ハッセルバックポテト

  • スウェーデン料理、オーランド料理

  • 現地表記

    :Hasselback potatoes(英語で表記した場合)

  • 概要

    :蛇腹の切り込みを入れたじゃがいものオーブン焼き

ハッセルバックポテト

日本では「ハッセルバックポテト」としてなかなかの知名度があるじゃがいも料理です。スウェーデンのレストランが考案したレシピとのことです。じゃがいもの皮をむき、切断しないように、しかしながら数多くの包丁を蛇腹(じゃばら)に入れ、オーブンでじっくりと焼くだけです。食べるときには塩さえあれば十分に美味しいのは、その調理の特性にあります。皮をむいてベイクすることで、外側はサクサク・カリカリとクリスピーに、内側は柔らかくほくほくクリーミーになるのです。この料理は見映えが良いので出来上がった瞬間大きな喜びに包まれます。

材料

8個分):

バター
大1
オリーブオイル
大1
にんにく
1かけ
じゃがいも(※1)
8個(※2)
  • ※1:じゃがいもは楕円形のもの(メークインなど)を使います。でこぼこせず、左右対称、上下対象のきれいな形状のものがよいです。
  • ※2:オーブン天板が広い場合はもっとたくさんのじゃがいもを一気に調理することができます。ただし数が多くなると調理所要時間が長くなります。

調理時間

:1 時間 20 分

作り方

  1. オーブンの天板の2倍の面積のアルミホイルを一度くしゃっと丸め、破らないように拡げ、デコボコした状態にしてから天板に敷いておく。
  2. じゃがいもの皮をむき、でこぼこが気になる場合は目立つでっぱりを削っておく。
  3. まな板に割り箸を2本並行に置いてじゃがいもを乗せ、下まで貫通しないように1~3 mm間隔で包丁を垂直に入れ、蛇腹(じゃばら)の切れ目をたくさん入れ、水を張ったボウルに入れる。
  4. オーブンを220℃に予熱開始する。
  5. 小皿にバター、オリーブオイル、包丁の平らな面で押しつぶして亀裂が入ったにんにくを入れ、オーブンの上に置き、バターを融かす。
  6. 水の中で親指で蛇腹(じゃばら)をはじき、デンプン質を落とす。
  7. 流水の下で同様に蛇腹(じゃばら)をはじき、デンプン質を落とし、ふきんの上に乗せて水分をある程度取る。
  8. オーブン天板に、切れ目を上にして並べ、ハケでバターオイルを塗る。ナイフなどを使って蛇腹を少し拡げてバターオイルを切れ目にしみ込ませる。
  9. 220℃のオーブンで15分焼き、いったん天板ごと取り出して再びバターオイルを塗り、切れ目にもしみ込ませる。一度じゃがいもを持ち上げてアルミホイルにくっつかないようにする(このときじゃがいもとアルミホイルの間にオイルが入り込む)。
  10. 220℃のオーブンで再度15分焼き、バターオイルを塗る&しみ込ませる。
  11. 220℃のオーブンで更に10分焼き、バターオイルを塗る&しみ込ませ、最後はオーブンを最高温度に上げて好みの焼き色がつくまで焼く。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • じゃがいもは皮をむいて作ります。理由は、1)皮をむかないとじゃがいもの身がカリっとせず全部がふかしじゃがいも状態になってしまうこと、2)皮がついたままだと食べにくいこと、3)皮がついていると食べているときに皮の渋味を感じて美味しさが落ちるからです。
  • この作り方ではでこぼこのあるアルミホイルを敷くことで、余分な油に浸りすぎないようにしています。
  • じゃがいもが大きかったり、オーブンの状態によってはより長い加熱時間が必要になる可能性もあります。1度作ってみて調整します。
  • バターオイルには美味しくなるよう1かけのにんにくを入れていますが、省いてもよいです。融かしバターのみを塗ってもよいです。
  • 塩だけで食べて十分美味しい料理です。その他、塩こしょう、チーズクリーム、ガーリックパウダー、ソース類などをかけて食べるレシピもあります。
  • 細かいパン粉をふって焼くレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「ハッセルバックポテト」の英語表記は「Hasselback potatoes」。
  • もとはスウェーデンの料理で、「ハッセルバックスポタティス」と言い、スウェーデン語(スウェーデン、オーランドの公用語)での綴りは「Hasselbackspotatis」。
  • 「Hasselbacks」(ハッセルバックス)はレストラン「Hasselbacken」(ハッセルバッケン)に属格(○○の)のsがつき、「potatis」(ポタティス)はじゃがいもの意味である。よって「Hasselbackspotatis」(ハッセルバックスポタティス)は「ハッセルバッケンレストランによるじゃがいも料理」のような意味になる。
  • 日本語名は「ハッセルバックポテト」で定着している。
  • 考案したレストランのHPには「År 1953 skapades den berömda Hasselbackspotatisen av Leif Elisson från Värmland som då var kockelev på restaurangskolan.」(有名なハッセルバックポテトは、当時レストラン学校の料理の学生だったヴェルムランド出身のLeifElissonによって1953年に考案された。)と記載されている(≫こちら)。以前のHPにはハッセルバックポテトについて著作権を誇示していたが、現在このレストランは他の企業に買収されたためか、その誇示文言は見当たらなくなった。


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