ライトスープ

  • ガーナ料理

  • 現地表記

    :Light soup(英語)

  • 概要

    :トマトと野菜ピューレで肉や魚を煮る料理

ライトスープ

アフリカのギニア湾岸の料理はパームオイル(ヤシ油)を使う料理が多い中で、これは珍しく? パームオイルを使わないライトな料理です。パームオイルは -私は好物ですが- においや味にクセが強く、その点でライトスープのほうが日本人の味覚にも合うのだろうと思います。ライトスープは油以外の要素で旨味を得る料理で、驚くのは、なすなどの野菜をゆでてミキサーにかけて煮汁にしてしまうという驚異の調理法にあります。しかし作ってみたら、お肉を煮込まないのでお肉の味は抜けておらず、煮るのは野菜。野菜のピューレをベースに煮るスープは野菜の旨味がぐっと出ていて感動します。なにしろナスがピューレになってスープになるのは驚き、味に感動します。

材料

4人分):

玉ねぎA
1/2個
塊の肉(※1)
400 g
小1.5
粉唐辛子
小1/8
水A
100 mL
水B
500 mL
トマト
1個
玉ねぎB
1~1.5個
なす
2本
にんにく
1かけ
生姜
にんにくと同量
トマト缶(※2)
1缶(400 g)
魚の干物(※3)
50 g
オクラ
8本
コンソメ顆粒(※4)
小1/2
ピマン(※5)
1個
  • ※1:肉の種類は問わず、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など。魚で作ることもあるので下のコツ欄参照。
  • ※2:トマト缶はカットタイプでもホールタイプでもよいです。缶ではなくトマトピューレを使ってもよいです。
  • ※3:魚の干物は、アジやサンマの干物などでよく、できれば煙でいぶしてあるものがよいです。なければ煮干し2尾などで代用できます。
  • ※4:コンソメ顆粒は現地のMaggi(マギー)調味料の代用です。よって、あれば日本製でもよいのでマギーコンソメを使うとよいです。
  • ※5:ピマンはシネンセ種の現地の唐辛子です(写真の赤いもの)。ない場合の代用は下のコツ欄参照。

調理時間

作り方

  1. 玉ねぎA(1/2個)をみじん切りにして煮込み用のフタつき鍋に入れ、塊の肉を2~5 cm(好みのサイズ)に切って鍋に入れ(玉ねぎの上に乗せ)、塩、粉唐辛子、水A(100 mL)を入れて弱~中火にかけ、ときどき中を混ぜながらフタをして蒸すように煮る。
  2. その間に別の鍋に水B(500 mL)、ヘタを取ったトマト、玉ねぎB(1~1.5個)、ヘタを取ったなす、にんにく、生姜を入れて沸騰させ、沸騰後は火加減を弱めてフタをして30分くらい煮る。
  3. その間にトマト缶の中身全部をハンドブレンダーかミキサーにかけてトマトピューレを作る。
  4. 野菜を煮ている鍋を火からおろし、野菜だけを取り出してハンドブレンダー容器またはミキサーに入れ、まわしやすい程度にゆで汁を加え、撹拌して均一な野菜ピューレを作る。
  5. 野菜ピューレとトマトピューレをザルで濾しながら肉の鍋に入れる。ザルに液体が残らないようヘラなどでしっかりと押す。ザルに残る残渣は使わない。
  6. 野菜のゆで汁を肉の鍋に入れ、魚の干物、ガクを取ったオクラ(ヘタは取らなくてよい)、コンソメ顆粒、ピマン(切らずに丸ごと)を入れ、弱~中火で全体がなじむように10分くらい煮る。
  7. (オプション:赤身肉などを使っていて食材から出る油分が少ない場合はサラダ油少々を追加する)。
  8. 味見をし、塩加減などを好みに調え、辛いものや香りが良いものが好みならピマンに切れ込みを入れて混ぜて辛味と香りを出す。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ここではお肉を使うライトスープのレシピを掲載しています。現地ではティラピアなどの白身魚で作ることもあるので、タイなど白身が美味しい魚で作ってもよいです。
  • お肉は蒸す用に煮ることで旨味が抜けないようにし、野菜はくたくたになるように煮て旨味を出します。
  • ピマンはアフリカのギニア湾岸地域で多用される特殊で素晴らしい香りをもつシネンセ種の唐辛子です。これを使うと一気にアフリカのにおいが出るので推奨します。しかし日本では普通には売られていないので、最後のほうでハバネロパウダー(粉末香辛料としてS&B社やGABAN社のものがスーパーでも市販されている)を加えると似た香りがつきます。ただしピマンは丸ごと入れることであまり辛くならずに風味をつけるのですが、ハバネロパウダーを入れてしまうとよい香りをつける量でも激辛になってしまうので、辛さがつきすぎないように注意します。なお私は菜園でピマンを栽培して冷凍保存することで通年使用しています。
    やっと会えた。アフリカのあのすごい香りの「ピマン」栽培成功!
  • 現地の肉は硬くて煮込み時間が長くなることもありますが、火が通れば硬くなく食べられるお肉であれば、煮込み時間が長くなると肉から旨味が抜けてしまうので、ここでは最後の煮込み時間を10分としました。
  • アフリカの独特の野草をハーブのように加えるレシピもあります。それに似た感じで、ベイリーフやオレガノなどを加えてもよいです。
  • 指で食べる場合は粗熱が取れるまで室温で冷まします。
  • 写真はプラカリのような主食を作ってスープ皿に最初に入れています。ガーナのバンク―に似た味がします。そのほか白いごはんで食べられます。

Tips about cuisine

  • 「ライトスープ」の英語(ガーナの公用語)の綴りは「Light soup」。
  • 「Light」(ライト)は軽い、「Soup」(スープ)はスープの意味。よって「Light soup」(ライトスープ)は直訳して「軽いスープ」であり、実態はガーナ料理に多用されるパームオイル(独特の臭みと重みがあるヤシ油)を使わない料理なので、見た目も味もにおいも食後の胃の重みも軽いスープを意味するものと思われる。


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