アイタルカリー

  • ジャマイカ料理

  • 現地表記

    :Ital curry(英語)

  • 概要

    :豆腐を使うジャマイカカレー

アイタルカリー

アイタルカリー

「アイタルカリー」(日本語風にはアイタルカレー)はジャマイカで知られる「アイタル料理」の一例です。ジャマイカ料理の要素の1つに「ラスタファリズム」がありますが、これはアフリカ回帰思想を軸にもつ、聖書から派生した思想で、特にジャマイカのラスタファリアンたちの間で浸透しています。ラスタにとって「Ital is vital」(アイタルは生命の根源)という言葉は重要で、土壌から得る自然で純粋な食材を摂取することを神聖なる実践とし、具体的には肉、魚、卵などを食べず、一方でココナッツミルクや香辛料など、地面に根をもつ植物を起源とする食品で作られる料理を食べます。ちなみにインドの菜食主義からも大きな影響を受けているため、アイタルフードにはベジカレーと呼べる料理が多いのです。このカレーは、動物の命を奪わない点で、今後我が国にも必要となっていく「サステナブルな社会のための食の取組み」や「菜食でできるSDGs」の好例となり、今後ますます重要性を増していくでしょう。

材料

2人分):

木綿豆腐
1丁(※1)
にんにく
3かけ
生姜
にんにくの半量
玉ねぎ
1/2個
長ねぎ(白い部分)
10 cm
長ねぎ(緑の部分)
10 cm
トマト
1/4個
サラダ油
大3
カレー粉
大1
唐辛子(※2)
1個
オールスパイス(※3)
10粒
タイム
小1/2
小1
小2/3
1 C
ココナッツミルク
大4
  • ※1:豆腐1丁(1パック)の重さは製品により差がありますが、ここでは400 g入りを1つ使いました。
  • ※2:唐辛子は、鷹の爪やハバネロなどを1個ホールで使います。
  • ※3:ホールのオールスパイスがない場合はパウダーを使います。ジャマイカ料理の風味の主役なので省かないほうがよいです。

調理時間

(豆腐の水切り時間を除く)

作り方

  1. <事前準備>木綿豆腐を1時間くらいかけて水切りする。
  2. <調理開始>にんにくと生姜をみじん切りにし、豆腐を2~3cm 角に切り、玉ねぎを薄切りにしてから長さ3 cm以内に短く切り、長ねぎの白い部分と緑の部分を8 mm角くらいに切り、トマトを粗く刻んでおく。
  3. テフロン製のフライパンか鍋にサラダ油を入れて強火で熱し、うっすらと煙が出たら中火に下げ、にんにくと生姜とカレー粉を加えて炒め、香りが出たら豆腐をそっと入れて、ときどきゆすりながら片面を焼く。
  4. 豆腐をそっとひっくり返し、周囲に玉ねぎと長ねぎを入れ、ときどきゆすりながら豆腐の裏面を焼く。
  5. 唐辛子、オールスパイスの粒、タイム、トマト、酢、塩、水を入れて火加減を強めにし、ぐつぐつとした煮汁の中で豆腐を優しく押し、豆腐の中の水分を押し出すようにする。また、トマトを潰しながらトマトの形がなくなるように煮る。
  6. 10分ほど煮たらココナッツミルクを入れ、味見をし、塩加減やカレー粉の濃さなどを好みに調えて出来上がり。
  7. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 豆腐が鍋にくっつくと形がどんどん崩れてしまうので、テフロン製のフライパンか鍋を使うとよいです。
  • 豆腐が鍋にくっついてしまったら、水を先に入れます。
  • 豆腐をぐつぐつと煮ることで豆腐から水分を押し出して豆腐を固くし、鶏肉のような食感に近づける調理法です。
  • ぐつぐつと煮る間に水分が減りすぎた場合は水を少し加えます。
  • 生のトマトがない場合は、トマト缶で代用できます。
  • このカレーはジャマイカでよく見る「アイタルフード」や「ラスタフード」を意識したレシピです。よって卵、肉類、乳製品を使わずに作っています。そのような菜食にこだわらない場合は動物性の材料を加えて作ってもよいです。
  • より厳密なアイタルフードは塩を使わない(あるいは選んで使う)ため、そこにこだわる場合は塩を使わず(あるいは減らして)作ります。

Tips about cuisine

  • 「アイタルカリー」の英語(ジャマイカの公用語)の綴りは「Ital curry」。
  • 「Ital」(アイタル)はラスタファリアン文化にのっとった食材(土に根をもつ植物由来の食材)を使う菜食主義の料理、「Curry」(カリー)はカレーの意味である。よって「Ital curry」(アイタルカリー)は「ラスタファリアン思想に基づく菜食カレー」のような意味になる。
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