サンバル
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国
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現地表記
:சாம்பார(タミル語)、സാമ്പാർ(マラヤーラム語)、ಸಾಂಬಾರು(カンナダ語)、సాంబారు(テルグ語)、सांभर(ヒンディー語)、Sambar(英語)
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概要
:野菜と香辛料入りの豆ポタージュ
このサンバルレシピは、サンバルパウダーを使う本格バージョンです。インドの料理の定番食材は、主食の米と小麦を除くと、私は豆だと思っていて、ベジ(菜食)の人もノンベジ(肉類OK)の人もみんな食べているし、インド全体でダル(豆ポタージュ)が大定番。それがインド南部に行くと野菜とともに煮込まれた豆ポタージュすなわちサンバルが大定番なのです。単に北インドのダルが南インドではサンバルになったというわけではなく、1つのミールス(お食事盛り合わせ)にダルとサンバルが両方盛られたりもします。サンバルにはそのときなり、その店なりの、様々な野菜が入ります。なお作り方が複雑に見えますが、要は1)サンバルパウダーを作るか買うかしておく、2)豆を柔らかく水煮にする、3)野菜を柔らかく水煮にする、4)スパイスを油で揚げる、5)その4つを1つの鍋に混ぜる、というだけです。1)のパウダー作りは粉砕するか買うだけだから簡単。2)と3)は水煮だから簡単。4)も油に入れるだけだから簡単。5)も混ぜるだけだから、1)~5)のレールを頭に入れれば工程は簡単です。なので頑張りどころは材料を揃える段階ですね。頑張ってみましょう。
材料
(10人分):
- レンズマメ(※1)
- 1 C
- 水
- 1 L
- 野菜(※2)
- 500 gくらい
- サラダ油A
- 大2
- ターメリック
- 小1/2
- 塩
- 小1
- サンバルパウダー(※3)
- 大1.5
- タマリンドペースト(※4)
- 小1/2
- 砂糖(※5)
- 小1/3
- マスタードシード
- 小2/3
- クミンシード
- 小1/2
- 鷹の爪
- 2本
- ヒン(※6)
- 耳かき半分程度
- サラダ油B
- 大2
- ※1:レンズマメは皮むきタイプを使っています。あればアラハルダル(黄色いエンドウマメ、トゥールダルとも言う)でもよいです。
- ※2:野菜については下記のコツ欄参照。ここではなす、玉ねぎ、にんじんを使っています。
- ※3:サンバルパウダーはリンク先を参照して手作りできます。市販品を購入してもよいです。
- ※4:タマリンドペーストがない場合の代用は下のコツ欄参照。
- ※5:砂糖は現地のジャガリー(ヤシ砂糖)の代用です。
- ※6:ヒンはヒングとも表記される、ニラくさい香りがする植物性樹脂です。ない場合は省きます。
調理時間
:(豆を水に浸ける時間を除く)
作り方
:
- <事前準備>レンズマメを洗って水(分量外)に浸けておく。1時間以上浸けるとよい。
- <豆を煮る>鍋にレンズマメと水800 mLを入れて混ぜながら強火にかけ、沸騰したら弱い沸騰を保つ程度に火加減を下げ、ときどき鍋の中でお玉の底で豆を潰すようにしながらクリーミーな煮豆を作る。
- <野菜を煮る>豆を煮ている間に、野菜類を1~2 cm角くらいに切る。※にんじんのような硬い野菜は小さめに。
- 鍋にサラダ油A(大さじ2杯)を入れて加熱し、野菜を炒め、野菜類が加熱されたら水200 mL、ターメリックパウダー、塩を入れて強火にかけ、沸騰したら上下を返して弱火にし、フタをして、途中ときどき上下を返しながら柔らかくなるまで煮る。
- <豆の続き>豆を味見し、ほくほくと柔らかく煮えていたら、サンバルパウダー、タマリンドペースト、砂糖を入れて混ぜ、火からおろす。
- (豆のオプション:豆の鍋にハンドブレンダーを入れて数か所を少し撹拌し、よりクリーミーな煮豆にする。)
