バカラオ
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国
:ノルウェー料理
-
現地表記
:Bacalao(ノルウェー語)
-
概要
:干しダラを戻してトマト煮にする
これ、もう、作っている途中の味見の段階から、「この味!!!ノルウェー料理店と同じ味にできている!!!」とわくわくして興奮した料理です。ちなみにバカラオとはスペイン語なのですけれど、ノルウェー政府サイト(旧ノルウェー観光局を含む組織)による「バカラオ」紹介ページ冒頭の一文が「Doesn’t sound Norwegian, you say? You’re right!」(ノルウェーっぽくない料理ですって? いやぁそうなんですよねぇ。)と書いてあるように、バカラオとは「スペイン語が料理名になったノルウェー料理らしくないノルウェー料理」なのです。でもそれはノルウェーの歴史を語る重要料理。ここはタラ加工品の世界的生産地で、クリップフィスク(ノルウェー語で塩漬け干しタラのこと)を17世紀半ばに南欧諸国に輸出し始めたとき、ノルウェーには南欧の食文化が入ることになりました。ノルウェーのタラ産業と連携していたのはポルトガルやバスク(スペイン)で、ノルウェーに持ち込まれた唐辛子、トマト、オリーブといった地中海風の食材は、当時のノルウェー人には最先端の美味しさだっただろうと思います。このバカラオは、大変に特徴的な味がします。それはトマトの濃さと干しタラの旨味の融合です。塩もこしょうも加えないのにスープがこんなに美味しいって信じられますか!?これがバカラオの実力です。
材料
(4人分):
- 塩漬け干しタラ(※1)
- 300 g
- じゃがいも
- 3個
- 玉ねぎ
- 大1個
- 赤パプリカ
- 1/2個
- 鷹の爪
- 1/4~1/2本
- 緑のオリーブ
- 8個
- 水
- 350 mL
- トマトピューレ(※2)
- 160 mL
- バター
- 大1
- サラダ油
- 大4
- ※1:干しタラは原則として塩漬けの干しタラを使います。ない場合の代用は下のコツ欄と下記リンク先参照。
- ※2:トマトピューレはレトルトタイプで市販されているものを使いました。スパゲティーソースを使ってもよいです(ミートソースではなくトマトだけのソース)。また製品によりトマトの濃さが違うので使用量は色を見て加減します。
調理時間
:(タラを水で戻す時間を除く)
作り方
:
- <前日~数時間前>塩漬け干しタラをたっぷりの水に浸けて戻す。
- <調理開始>塩漬け干しタラを取り出し、身が崩れないように骨や皮を取り、一口サイズに切る。
- じゃがいもは皮をむいて一口サイズに切り、玉ねぎは薄切りにして長さを短く切り(例えば4 cm以内)、赤パプリカは中の種を取り除いて一口サイズに切り、鷹の爪は中の種を取り除く。
- 鍋に、じゃがいも、タラ、玉ねぎ、赤パプリカ、緑のオリーブを交互に入れる。
- 鷹の爪、水、トマトピューレ、バター、サラダ油を入れる(混ぜなくてよい)。
- フタをして弱火でじっくりと煮る。※具が鍋の底にくっつかないようにときどき鍋底にヘラを入れる。
- 40分くらい経ったら、じゃがいもに火が通っているかどうかを確認し、味見をして塩加減やトマト加減などを好みに調える。
- もうしばらく煮て、煮汁にとろみが少しついたら出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- タラは塩漬けの干しタラ(ノルウェーのクリップフィスクに相当するもの)を使います。日本の干しタラや韓国料理食材店で売っているプゴクは塩漬けされていないものが多いと思うのですが、ノルウェーでも北部地域では塩漬けされていない干しタラ(ノルウェー語でトルフィスク)を使ってバカラオを作ることもあるので、代用できます。なお私は生タラを安く見つけたときに冷蔵庫で簡易塩漬け干しタラを作っています。これがすごく具合良いので、是非下記リンク先を参照してみてください。
- サラダ油が多くて驚きますが、トマトになじんで油分が目立たなくなり、トマトの旨味を引き出します。油をもっと多く使うレシピもあります。
- にんにくを加えるレシピもあります。
- 鍋の中を混ぜながら煮ると具が崩れてしまうので、極力崩さないように煮ます。
- 私がノルウェー北部のレストランでバカラオを食べたときは、トッピングにバジルソースが少しかかっていました。
Tips about cuisine
- 「バカラオ」のノルウェー語(ノルウェーの公用語)の綴りは「Bacalao」。
- 「Bacalao」(バカラオ)はスペイン語で干しダラや干しダラを使った料理の意味である。
- ノルウェー産の干しダラを使ってポルトガルで生まれたバカリャウ(Bacalhau;バカラウのポルトガル語)と呼ばれる料理は、欧州や中南米にも広まり、広まる流れの中で逆輸入するような形でノルウェーにも入って来て、スペイン語で「バカラオ」として定着した。
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