オタオタ

オタオタ

これはクラシックなマレー料理で、やみつきになる美味しさがあると評判のストリートスナックです。魚肉、香辛料、それから香りの良いハーブを練り合わせてバナナなどの葉に包んで焼いたもので、実態はサバつみれではありますが、特にココナッツクリームとレモングラスと唐辛子によって、濃厚な旨味とさわやかなフレーバーがついています。サバで作られるオタが多いので、新鮮なサバを見つけたら、是非この東南アジア味の異国の風味を楽しんでいただけたらと思います。
今まで作ってみたいと思い続けてきたマレー料理のオタオタを作りました。

材料

15個分):
<サバつみれ>

サバ(※1)
身を350g(※1)
1個
にんにく
2かけ
小1
砂糖
小1/2
ココナッツクリーム(※2)
大6

<スパイスペースト>

キャンドルナッツ(※3)
砕いて大2
赤玉ねぎ(※4)
1/2個
生姜
にんにくと同体積
レモングラス(※5)
みじん切りで大2
赤唐辛子(※6)
1~3本(※6)
柑橘の若葉(※7)
2枚
ブラチャン(※8)
小1
コリアンダーパウダー
大1
パプリカパウダー(※9)
小2

<仕上げ>

片栗粉
大4
サラダ油
小1
バナナの葉(※10)
15×25cmを15枚
つまようじ(※11)
30本
  • ※1:サバを使って作ることが多い料理ですが、白身の魚なら種類を問いません。重さは骨、内臓、頭などを除いた重量の目安です。今回は350gの身を集めるのに体長18~25cmくらいの中程度サイズのサバを5尾使いました。
  • ※2:ココナッツクリームとして市販されています。ココナッツミルクよりも油分が多くて濃厚です。なければココナッツミルクで代用できますし、その際、濃厚さを増すためにココナッツミルクパウダーを補助的に使用してもよいです。
  • ※3:キャンドルナッツの代用は、マカデミアナッツやくるみ、あるいは他のナッツ類でもよいです。
  • ※4:赤玉ねぎがなければ黄色い玉ねぎでもよいです。
  • ※5:レモングラスは生あるいは冷凍を使用し、軸が太くて水分を含んでいる部分のみ使用します。ない場合はレモンの皮などで代用できます。
  • ※6:唐辛子は生あるいは冷凍を使用します。大きさにより使う本数が変わりますが、今回は6cm長さの唐辛子を1本使いました。生唐辛子がない場合は鷹の爪でもよいです(現地にも乾燥唐辛子を使うレシピがあります)。
  • ※7:現地ではカフィアライムの葉を使います。タイのバイマックルーがあればそれと同じです。今回ははっさくの若葉で代用しました。ない場合はレモンの皮などで代用します。
  • ※8:ブラチャンは現地の発酵エビペーストです。タイのガピやフィリピンのバゴオンでも代用できます。ない場合はアンチョビでもよいので、発酵した魚介類のくささを加えるとよいです。
  • ※9:パプリカパウダーは赤さを増すために加えています。
  • ※10:バナナの葉がなければ葉ランやアルミホイルで代用できます。また、出来上がりのサイズが小さければ葉のサイズも小さくて構いません。また包む量により出来上がりの個数が変わるので必要枚数も変わります。
  • ※11:アルミホイルで包む場合には不要です。この写真では竹串を使用しています。

調理時間

:1 時間 30 分

作り方

  1. <サバつみれ準備>サバの頭を落とし、内臓を取り、腹腔内を水で洗い、指で中骨の表面をさわりながら中骨と肉を離す。こうすると手開きで3枚におろせるので、中骨を外し、皮を下にしてまな板などの上に置き、スプーンで掻き出すようにして皮から身をはがして、身を集める。
  2. サバの身、卵、にんにく、塩、砂糖をフードプロセッサーに入れて撹拌し、粗挽きにする。
  3. <スパイスペースト準備>キャンドルナッツ、赤玉ねぎ、生姜、レモングラス、赤唐辛子、柑橘の若葉を粗く刻み、ブラチャン、コリアンダーパウダー、パプリカパウダーと共にハンドブレンダーの容器かミキサーに入れ、撹拌してなめらかなスパイスペーストを作る。
  4. <仕上げ>ボウルにサバつみれとスパイスペーストを入れ、片栗粉とサラダ油を加えて均一に練り合わせる。
  5. 熱湯を沸かしてバナナの葉をゆで、水気を拭き取り、さばつみれを厚さ6mm程度で細長く中央に置き、3つ折りにして包み(更に好みで両端を折ってもよい)、両端をつまようじで留める。
  6. 沸騰した蒸気の上に蒸籠や蒸し器を設置し、並べて入れ、10分蒸す。この間にオーブンを250℃で予熱しておく。
  7. 蒸したあと、オーブン天板に並べて片面5分を目安に軽い焼き色がつくまで焼く。
  8. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ここでは15個分の分量としましたが、1つに包むすりみの量により、出来上がり個数は変動します。
  • ない調味料は代用するか、代用のものがなければ省くことができます。しかし生レモングラスとココナッツクリーム(またはココナッツミルク)は、オタオタらしい風味のためにも是非入れるとよいです。
  • 現地ではラクサリーフというハーブを使いますが、日本では流通していないし、代用が難しいので省いています。
  • フードプロセッサーがない場合は、サバとにんにくを一緒に包丁で丁寧に叩きます。目安としては魚ハンバーグが作れるくらいのタネになればよいです。
  • 唐辛子は種ごと使ってよいです。
  • 蒸さずに焼くだけで調理する方法もありますが、現地では炭火焼きで調理することが多いものの、日本の家庭ではその調理条件を気軽には再現しにくいので、蒸して水分が飛ばないようにしてから焼き色をつけ、生焼けも防げる方法を採用しています。

Tips about cuisine

  • 「オタオタ」のマレー語(シンガポール、マレーシア、ブルネイ、インドネシアの公用語)ならびにインドネシア語(インドネシアの公用語)の綴りは「Otak otak」である。
  • 「Otak」(オタ)はどちらの言語においても「脳みそ」を意味する。魚のすり身の滑らかさが脳みそに似ているためにつけられた可能性がある。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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