ペペロンチーニリピエニディトンノ

  • イタリア料理、サンマリノ料理

  • 現地表記

    :Peperoncini ripieni di tonno(イタリア語)

  • 概要

    :丸い唐辛子にツナを詰めてオイル漬けにしたもの

ペペロンチーニリピエニディトンノ

ペペロンチーニリピエニディトンノ

イタリアで出会った美味しいお惣菜があります。それは現地のまん丸で真っ赤な唐辛子をくりぬいてツナ(マグロの肉)を詰めてオイル漬けにするもので、ツナはなめらかで、唐辛子の辛味はオイルに移って食べやすくて、辛味が減じた唐辛子は甘みが出ていて、本当に美味しくて何度も食べていました。日本ではこの唐辛子は通常流通していないので、私は苗を買って栽培するところから始め、1年経ってこの美味しい美食を自宅で味わうことができました。

憧れのイタリア料理、「唐辛子のツナ詰め」を野菜栽培から作る

材料

40個分):

チェリー唐辛子(※1)
40個(※2)
900 mL
100 mL
ベイリーフ
2枚
大1
ツナ缶(※3)
200 g(※3)
オリーブオイル(※4)
適量(※4)
サラダ油(※4)
適量(※4)
  • ※1:チェリー唐辛子は丸い唐辛子です。普通の唐辛子での代用は困難なのでネットショップなどで探すか自分で栽培することになります。
  • ※2:私が使った唐辛子は40個で丁度500 gありました。
  • ※3:ツナ缶はオイル漬けフレーク状のものを使います。また唐辛子のサイズが大きい場合はツナの使用量が多くなるため、余裕をもって多めを用意しておくとよいです。
  • ※4:オリーブオイルだけで漬けると風味が強すぎるためサラダ油を混ぜています。ビンに唐辛子を詰めたときに隙間を埋める量を使います。

調理時間

(乾燥時間や漬ける時間を除く)

作り方

  1. <事前準備>500 gのチェリー唐辛子が過不足なく入るビンを探し、洗っておく。
  2. <唐辛子の下準備>手袋をして、唐辛子のヘタのまわりにナイフを入れ、ヘタを引き抜く。※このときヘタの場所に穴があくが、その穴が最小になるようにすること。
  3. ペペロンチーニリピエニディトンノ

  4. 細長くて薄い道具を使い(スプーンの持ち手など。私は理科実験用の薬さじ使用)、穴を広げないように注意しながら中の種を取り出す。
  5. バットにキッチンペーパーを厚めに敷き、鍋に水、酢、ベイリーフ、塩を入れて強火にかけ、ぐらぐらと沸いたら一気に唐辛子を入れ、菜箸などで唐辛子の中の空洞にも湯が入るように湯の中で唐辛子を回転させながら3分間ゆでる。
  6. 3分ゆでたら直ちに唐辛子をザルにあげ、穴が下を向くように急いでバットに並べる。
  7. 別のバットにキッチンペーパーを厚めに敷き、唐辛子を移し、穴が下を向くように並べ、冷蔵庫に1晩入れておく。
  8. <翌日>別のバットにキッチンペーパーを敷き、唐辛子を移し、穴が上を向くように並べ、冷蔵庫に3時間入れ、穴の中を完全に乾かす。
  9. ビンの中とフタの裏を消毒用エタノールなどで消毒し、キッチンペーパーなど清潔なもので拭き取る。
  10. 唐辛子の穴にツナ缶の中身を詰める。細長くて薄い道具を使い、穴を広げないように、中に隙間がないように、慎重に詰める。
  11. ビンにツナ入り唐辛子を綺麗に詰める。
  12. フタをして冷暗所に3か月置いておく。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 作業時間2時間の内訳は、ヘタと種を取るのに1時間、ゆでて乾かすのに実働20分、ツナを詰めるのに1個30秒以上かかるとして40個で30分、瓶詰めに10分としています。
  • 私が用いた唐辛子では1個あたりおよそ5 gのツナが入りました。1個5 gとすると40個で200 g必要になりますが、唐辛子のサイズによって必要量が変わるのでツナ缶は多めに用意しておきます。
  • 唐辛子の旬は夏~秋ですが、夏に仕込むと漬けている間に腐りやすいので冷蔵庫の中で漬けます。私は11月に仕込んで室内の冷暗所に置いておき3月に食べ始めました。
  • 唐辛子のヘタを取ったときの穴が大きいと保存中にツナがこぼれて汚くなるので、穴は最小限となるように注意します。
  • 唐辛子を直接触ると、その手が触れた部位が炎症を起こすなど、その後の日常生活に支障が出るので、唐辛子のヘタや種を取るときは、使い捨てのビニール手袋などをはめるとよいです。
  • 唐辛子はゆですぎ厳禁です。
  • ツナ缶はオイル漬けフレーク状のものを使います。理由は水煮だとカビが生える原因となり、ブロック状だとほぐす作業中に雑菌が混入するためです。
  • ツナにアンチョビやケイパーなどを混ぜるレシピもあります。
  • 冷蔵庫や冬の室内に置いておくとオリーブオイルに含まれる油脂の一部が固まってラードのようなものが発生します。保存中は放っておいて大丈夫ですが、食べるときには食べる量を取り出して暖かいところに置けば融けるので問題ありません。
  • 3か月置いておくことで唐辛子の辛さが抜けます。また約1年保存できますが、春以降気温が高い時は冷蔵庫に入れて、早めに食べたほうが美味しいです。
  • 漬けた油脂がとても美味しくなっているので料理に活用するとよいです。

Tips about cuisine

  • 「ペペロンチーニリピエニディトンノ」のイタリア語(イタリアの公用語)の綴りは「Peperoncini ripieni di tonno」。
  • 「Peperoncini」(ペペロンチーニ)は唐辛子の複数形、「ripieni」(リピエニ)は詰め物を意味するリピエノ(ripieno)の複数形。「di」(ディ)は様々な用法があるがここでは英語の「made of」のように「~~で作られた」という構成要素を示す前置詞、「tonno」(トンノ)はツナ(まぐろ肉)の意味。よって「Peperoncini ripieni di tonno」(ペペロンチーニリピエニディトンノ)は「ツナ(まぐろ肉)で作る唐辛子の詰め物」の意味である。
  • イタリア南部カラブリア地方やイタリア離島のシチリア島の料理として知られるが、イタリア全土で食べられている。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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