国コードBO/BOL、独立国(1970年英国より)、公用語:スペイン語、ケチュア語、アイマラ語、その他34言語。通貨ボリビアーノス

◆寒冷アンデス、熱帯アマゾン、インディオの素朴な料理

ボリビアは、西側はペルーやチリと接し、ブラジルとはアマゾン地帯を共有しています。

南米アンデスの国ボリビアは、2009年、旧「ボリビア共和国」から現在の「ボリビア多民族国」へと正式名称を変更しました。200年近く前はペルーと同じ国だったこともあります。その後戦争などの要因により領土をどんどん取られ、国境線はどんどん変わり、今は海を持たない完全内陸国となりました。南米最貧国あるいは世界最貧国とも言われるのが、ボリビアです。

地形を知ると、ボリビアの料理の多様性がよく分かります。ボリビアは、標高4000m級のアンデス高地から、熱帯雨林のアマゾン低地まで、地形の変化に極めて富んでいます。以下リンク先の地形図は分かりやすくて秀逸です。

http://www.boliviabella.com/images/bolivia_facts_geography_map_topography.gif
http://www.boliviabella.com/

図の左側、「アルティプラノ」には海抜4000m級の極めて高度の高い地域に、延々と平原が広がります。実質の首都であるラパスを含め、ボリビアの人口のおよそ半分がアルティプラノに集まっているゆえ、ボリビア料理といえばこのアンデス高地の料理を主体に考えていくことになります。


アンデスの山の中の市場にて。ボリビアには魅力ある伝統民族が多い。(撮影地タラブコ)

主食には、寒冷に強い作物であるパパ(ジャガイモ)やチョクロ(トウモロコシ)がよく食べられますが、チョクロは日本のトウモロコシよりも粒が大きくて白く、そして甘みがない。ジャガイモは何百種類もありますが、特にアンデスの特産として目立つのは、氷結後に足で踏んで脱水したチューニョという保存用じゃがいもです。チューニョネグロは黒い氷結脱水じゃがいも、チューニョブランコトゥンタモラヤとも)は白い氷結脱水じゃがいもです。その他の主食には、高地ではキヌアという雑穀、低地ではユカ(キャッサバ)などが食べられています。ユカは、ゆでてイモとして食べるほか、ブラジルのファロファのように、粉にして調理あるいは食事のふりかけに使ったりもします。キヌアはごはんのように炊いて食べますが、後述の発酵酒の原料にもなります。またアロース(米)も食べられており、マハオ(又はマハディート)という、米を炒めて刻んだ肉や野菜と共に煮るリゾットが人気です。マハオには目玉焼きを乗せるのが定番です。

肉類などのおかずとしては、高地に生息するリャマビクーニャなどの動物が食用となっています。クイと呼ばれるテンジクネズミ(見た目はモルモットに似ている)も食べられます。近年は中南米における鶏肉の使用が爆発的に増大した結果、ポジョ(鶏肉)料理も多数存在するようになりました。鶏肉料理で有名なのは、アヒデガジーナ(裂いた鶏肉入りの黄色いチーズクリーミーソース)や ピカンテデポジョ(鶏肉のピリ辛煮込み)、ポジョフリット(フライドチキン)などです。肉料理で有名なものは、フリカセ(豚肉をにんにくなどと煮込んで作る、澄んでいたり時に唐辛子で真っ赤な汁物)、ピケマチョ(牛肉玉ねぎフライドポテトなどをピリ辛に味付け、ゆで卵が定番トッピング)、ミラネッサ(牛カツまたはチキンカツ)、コチャバンバで有名なシルパンチョ(ミラネッサよりも薄い牛カツまたはチキンカツ)などがあります。伝統的にチャルケ(干し肉)を作る文化があり、オルーロ地方で有名なチャルケカンは、主にリャマの乾燥肉を揚げて割いて食べるものです。その他、ひき肉料理では、アルボンディガス(ミートボール)、タリハ地方で有名なサイセ(細切り肉またはミンチをトマトや唐辛子で煮るミートソース風)など。また、アンティクーチョ(マリネした牛の心臓の串焼き)やチョリソー(ソーセージ、揚げて油っこくして食べることが多い)も定番の肉料理です。

