ガイアナ料理

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【基礎情報】

国名:ガイアナ共和国Co-operative Republic of Guyana、首都:ジョージタウン、ISO3166-1国コード:GY/GUY、独立国(1966年英国より)、公用語:英語、通貨:ガイアナドル

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【地図】

ガイアナは南米北部の大西洋に面した国です。東にスリナム、南~南西にかけてにブラジル、西にベネズエラと接しています。

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◆カレーがいっぱい、ジャングルの土地の不思議な料理がいっぱい

ガイアナは不思議な国です。南米にいるのにインド風の美味しいカレーがいっぱいあるし、街を歩くと黒人さんが多くてアフリカみたい。食堂には他国では見かけないような料理(それはアマゾンの伝統料理)がいろいろあって、メニューを見るのも楽しいです。ガイアナに行くと、人や料理を見るだけでも混沌とした世界に来たのだなと実感します。

ガイアナ
国民食のペッパーポット。キャッサバから作る黒い汁の味は如何に?(撮影地ジョージタウン)

ギアナ三国、ギアナ高地、そしてこの国名のガイアナ。これらは「水の土地」という意味の先住民の言葉に由来するそうです。ガイアナの国土には河川や運河が多く、気候は高温、季節差の少ない大雨、年中高湿度で、国のほとんどが手つかずの熱帯雨林です。内陸はあまり人が住まず、人口の9割以上が北部沿岸部に居住しています。

国勢調査上の人口統計(2012年)では、インド人40%(インド・ガイアナ人)、黒人30%(アフロ・ガイアナ人)、混合20%、アメリインディアン(先住民)10%、ごく少数の中国人や欧州人からなります。インド人比率の高さは南米ナンバーワンですが、どれほどインド人だらけかと思えばそうでもなく、黒人ばかりが目につきます。

南米なのにインド人と黒人が多い理由は、ここが元英領だったから。砂糖に執着する英国はガイアナを含めたカリブ圏にサトウキビ農園を作り、アフリカ人奴隷を使役し、奴隷制度廃止後はインドから契約労働者を招きました。インド人が異様に多いのは1857年のインド大反乱(セポイの乱)以降のインド国内の混乱による大量流出と関係しています。このあたりのいきさつはトリニダード・トバゴと最もよく似ています。ガイアナとトリニダード・トバゴは地理的にも至近であり歴史に共通点が多いのです。

アフリカ人は奴隷でしたが、インド人は契約により所定の年数を働けばガイアナに残留してビジネスを始める権利ももらえたため、現在インド系住民は土地所有者、貿易会社経営、商業チェーンなどでうまくやっている者が多く、ガイアナ歴代大統領など政治家もインド人多数。ガイアナでインド人のカレーが安定して普及しているのも、きっとインド人が成功しているおかげ。

でもガイアナに行って「ガイアナ料理」を食べるなら、ジャングルの先住民の料理を食べたいですよね。その代表はキャッサバです。ヨーロッパ人が来たときにはすでにキャッサバを栽培していたと記録されており、土着の主食の座にあります。農業従事者が多くキャッサバ生産量は多いがあまり輸出品にならないので、ガイアナのキャッサバ消費は多い。乾燥して、ブラジル料理のファロファのようにふりかけにしておかずにかけたり、乾燥粉からパン(キャッサバブレッド)を焼いたり、ゆでたりマッシュにしても食べられています。キャッサバのマッシュをゆで卵に巻いて揚げる「エッグボール」が美味しそう。

キャッサバイモから出る水分を煮詰めると、カサリープ(カラメルのような真っ黒いソース)になり、これで肉などを煮込むと「ペッパーポット」という黒カレーのような料理になります。これぞガイアナジャングルの伝統料理。ペッパーポットは街の飲食店でも食べられるので、ガイアナの土着文化を味わいたい旅行者には一番にお勧めしたい料理です。

以下各論では、ガイアナ料理を食材別に掲載していく予定です。
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