英国料理

[last update 2019/09/20]

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【基礎情報】

国名:英国United Kingdom、首都:ロンドン、ISO3166-1国コード:GB/GBR、独立国(1801年グレートブリテン及びアイルランド連合王国成立)、公用語:英語、通貨:ポンド

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【地図】

英国は大西洋北部の島国で、アイルランドとは陸で国境を接します。近海にはフェロー、マン、ジャージー、ガンジー、ベルギー、フランスなどがあります。

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◆北方の荒涼とした土地の味覚と、植民地料理がもたらす美味。

大前提として英国料理の美味不美味は決めつけないでおきましょう。不味いことで有名な英国料理ですが、そうなると「本当は美味しい英国料理」のような声も出てきて水かけ論。でも英国人と料理の話をすると、モダン料理や植民地料理を除き、自国料理を不味いと言う人が少なくないのも事実。「植民地料理を除き」と書いたのがポイントです。カレーも中華も、紅茶の茶葉や砂糖にしても、英国料理の評判を上げているのは、英国が歴史の中で植民地から得てきた美食に大きく拠っているのです。

*このサイトでは、英国は連合王国(UK)の範囲として記載します。英王室領のマン、ジャージー、ガンジーは、それぞれ1か国として別途ページを設け、それぞれの食文化を記載していきます。

英国料理
家庭のアフタヌーンティー。ミルクティー、トースト、ケーキ。(撮影地ミッドイェール)

英国は、私たちはよく「イギリス」と言いますが外務省表記は「英国」。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つを構成国(Country)とする主権国(Sovereign state)です。歴史的には、イングランドが強くてイングランドが周囲を征服していったのが実態で、イングランド側から見ると、16世紀にウェールズを正式併合、18世紀にスコットランドと正式合同、19世紀にアイルランドと正式合同し、20世紀に現在のアイルランド部分が離脱。地域により民族や宗教が違うので独立分離運動はあるけれど、小さな地域ということもあって(※)生活習慣や文化は類似点が多く、同じ言葉(英語)が話される上、同じような食材が同じように調理されています。

※UK全体で日本の本州程度の面積です。

土地はムーア(酸性土壌の湿原)やヒース(荒野)が多く、寒冷で日照が少なく栽培作物は限られ、オーツ麦、小麦、アブラナ科野菜(キャベツやカブ)、ネギ類と、牛や羊のための牧草。あとは中世に伝来したジャガイモあたりが主要農作物です。牧畜と漁業と耕作が英国食文化の基礎ではありますが、欧州大陸のより温暖な地域の料理に比べると伝統的に食材や調味料の種類は貧弱です。

英国料理が不味いと言われる理由として、産業革命の工業化や世界大戦の食糧難などが言われますが、火のないところに煙は立たぬとはいえ、それはステレオタイプの情報である気もします。日本も工業発展や戦争食糧難を経験していますが、和食は世界に誇れ、世界的に名声ある食文化ですから。

最大の要因として、我々日本人から見るとどうしても料理に対する感覚・味覚・意欲・関心が違うこと。あとは上述のように根本的に食材や味の少ない土地柄で、食事をそれほど楽しまない生活習慣が根付いたこと。英国の隣りはフランスで、英国料理はフランス料理の影響も受けてきたのに、英国人と料理の話をすると「フランス人は毎日の食事にあんなに時間をかけて時間の無駄」と言って怪訝がる。英国では後述のように紅茶とお菓子が重んじられるので3度の食事は空腹を回避する程度でも済むのか、日頃の家庭料理は手間暇をかけて作ろうとしない傾向がある。野菜やパスタのゆで方も大雑把だし、主婦が家族の食卓に冷凍食品や缶詰食品を出すことにあまりためらいがない、ゆでるだけ、あるいはオーブンかキャセロール(鍋)に入れるだけの調理が多い。

レストランでも、結構なお値段がして見映えもするお料理なのに、味をつけない肉に味がないソースと味がしないパイと味をつけないポテトと味のないゆで野菜が一皿盛りで出てきたことがある。卓上には調味料がたくさんあるけどHPソースも何か味が足りない。発酵食品の旨味がないのも日本との違い。正確に言うとマーマイト(ビール醸造のオリのペースト)はあるが、多くの外国人にはマーマイトは不味いだろう。

でも、先進国英国は「美味しいものが探せる」のがよいところです。サンドイッチは私たちも食べ慣れているし、肉好きなら日曜日定番のローストビーフはイケるだろうし、揚げ物好きにフィッシュアンドチップスは喜びだ。キッパー(サバの燻製)は日本人が好む味! そして「植民地料理」もある。

植民地の料理は英国料理を豊かにしました。多くはアジア料理で、英国がインド、香港、シンガポール等を獲得した歴史の上に立っています。ただ、田舎にはインド料理屋や中華料理屋がない町や村もあるでしょう。そう、だからこそ植民地からの最大の収穫は紅茶と菓子。これこそ全土普遍的で絶大です。どれだけ英国がインドやスリランカに執着して紅茶を手に入れてきたことか。カリブ海はもっと悲惨で、英国はアフリカから黒人奴隷を運び込んで使役し、もともとの住人を絶滅させても砂糖を手に入れてきた。紅茶と菓子の文化が重きを置いて根付いているのは植民地あってこそです。

だから、英国に行ったら、海洋覇者かつ世界の覇者になった歴史に理解を深めながら紅茶と甘い菓子を頂き、残った胃袋のキャパでごはんを食べるといい。滞在中は次第に慣れて地元の人の感覚になり、そこそこの食事が続いても大丈夫になるものです(実体験より)。イギリス人は料理や美味しさに関心がないわけではないので(料理本や料理番組は非常に多い国です)、日曜日のローストビーフや宿泊先のもりもり朝ごはんのように、やるときゃやる。だから失望することはありません。ステレオタイプを受け入れないでください。英国に行って、自分で食べ物を試してみてください。

以下、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの地域料理の特徴も紹介し、各論では食材別に分けて英国料理を解説していく予定です。
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