スオニーナ

  • ポーランド料理

  • 現地表記

    :Słonina(ポーランド語)

  • 概要

    :豚の脂身の塩漬けを生で食べるもの

スオニーナ

ポーランドのスオニーナ。でも東欧のサーロからイタリアのパンチェッタまで、塩漬けにした脂身を美味しく食べる手法は、欧州では普通のこと。私はこのテの料理を東欧や中欧や中央アジアで出会っては食べてやみつきになり、とうとう日本でも作ってしまいました。ひとくち食べて、芳醇な脂肪の旨さが「うまいっ」という言葉を引き出します。大抵、お酒のおつまみとして食卓に出すので、ひとくち食べては酒を呼ぶという悪魔循環が始まります。気をつけないと無限ループに陥る(笑)ので、1人3切れとかにとどめるように、食卓にはあまりたくさんを出さないのが吉。仕込みには1週間かかるとはいえ基本は塩塗って放置なので、脂身があれば誰でも作れます。作り方を書いておいてナンですが、豚のお肉を生で食べる、日本人感覚としては「禁じ手破り」な料理なので、「ぜひ作ってみてください!」とはちょっと言いづらいけれど、冷蔵庫がなくても美味しくお肉を保存するという地球の伝統を感じるにはもってこいの料理ですよ。

材料

作りやすい量):

豚の脂身(※1)
350 g
にんにく
4かけ
大1
こしょうA
小1/4
パプリカパウダー
小1.5
唐辛子粉(※2)
小2/3
こしょうB
小1
  • ※1:豚の脂身は新鮮かつ肉があまり入らず、脂肪部分だけで厚さが2 cm以上あるとよいです。
  • ※2:唐辛子粉は、レッドペパーやカイエンペパーパウダー、韓国料理食材店に売っているキムチ用唐辛子粉などが合います。

調理時間

(冷蔵庫で寝かせる時間を除く)

作り方

  1. <仕込み開始>豚脂身が入る保存容器を用意し、脂身が入るよう、必要があればカットする。
  2. ナイフで多数箇所をぐさぐさと刺す。
  3. にんにくをすりおろすかクラッシャーで潰して小さな容器に入れ、塩、こしょうAを加え、両面(できれば六面)にまぶしつける。
  4. ラップやフタなどをかけて水分が蒸発しないようにし、冷蔵庫で2~数日置く。
  5. <2~数日後>表面のにんにくや水分をキッチンペーパーでぬぐう。
  6. 小さな容器にパプリカパウダー、唐辛子粉、こしょうBを入れて混ぜ、両面(できれば六面)にまぶしつける。
  7. 同様に、冷蔵庫で3~数日置いて出来上がり。
  8. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ここでは私が実際に作った分量でレシピを掲載しています。脂身の量(g)に比例して調味料の量を変えれば同様に作ることができます。
  • 豚の脂身は鮮度のよいもののほうがよいです。売り場の人にリクエストしておいて入手すると安心です。
  • イノシシなどのジビエ肉の脂身でも作ることができます。
  • ここでは塩にんにくスパイス漬けの工程のみのレシピで作っています。ここに燻製の工程を重ねるレシピもあります。
  • パプリカパウダーなどを使うと赤い色が映えてきれいな上、旨味や風味も増します。赤いスパイスを使わないレシピもあります。
  • 塩をまぶしているので保存容器は金属製を避けます。
  • 塩にんにくやスパイスをまぶすときは使い捨てビニール手袋があるとよいです。
  • 食べ始めは唐辛子が強いかな?と感じますが冷蔵庫で保存しているとどんどんと辛さが減って味がなじんで美味しくなります。
  • 日本の一味唐辛子を使うと辛さが強く出るので注意します。
  • 保存はラップにくるんで冷蔵庫で1か月大丈夫でした(そこで食べきってしまったのでそれ以降は未検証です)。
  • 現地ではトーストに乗せて食べたりもします。

Tips about cuisine

  • 「スオニーナ」のポーランド語(ポーランドの公用語)の綴りは「Słonina」。
  • 「Słonina」(スオニーナ)は動物の脂肪を塩漬けなどで保存的に処理した料理を指す。
  • 「Słonina」(スオニーナ)の語源はスラブ古語の「solnina」(動物の脂肪の塩漬け料理)に由来する。
  • ポーランド語の「ł」は、英語の「w」に近い発音である。


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