麻婆豆腐(マーポードウフー)

  • 中国料理

  • 現地表記

    :麻婆豆腐(中国簡体字)

  • 概要

    :豆腐とひき肉の辛い炒め物

麻婆豆腐(マーポードウフー)

麻婆豆腐の本場は中国の四川省と言われ、私は四川省の省都である成都(せいと、チョンドゥー)の「陳麻婆豆腐店」にも行きました。出てきた麻婆豆腐は赤い油が浮き、葉にんにくが香り、唐辛子の辛さと山椒の痺れる旨さがありました。その後も四川省で何度も麻婆豆腐を食べ、「日本の家庭で作れるような四川式麻婆豆腐」を研究して、何度も作って、作り直して、やっと納得いく美味しいものができました。中国の旅経験が長い夫にも「味はこれで良い」と言ってもらえる自信作です。ただ「味は」と付しているのは、やはり日本のスーパーでは、四川省の豆腐は手に入らないなあと(苦笑) このレシピはそれと、あとは「現地の油の量では多い」と指摘されて油の量を減らしたことの2点が妥協点。だから日本の家庭料理の範囲で作る本格的四川麻婆豆腐としては、100点の出来だと思っています。

材料

2人分):

辣油
大1.5
花椒粉A
小1/2
片栗粉
大1
木綿豆腐
300 g
650 mL
スープの素(※1)
少々(※1)
小1
長ねぎ(白い部分)
10 cm
葉にんにく(※2)
30 cm
チューブのにんにく(※3)
小1
チューブの生姜(※3)
小1
豆板醤
大1
唐辛子粉(※4)
小1/3
味の素
小1/8
花椒粉B
小1/4
こしょう
小1/4
砂糖
小1/2
ひき肉(※5)
60 g
花椒粉C
小1/5
老抽(※6)
小1/2~小1(※6)
サラダ油
大2
花椒粉D
小1/2
  • ※1:鶏がらスープの素や中華スープの素など。パッケージ記載例を参考にして150 mLのスープを作る量を使います。
  • ※2:葉にんにくはにんにく栽培している菜園で分けてもらうと手に入りやすいです。代用はニラです。
  • ※3:今回は「おろし生生姜」と「おろし生にんにく」という名称のチューブ商品を使用しています。チューブ調味料がない場合は、同量の生にんにくと生姜を使います。
  • ※4:唐辛子粉は、カイエンペパーパウダーや一味唐辛子などを使います。
  • ※5:ひき肉は、現地では牛も豚もよく使います。牛豚の合い挽きでもよいです。細かく挽いてあるタイプがよいです。
  • ※6:老抽(ラオチョウ)はダークソイソースと呼ばれる中国醤油で、塩分をあまり増やさず黒色と風味をつけます。ない場合は普通の醤油で代用します。

調理時間

作り方

  1. <下準備開始>麻婆豆腐を作るフライパンに辣油と花椒粉を入れて中火で熱し、花椒粉がパチパチと言わないような低温でゆるく熱して花椒油を作り、小皿に取り出しておく(フライパンは洗わない)。
  2. 片栗粉と大さじ1杯の水(分量外)を混ぜ、水溶き片栗粉を作っておく。
  3. 木綿豆腐を2 cm角に近い直方体に切る。
  4. 水を小鍋に入れて沸かし、沸騰したら150 mLを取り分けてスープの素と共に小さな容器に入れてスープを作る。残りの湯に塩を入れて再沸騰したら豆腐をそっと入れ、豆腐がゆらゆらし始めるまで待ち、火を止めて置いておく。
  5. 長ねぎを細かなみじん切りにし、葉にんにくは包丁を斜めに傾けて断面が斜めになるように1 cm幅の削ぎ切りにする。
  6. 小皿Aに、にんにく、生姜、豆板醤、唐辛子の粉を入れておく。
  7. 小皿Bに、味の素、花椒粉B(小さじ1/4)、こしょう、砂糖を入れておく。
  8. ひき肉を計量し、花椒粉C(小さじ1/5)をふっておく。
  9. 豆腐をそっとザルにあげ、老抽をコンロ近くに置いておく。
  10. <調理開始>フライパンにサラダ油を入れて強火で熱し、熱くなったらひき肉を入れ、ひき肉を切るように、表面がカリっとするように炒める。
  11. 長ねぎを入れてひき肉とまんべんなく混ざるように炒める。
  12. 小皿A(にんにくその他入り)の調味料を加え、油が赤くなり香りが出るように炒める。
  13. スープと小皿Bの調味料を入れ、沸騰したら中火にする。
  14. 老抽を少々加え、少し濃い色をつけ、味見をし(後で豆腐が入るので少々濃い味になっていることを確認する)、塩加減や辛さ加減を好みに調える。
  15. 豆腐を入れ、フライパンをときどきゆすりながら加熱し、豆腐が熱くなった頃に火からおろし、水溶き片栗粉の半量を入れ、再度中火にかけて、お玉の背中で豆腐を手前から奥へ押してはフライパンをひと回しして豆腐の位置の偏りを戻し、お玉の背中で豆腐を手前から奥へ押してはフライパンをひと回しして豆腐の位置の偏りを戻し、を繰り返して、水溶き片栗粉を全体になじませる。
  16. もう一度火からおろし、水溶き片栗粉の残り半量を入れ、再度中火にかけて、お玉の背中で豆腐を手前から奥へ押してはフライパンをひと回しして豆腐の位置の偏りを戻し、お玉の背中で豆腐を手前から奥へ押してはフライパンをひと回しして豆腐の位置の偏りを戻し、を繰り返して、水溶き片栗粉を全体になじませる。
  17. そっとスライドさせるようにお皿に中身を移し、花椒油に葉にんにくを入れてから油ごとまわしかけ、仕上げに花椒粉D(小さじ1/2)をふりかけて出来上がり。
  18. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 豆腐は、2 cm角すなわち立方体に切るよりも、立方体が少し薄くなるような直方体に切ったほうが現地の出来上がりに近いように思います(例えば2 cm×2 cm×1.5 cm)。
  • 唐辛子粉、辣油、豆板醤は、種類によって辛さが異なるので、辛いのが苦手であれば、初回調理のときは様子を見て少なめに入れるとよいです。
  • 豆腐を加えたあとは、フライパンの中身をすくったりすると豆腐が割れたり欠けたりするので、豆腐は押すだけです。押すことで余剰の水分を引き出すことができます。
  • 葉にんにくをフライパン調理の仕上げに加えるレシピもあります。
  • このレシピではサラダ油を大さじ2杯使用していますが、大さじ5~6杯ほど使うと現地の仕上がりにそっくりになります。

Tips about cuisine

  • 麻婆豆腐のピンインは「má pó dòu fǔ」。
  • 麻婆豆腐をピンインに沿ってカタカナ表記すると「マーポードウフー」。耳では「マーポートウフー」に聞こえる。日本で通用する表記は「マーボードウフ」。
  • 「麻」(マー)はあばた(天然痘に罹患した人に残る顔の瘢痕)「婆」(ポー)はおばあさん、「豆腐」(トウフー)は豆腐の意味。よって「麻婆豆腐」(マーポートウフー)は「あばたのお婆さんが作る豆腐料理」のような意味になる。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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