ブンボーフエ

  • ベトナム料理

  • 現地表記

    :Bún bò Huế(ベトナム語)

  • 概要

    :ベトナム中部都市フエ風の牛肉乗せ米麺

ブンボーフエ

ベトナムは南北に縦長い国で、中部にはフエという都市があります。その古都たる街の名を冠した牛肉乗せの麺は、魚醤やレモングラスを使って東南アジアの風味がありながらも、中国や台湾の牛肉面(ニュールーミェン)と通じるアジア広域の文化を感じます。牛肉からダシを取り、具にも美味しい牛肉を乗せ、スープは甘味と酸味があって美味で、米で作る麺がつるつるとした食感で素晴らしい。ベトナム料理らしく野菜を用意していただきましょう。ちなみに日本人がカタカナを見てブンボーフエと言うと発音が重たいのですが、現地では「プンポーフェ」みたく軽やかに発音していたのが印象的でした。

材料

4人分):

たっぷり(※1)
にんにく
4かけ
サラダ油A
大1
ナンプラーA(※2)
大1
味の素
ごく少量
牛薄切り肉(※3)
400 g
サラダ油B
大さじ3~4杯
チューブにんにく
小2
パプリカパウダー
小2
カイエンペパー
小2/3
レモングラス(※4)
10 cm(※4)
ダシダ(※5)
小1
小1/2
砂糖
小2
ナンプラーB(※2)
大1
大2
野菜類(※6)
中皿で4皿分
唐辛子系調味料(※7)
4人分
ブンの乾麺(※8)
400 g(※8)
サラダ油C
小1
  • ※1:水の量は工程1番を参照。
  • ※2:日本では海外の魚醤はナンプラーの名で売られることが多いのでナンプラーと表記しています。ベトナム語ではヌオックマムです。
  • ※3:牛肉はここではしゃぶしゃぶ用の肉を使いました。他の部位でもよいし、塊肉を使ってまるごとダシを取ってから薄切りにする方法でもよいです。
  • ※4:レモングラスは生か冷凍を使います。緑の部分をむき、中心の白い部分のみを使います。
  • ※5:ダシダは韓国製の顆粒牛ダシ調味料です。なければ鶏がらスープの素などでもよいです。
  • ※6:ブンボーフエに添える野菜はもやし、パクチー、玉ねぎ、レタス、ミント、にら、キャベツ、玉ねぎ、ドクダミ、小ねぎなど。
  • ※7:唐辛子系調味料は、唐辛子のペースト、豆板醤、かんずり、生の赤唐辛子など。
  • ※8:ブンの乾麺は輸入食材店で購入できます。「bún gạo」(ブンガオ)のように書いてあります。代用は汁ビーフン用の麺です。

調理時間

作り方

  1. <お湯を用意>乾麺のパックを確認して麺をゆでるための湯量を決め、それにスープ用1200 mL+もやしをゆでる量を足した量のお湯を鍋に作っておく。
  2. <お肉の下味>にんにくを細かいみじん切りにしてボウルに入れ、サラダ油A(大さじ1杯)、ナンプラーA(大さじ1杯)、味の素を入れて混ぜておく。
  3. スープを作る鍋にお湯を1200 mL取って沸騰させ、牛肉の薄切りを入れてさっとゆでてザルにあげておく(牛塊肉の場合はしばらく煮てダシを取り、包丁で薄切りにする)。
  4. 牛肉を食べやすいサイズに切ってからにんにく調味液が入ったボウルに入れて混ぜ、マリネしておく。
  5. <赤い油を用意>小さなフライパンにサラダ油B(大さじ3~4杯)を入れて熱し、熱くなったら火を止めてチューブにんにくを入れて混ぜ、パプリカパウダーとカイエンペパーパウダーを入れて混ぜ、赤い油を作っておく。
  6. <スープを作る>レモングラスを縦2つ割り(太い部分は4つ割りでもよい)に切り、牛肉のゆで汁に入れて火にかけ、ダシダ、塩、砂糖、ナンプラーを加え、酢を少しずつ入れて「酸味が感じられて美味しい」くらいの酢加減にし、煮立ったらアクをすくいとって火を止め、赤い油を入れて混ぜ、塩加減や旨味加減などを好みに調える。※あとからゆで麺や味付けしない野菜が入るのでここでは味がボケないようにする。
  7. <野菜と薬味を用意>添える野菜を食べやすい大きさに切っておく。もやしを使う場合はをさっとゆでておく。
  8. 唐辛子系調味料を卓上に出せる形に用意しておく(小皿に入れるなど)。
  9. <麺をゆでる>湯を沸騰させ、ブンの乾麺をパッケージの表示の通りにゆで、ゆであがったら水で洗ってからザルにあげて水を切り、器に盛っておく。
  10. <お肉の仕上げ>フライパンにサラダ油C(小さじ1杯)を加えて熱し、牛肉をさっと炒める。
  11. <盛り付け>スープの中のレモングラスを取り除き、麺が入った器にスープ、牛肉、薬味野菜を盛り、生野菜と共にサーヴする。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 牛肉を塊肉で入手した場合は塊のままゆでて薄切りにするなどします。ただ日本では薄切り肉のほうが入手しやすく安価なのと、現地でも薄切り肉から調理する方法も多いので、ここでも薄切り肉を使用しています。
  • たっぷりの湯を沸かすのは時間がかかるので、ここではスープと麺の調理用の湯を最初に大鍋で沸かしています。難しい場合は必要なときに必要量を沸かせばよいです。
  • レモングラスは細いスジが残っても食べにくいので、少しでも繊維を落としたくない場合は中央をひもで縛って入れる人もいます。あるいは網じゃくしできれいに拾い上げてもよいです。
  • ダシダは韓国製の顆粒牛ダシ調味料です。牛肉の旨味を増すために加えます。現地では牛骨を入れて煮ることもあるし、鶏がらスープの素を使う人もいます。
  • 牛肉を炒めたフライパン、赤い油を作ったフライパン、牛肉をマリネしたボウルには旨味が残っているので、スープを少し使って洗いこむとスープがより美味しくなります。
  • 唐辛子系調味料は、食べる人が好みで辛さを追加するためのものなので、唐辛子のペースト、豆板醤、かんずり、生の赤唐辛子などがあるとよいです。ない場合は一味唐辛子でもよいです。ここでは生の赤唐辛子の冷凍を斜め小口切りにしています。
  • 現地でもよくフライドオニオンを使うので、この写真では麺の上にフライドオニオンを乗せています。調理開始時に玉ねぎ1/4個の薄切りをサラダ油大さじ1/2で炒めることで簡易に手作りしています。もともと手間がかかる料理にさらに手間が増しますが、美味しくなるので余力があれば推奨します。
  • ブツ切りにした豚足を加えるレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「ブンボーフエ」のベトナム語(ベトナムの公用語)の綴りは「Bún bò Huế」。
  • 「Bún」(ブン)は断面が丸い形状の米麺(米粉生地を穴から押し出して作る麺)、「Bò」(ボー)は牛肉、「Huế」(フエ)はタイソン王朝(1788~1801年)とグエン王朝(1802~1945年)の時代に首都を担った都市で現ベトナムの中部にある都市の名称。よって「Bún bò Huế」(ブンボーフエ)は「フエ風の牛肉乗せ米麺」のような意味になる。
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