バリース

バリース

「バリースイスクカリス」または単に「バリース」とは、ソマリア料理では典型的で慣習的で代表的な存在。バリースはソマリ語で米という意味をもつ単語で、米と具(多くの場合は肉)をスパイシーに炊き込むピラフのような料理です。スパゲティーやパンもよく食べられるソマリアですが、私も日本人だから米料理が特に美味しく感じてしまう。だからソマリアに行ったときはしょっちゅうバリースを食べて、そしてスパイシーな香りと美味しさと、ソマリ人の優しさとも重なってすっかりこの料理のファンになりました。ラクダ肉、山羊肉、羊肉、それから鶏肉。少ない例ですが魚でも作られます。普段の食事にも結婚式などのお祝いにも、このバリースはソマリアの様々なシーンで食べられています。

材料

2~3人分):

1.5 C
2 C
鶏肉(※1)
500 g
小1/2
鶏がらスープの素(※2)
小0~1/4
玉ねぎ
1/2個
にんにく
2かけ
サラダ油
大3
バター
大1
ハワシュ
小2
カルダモンホール
10粒
シナモンスティック
3 cm
黒こしょう粒
10粒
にんじん
1/3本
  • ※1:鶏肉のほか、牛肉などでもよいです。ここでは鶏もも肉を使いましたが、骨付き肉を使ってもよいです。
  • ※2:現地でも旨味を補強する目的でコンソメ類を使うので、ここでも使用していますが、使用は任意です。

調理時間

(米の吸水時間を除く)

作り方

  1. 米を洗って水に浸け、米が水を吸って白くなったらザルにあげて水気を切る。
  2. 鍋に水を入れて沸騰させ、鶏肉と塩を入れて鶏肉をゆで、チキンスープを作る。鶏肉は取り出しておく。
  3. チキンスープの味見をし、旨味が薄いようなら鶏がらスープの素を加え、塩分も調えて「美味しいスープ」を作っておく。
  4. 玉ねぎを粗みじん切りにし、にんにくをみじん切りにする。
  5. ごはんを炊く鍋にサラダ油とバターを入れて中火で熱し、玉ねぎとにんにくを炒める。
  6. 玉ねぎが茶色くなったら鶏肉を皮から入れ、良い焼き色をつける。
  7. カルダモンのさやに包丁かキッチンばさみで一か所切れ目を入れる。
  8. にんじんの皮をむいて太めの千切りにする。
  9. ハワシュ、シナモンスティック、カルダモンホール、黒こしょう粒を入れて香りを出すように炒め、鶏肉を取り出し、次に米を入れて炒める。
  10. 米の表面に油がゆきわたったら、チキンスープを入れて強火で煮たて、煮立ったらにんじんの千切りと鶏肉を乗せてフタをし、弱火にして15分を目安に、蒸気が出てこなくなるまで炊く。
  11. 蒸気が出なくなったら表面の米を味見し、火が通っていたら火を止めて素早く軽く混ぜ、フタをして20分蒸らす。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • このレシピでは鍋炊きとしましたが、炊飯器を使ってもよいです。その場合は水分量は炊飯器の目盛りを使います。
  • このレシピでは日本の米を使いました。より現地式に作る場合はインディカ米などを使います。
  • ハワシュは現地のミックススパイスです。リンク先を参照して手作りするか、ない場合はカレー粉で代用すると割と似た風味になります。もし家にカルダモンパウダーがあるならカレー粉とカルダモンパウダーを使うとより良いです。

Tips about cuisine

  • 「バリース」のソマリ語(ソマリアの公用語、ジブチやエチオピアに多く住むソマリ人の主要言語)の綴りは「Bariis」。
  • 「Bariis」(バリース)は米という意味である。
  • 「米と何かを炊き込むもの」という意味をつけて「Bariis iskukaris」(バリースイスクカリス)という料理名がより正しくこの料理の特徴を表すが、それが日常的には短く「Bariis」(バリース)と呼ばれている。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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