ここまで読んでいただいた方の中には、「ボリビア料理って、なんだかペルー料理っぽい」って思う要素が多数あることに気付かれた方も多いのではないかと思います。それは当然のことで、歴史の中で、ペルーもボリビアもインカ帝国の勢力下におかれ、その後もスペインの支配下に置かれてきて、さらにペルーとボリビアが同じ国だったという歴史条件だけでなく、アンデス山脈という同じ地理条件を共有するのだから、同じ料理が形成されて当然なのです。しかし、ペルーの太平洋沿岸側の料理はボリビアにはあまりなく、ボリビアのアマゾン密林の料理はペルーにはあまりありません。

ボリビアとペルーで共通する食べ物としては、アヒデガジーナアンティクーチョ。ボリビアのピケマチョはペルーのロモサルタードですね。しかしながら、ペルーではアルパカの肉が食べられる一方で、ボリビアではリャマの肉が食べられるという点は面白い違いですね。

ペルーとの決定的な違いとして、ボリビアは海を持たないので、ボリビアで魚といえば淡水魚です。チチカカ湖(図中左上)で採れるトルーチャペヘレイは、スープやフライにして食べられます。

さらに、ボリビアには、ブラジルやパラグアイに通じる熱帯低地の食文化があります。図の右や上は、リャノまたはオリエンテと呼ばれるアマゾン平野部で、ユカ(キャッサバ)やパパイヤ、料理用バナナなどの熱帯の作物や、豊富な河川から採れる川魚、肉をよく食べます。この地域の名物であるクニャペ(キャッサバ粉のチーズ入りパン)も、まさにブラジルのポンデケージョやパラグアイのチーパと同じ食べ物であり、クニャペの材料を串に刺してちくわ状に焼いたソンソという軽食もあります(パラグアイではこれもチーパと呼ばれる)。

その他の軽食類としては、エンパナーダ(小麦粉の皮で具を包んだ揚げ/焼きもの)が有名です。エンパナーダは中南米各地に広まっているので別段珍しいものではないかもしれませんが、エンパナーダの一種であるサルテーニャは具だくさん又は具に汁気がたくさんあることから、人気のエンパナーダとしての地位を確立しました。ボリビアの少し南、アルゼンチン北部にはサルタ地方があり、そのサルタ発祥のエンパナーダは「エンパナーダスサルテーニャス」と呼ばれ、ボリビアでは単にサルテーニャと呼ばれるのです。

次は野菜について。
肉をよく食べるボリビアでは、加熱料理が多く、その上野菜を豊富に食べる食習慣がないので、生の野菜の付け合わせはビタミン源としても重宝されます。ヤファ(またはリャファ)は生のトマトや玉ねぎ、唐辛子をミックスしたフレッシュなタレ。セボージャまたはエンサラダはスライス玉ねぎ(またはスライス玉ねぎとスライストマトのミックス)。いずれも様々な料理に添えられます。エンサラダはいわゆるサラダを指す用語でもあります。

次は飲み物について。
ボリビアで飲むものといえば、マテデコカ(コカの葉の茶)でしょう。局所麻酔作用をもつコカインを微量含むので、高山病の頭痛にも効果があり、ボリビアではよく飲んでいました。その他、チチャ(とうもろこしやキヌアの発酵酒)はまさしくボリビア版どぶろくであり、祝事や儀式に欠かせない飲み物です。道端にはモコチンチ(桃の皮をむいて煮だし、砂糖や少々の香辛料で甘みと香りをつけた国民的飲料)を売るおばさんたちがいっぱいいます。是非中の桃まで食べてみてください。そして図の中央より下、アルゼンチンに近く標高が低いタリハは、ボリビア屈指のビノ(ワイン)の産地です。セルベッサ(ビール)も地域ごとに特産があるので、飲み比べが楽しいです。あと、笑っちゃうのですが(笑)、「コカコリャ」というコカコーラの類似品を見かけましたら話題のタネにおひとつどうぞ。コカコーラを排除したい国の方針で2010年より製造販売されているコカの葉抽出成分(コカイン)入り清涼飲料です。ついでに言うとボリビアにはマクドナルドはありません。ボリビアの資本主義排除の方針から2002年に撤退しました。ボリビアってそういう国なのですねー。

最後に。
南米最貧国であるボリビアは豊かではなく、インディオ(先住民)が多く、質素な暮らしを今も多く残しています。食文化の近代化が遅いからこそ、多くの料理で素材の味を素直に感じます。是非ボリビアでは、アンデスの枯れた大地や、はたまたアマゾンの大自然に育まれた、素材の味を感じる料理を楽しんできてほしいと思います。ボリビアの魅力は、そういうインディオの料理なのですから。