- <香辛料を揚げる(テンパリング)>小さな容器にマスタードシード、クミンシード、鷹の爪、ヒンを入れておき、小さなフライパンにサラダ油B(大さじ2杯)を入れて中火で熱し、十分に熱くなったら一気にスパイス類を入れてじゅわっと揚げ、香ばしさが出たらすぐに豆の鍋に入れて混ぜ込む。
- <仕上げ>豆の鍋と野菜の鍋の中身をすべて合わせて火にかけ、ぐつぐつと煮て、野菜と豆をなじませる。
- 味見をし、野菜類がしっかりと柔らかく煮えていることを確認し、塩加減、酸味加減、スパイス加減を好みに調えて出来上がり。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- 現地ではアラハルダル(黄色いエンドウマメ、トゥールダルとも言う)を使うことが多いのですが、レンズマメでも作られており、日本ではレンズマメのほうが入手しやすいのと、レンズマメで作ってもかなり謙遜ない味に作れるので、ここでは皮むきタイプのレンズマメを使用しています。大型食料品店や輸入食材店で購入できます。
- 野菜は、なす、玉ねぎ、冬瓜、にんじん、インゲン、カブ、カリフラワー、セロリ、ヘビウリ、ズッキーニ、かぼちゃ、大根、かぶなどから、3~5種類くらいを選ぶとよいです。現地ではじゃがいもとオクラは別のカレーになって同時に盛り合わせられることが多いので、サンバルから外れることが多いと思いました。現地ではヘビウリや調理用きゅうり(サラダ用とは異なるきゅうり)なども使われます。ここではなすを350 g、その他玉ねぎとにんじんを使っています。
- 野菜が硬いと仕上がりが台無しなので、にんじんやインゲンなどの硬い野菜も柔らかくなるように、野菜類はしっかりと煮ます。
- 野菜を煮るとき、水200 mLでは最初全量は浸りませんが、煮えてくると浸るようになります。気になるなら水を少し増やしてもよいです。
- タマリンドペーストは輸入食材店で購入できます。ない場合は市販のレモンペースト(ハウス食品からチューブで発売されているものなど)を同量、それもなければレモン果汁小さじ1~1.5くらいで代用します。出来上がりのサンバルは酸味を感じない(隠し味)ので、それもなければ省いてしまうか、隠し味程度に酢を使うなどもできます。現地ではマンゴーの種を入れている店もあったので、それとタマリンドとの共通点はフルーティーな酸味ということで、梅干しの種でも代用になります(忘れずに取り出すこと)。
- 野菜を煮るとき、油で炒めてから煮る方法と、最初から水煮にする方法があります。今回はなすとにんじんのように油に合う野菜を使ったので最初に油で炒めて美味しくしていますが、油炒めは必須ではないので省いてもよいです。
- 香辛料を油で揚げる工程をテンパリングと言いますが、料理レシピ本ではよく最後にテンパリングして煮豆にかけていますが、これだと表面にスパイスと油が浮いて写真映えはするものの、テンパリングで生じたスパイス表面の焦げたにおいが煮汁となじみきらず、焦げ臭が強く立ってしまいます。現地では、特に飲食店ではテンパリングを早めにして豆に混ぜてなじませることが多いと学んだので、私もここではテンパリングを早めに行っています。
Tips about cuisine
- 「サンバル」のインドでの綴りは、ヒンディー語(インドの公用語)で「सांबार」、タミル語(インドのタミルナード州で話者が多い言語、スリランカとシンガポールの公用語)で「சாம்பார 」、カンナダ語(インドのカルナータカ州で話者が多い言語)で「ಸಾಂಬಾರು」、マラヤーラム語(インドのケララ州で話者が多い言語)で「സാമ്പാർ」、テルグ語(アーンドラプラデシュ州やテランガーナ州で話者が多い言語)で「సాంబారు」。
- 「サンバル」を英語アルファベット表記にすると「Sambar」などになる。
- 「サンバル」は日本語発音だとマレーシア料理などのサンバル(辛味調味料、Sambal)と同じ音になってしまうが、英語話者など外国人は「Sambar」と「Sambal」の音を識別できるので、混同されないことも多い。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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