ピナマルハン

  • フィリピン料理

  • 現地表記

    :Pinamalhan(フィリピン語)

  • 概要

    :にんにくや生姜が利いた魚の酢煮

ピナマルハン

ピナマルハンはフィリピン料理「パクシウ」のイロンゴバージョンです。パクシウという酢煮の1種であるピナマルハンは、煮汁に醤油が加わるという特徴があります。唐辛子がまるっと入るレシピはフィリピン料理では珍しいけれど、青唐辛子は爽やかさを出すので美味しいです。酢の酸味は煮ると旨味に変わる。煮詰まるから旨味が濃い! にんにくビネガーが煮詰まると美味しい! 調理法はシンプル。フライパンに全部の材料を入れて煮詰めて水分を減らすだけ。暑い国なのに冷蔵庫なしで惣菜を並べて取り分ける文化だから、こういう酢煮は食品の保存に役立つのです。要は、これは魚のアドボなのです。

材料

3~4人分):

小型の魚(※1)
3~4尾(※1)
玉ねぎ
1/2個~1個
にんにく
6かけ
生姜
にんにくと同量
150 mL
適量
醤油
大2
小2/3
青唐辛子
2~3本
粒こしょう
20粒
鶏がらスープの素
小1/2
味の素
小1/8
サラダ油
大1~2
  • ※1:魚は体長20 cmくらいのイワシやアジなどが身近で使いやすいです。写真はイワシです。

調理時間

作り方

  1. 魚にウロコがある場合は取り、腹から切って内臓を取り、目と首の間から指を入れてエラを引き抜き、外と中を流水で洗い、フライパンに隙間をあけて並べる。
  2. 玉ねぎを薄切りにし、にんにくと生姜は2 mmの厚さに切ってから千切りにし、魚のまわりや隙間に入れる。
  3. 酢を入れ、水を魚の高さの8割まで入れ、醤油、塩、青唐辛子(切らずにそのまま)、粒こしょうをまんべんなく入れ、フタをして強火にかける。
  4. 沸騰して蒸気が出てきたらフタを外し、強火のままときどきゆすりながら煮汁を煮詰めていく。途中アクが出たらすくってもよい。魚の表面にスプーンで煮汁を回しかけてもよい。
  5. 煮汁が半量に減った頃に鶏がらスープの素と味の素を加える。
  6. さらに煮汁が減ったら味見をし、「この酸っぱさなら暑い真夏に冷蔵庫に入れなくても大丈夫だろう」と思えるくらいになるよう酢加減や塩加減を調える。
  7. 煮汁が底から1~2 mmくらいまで減ったらサラダ油をかけ、優しくゆすって動かす。
  8. 全体がなじんだら火を止めて出来上がり。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 魚は小型の青魚がポピュラーです。バンガス、いわし、サプサプ(Sap sap、和名:セイタカヒイラギ)など。日本でなら内臓ごと調理できてゼイゴやウロコがないイワシがよいです。
  • ピナマルハンの語源には「乾燥」という意味が含まれるので、煮汁をかなり煮飛ばして作ります。
  • 加熱中にゆする工程があるのでフライパンが作りやすいです。
  • 鶏がらスープの素と味の素は、現地でよく使われるマジックサラップ(Magic Sarap)の代用です。
  • 夏でも室温でしばらく置いておけますし、冷蔵庫に入れれば1週間でも余裕でもちます。でも万が一の不安がないよう夏でも冷蔵庫に入れることを推奨します。

Tips about cuisine

  • 「ピナマルハン」の現地の綴りは「Pinamalhan」。
  • イロイロ(西ビサヤ地方のパナイ島にある街の名前)の名物料理として知られる。そのため「Pinamalhan」(ピナマルハン)は地元ローカル語であるヒリガイノン語(イロンゴ語)であると思われる。
  • 「Pinamalhan」(ピナマルハン)は乾燥を意味するイロンゴ語の「マラ」(mala)を含み、煮汁を飛ばして調理することに由来する。
  • ピナマルハンは魚で作るのが普通だが、敢えて「魚のピナマルハン」と呼ぶことが必要な場合は、「Pinamalhan nga Isda」(ピナマルハンガイスダ)や「Pinamalhan na Isda」(ピナマルハンナイスダ)と呼ぶ。
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