ボボティー

ボボティー

南アフリカ共和国の都市ケープタウンには、ボカープというケープマレー地区があり、マレーシア/インドネシアの血筋が今も残っています。南アの文化はアフリカ+白人+マレー人、それから遅れて入ってきたインド人なども含めた複雑な融合で成立しました。ボボティーの「ボボ」はマレーシアやインドネシアの複合スパイスを意味する「ブンブー」です。この料理は、ひき肉を自然の甘味や酸味を活かしてスウィートサワーフレーバーに仕上げ、卵液をカスタードのように乗せてオーブンで焼く、2層のミートグラタンです。ひき肉料理では通常不可能な「オーブンに入れる前に味見ができる」のがすごくいい。

ボボティーを作ったよ~

そんなんどこで食べたっけ?

ケープ料理よ

ケープはダチョウを食べるところさ

いやいやwクドゥもw…ちがーう

(食べて)旨い。カレー味なんだね。でもなんかマレーシアのカレーって味がする。

え?すごい…なんで分かるの?

だってダーバンのインドのカレーでもないし

確かに。この酸味が東南アジアチックなのかもしれないね。美味しいね

カレーはな、どこで食っても旨いんだ。

ボカープに行ったの、覚えてる?

ケープタウンに着く寸前に雑誌で読んだんだよね。

あのへんの料理。ケープマレー。だからマレーシア大正解です。

おかわりしていい? 旨い旨い

どーぞー♡


材料

4~6人分):

パン粉(※1)
150 mL
牛乳
150 mL
プルーン(※2)
5粒
ベイリーフ
数枚
玉ねぎ
1個
にんにく
1かけ
サラダ油
大1
牛ひき肉
350 g
ターメリック
小1/2
砂糖
小1/2
レモン果汁
大2
ガラムマサラ(※3)
大2(※3)
小2/3
こしょう
小1/5
2個
  • ※1:パン粉でなくパンを細かく刻んで使ってもよいです。
  • ※2:プルーンのかわりに、レーズンやデーツなどのドライフルーツを使ってもよいです。
  • ※3:ガラムマサラのかわりにカレー粉など好みのスパイスを好みの分量で使ってもよいです。

調理時間

作り方

  1. パン粉に牛乳をかけて吸わせておく。
  2. プルーンを細かくみじん切りにしておく。
  3. ベイリーフを水(分量外)に浸しておく。
  4. 玉ねぎとにんにくを細かいみじん切りにしてフライパンに入れ、サラダ油を入れて中火で熱し、透明になってにんにくの香りが出るまで炒める。
  5. 牛ひき肉、ターメリックパウダー、砂糖を入れて、ひき肉が1粒1粒離れてぽろぽろになるように炒める。
  6. ひき肉のフライパンをコンロからおろす。
  7. オーブンを170℃で予熱開始。
  8. パン粉をざるですくってきつく絞って、パン粉と牛乳を分離し、牛乳は小さなボウルに取っておき、パン粉部分をフライパンに入れる。
  9. ひき肉のフライパンに、レモン果汁、プルーン、ガラムマサラ、塩、こしょうを入れ、ヘラで均一に混ぜる。
  10. 味見をし、「スウィート(甘味)でサワー(酸味)なフレーバー(香り)」の三要素のバランスが取れるよう、それぞれを好みに調える。またひき肉がゆるい場合は小麦粉(分量外)を加えて混ぜる。
  11. ひき肉炒めのフライパンを傾けて炒め油をキッチンペーパーに吸わせ、オーブン耐熱容器の側面に塗り付け、ひき肉炒めを入れ、表面を平らにならす。
  12. オーブン170℃で20分焼き、表面に少し焼き色をつける。
  13. その間に、パン粉を絞ったときの牛乳が入っている容器に卵を割り入れ、1分間しっかり撹拌して均一な卵液にする(泡立てないで)。
  14. ベイリーフを水から引きあげておく。
  15. ひき肉の上に卵液を注ぎ、ベイリーフを飾るように乗せて、オーブン170℃で30分あるいは表面のカスタード(卵液)がほんのり色づくまで焼く。
  16. 焼けたら10分間室温に置いて、落ち着いたら食卓に出す。
  17. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ベイリーフを予め水に吸わせることで、オーブンの中で焦げないようにしています。
  • レモン果汁のかわりにタマリンドの果肉で酸味をつけるレシピもあります。
  • ひき肉炒めは油分を含むので、オーブン加熱でこびりつかないと思いますが、卵液部分は油を塗っておかないとはがしにくくなります。よってオーブン耐熱容器の側面には油を塗るとよいです。ここではひき肉の炒め油を少々塗り付けています。
  • パン粉を絞ったあとの牛乳は約100 mLあります。耐熱容器の広さによっては足りないかもしれないので、牛乳と卵を増やしてもよいです。
  • 調理台からオーブンに運ぶ間にベイリーフの位置がずれるかもしれませんが、オーブンにセットしたあと、菜箸で位置を直すことができます。
  • オーブンの温度が高いとお肉や卵が固く舌触りが悪くなるので、低温で時間をかけて調理し、しっとり柔らかく作ります。
  • サフランライス/ターメリックライスなど黄色いごはんと一緒に食べるのが定番です。
  • ベイリーフは食べられません。

Tips about cuisine

  • 「ボボティー」のアフリカーンス語(南アフリカ共和国の公用語、エスワティニやレソトで通じやすい言語)の綴りは「Bobotie」。
  • 語源は諸説あるが、アフリカーンス語辞書に「Bobo」(ボボ)はマレー語のブンブー(混合調味料)に由来するとの記載があるそうだ。
  • ケープマレー料理の代表的な1つである。


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