ただ、ボリビアを旅行する日本人は、地球の裏側という多大な時差のもと、短期間で標高4000m級の、身を置いたこともないような環境を旅するため、時差ぼけ解消や高地順応で体は精いっぱいです。又は高山病症状が出る確率も極めて高く、食事を楽しむどころではないこともよくあるのではないかと思います。更に言うと、とにかく治安が悪い国なので、体調とあわせて、旅行の際はお気をつけください。

◆ボリビアに行ったら、これ食べよ♪

【主食】
・アロース(Arroz)・・・米。
・キヌア(Quínua)・・・直径3mm程度の穀物。
・チューニョ(Chuño)・・・氷結脱水じゃがいも。
 ┗チューニョネグロ(Chuño negro)・・・黒いチューニョ。
 ┗チューニョブランコ(Chuño blanco)・・・白いチューニョ。
・チョクロ(Choclo)・・・トウモロコシ。
・トゥンタ(Tunta)・・・チューニョブランコと同じ。
・パパ(Papa)・・・じゃがいも。
・マハオ(Majao)・・・米を炒めて刻んだ肉や野菜と共に煮るリゾット。
・マハディート(Majadito)・・・マハオと同じ。
・モラヤ(Moraya)・・・チューニョブランコと同じ。
・ユカ(Yuca)・・・キャッサバ。

【肉類】
・アヒデガジーナ(Ají de gallina)・・・裂いた鶏肉入りの黄色いチーズクリーミーソース。
・アルボンディガス(Albóndigas)・・・ひき肉を団子にしたミートボール料理。
アンティクーチョ(Anticucho)・・・マリネした牛の心臓の串焼き。
・クイ・・・テンジクネズミ。
・シルパンチョ(Silpancho)・・・ミラネッサより薄い牛カツまたはチキンカツ。
・サイセ(Saice)・・・細切り肉またはミンチをトマトや唐辛子で煮る。ミートソース風。
・チャルケ(Charke)・・・干し肉。
 ┗チャルケカン(Charkekan)・・・乾燥肉(主にリャマ)を揚げて割いて食べる。
・チョリソー(Chorizo)・・・ソーセージ。揚げて油っこくして食べることが多い。
・ピカンテ(Picante)・・・唐辛子煮込み。辛味の少ない黄色い唐辛子を使えばそんなに辛くない。
 ┗ピカンテデポジョ(Picante de pollo)・・・鶏肉のピリ辛煮込み。
・ビクーニャ・・・高地の動物。
・ピケマチョ(Pique Macho)・・・牛肉玉ねぎフライドポテトなどをピリ辛に味付け。
・フリカセ(Fricasé)・・・豚肉をにんにくなどと煮込んで作る、澄んでいたり時に唐辛子で真っ赤な汁物。
・ポジョフリット(Pollo Frito)・・・フライドチキン。
・ミラネッサ(Milanesa)・・・牛カツまたはチキンカツ。
・リャマ・・・高地の動物。

【魚】
・トルーチャ・・・淡水魚。
・ペヘレイ・・・淡水魚。

【軽食】
・エンパナーダ(Empanada)・・・小麦粉を練った皮で具を包んで揚げるか焼くかしたもの。
 ┗エンパナーダサルテーニャ(Empanada Salteña)・・・具だくさん又は汁だくのエンパナーダ。
・クニャペ(Cuñapé)・・・キャッサバ粉のチーズ入りパン。
・サルテーニャ(Salteñas)・・・エンパナーダスサルテーニャスと同じ。
・ソンソ・・・上のクニャペの形違い。竹串に刺してちくわのように焼いたりする。

【野菜類】
・エンサラダ(Ensalada)・・・スライスオニオン。あるいはサラダ。
・セボージャ(Cebolla)・・・スライスオニオン。
・ヤファ・・・生のトマトや玉ねぎ、唐辛子をミックスしたフレッシュなタレ。

【飲み物】
・コカコリャ(Coca Colla)・・・コカの葉抽出成分(コカイン)入り清涼飲料。
・セルベッサ(Cerveza)・・・ビール。
・チチャ・・・一般にはトウモロコシ(中にはキヌアも)で作る酒。
・ビノ(Vino)・・・ワイン。
・マテデコカ(Mate de Coca)・・・コカの葉のお茶。
・モコチンチ(Mocochinchi)・・・桃の皮をむいて煮だし、砂糖や少々の香辛料で甘みと香りをつけたもの。


[kuwakuwa]

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