グリーンランド料理

[last update 2021/06/05]

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【基礎情報】

国名:グリーンランドGreenland、首都:ヌーク、ISO3166-1国コード:GL/GRL、非独立国(主権国家デンマーク王国、1979年自治開始)、公用語:グリーンランド語、通貨:デンマーククローネ

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【地図】

グリーンランドは大西洋の島で国土のほとんどが北極圏内にあります。西にカナダ、東にスヴァールバルとアイスランドがあります。

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◆イヌイットの伝統を残す、半狩猟・半北欧の暮らし

人類はアフリカで発祥して極東アジアからアラスカへ。島や湾を移動して渡り、先史時代にはカナダを経てグリーンランドまで拡散しました。ツンドラの大地に定着したイヌイット(エスキモー)はアザラシやクジラを獲って暮らしてきました。北欧風の近代的な住居インフラがゆきわたる現代でも、冷たい海でアザラシや魚を獲る伝統的なイヌイットの文化は保持されています。彼らの食の中心にあるのはそういった獲物で、特にアザラシ肉のスープであるスワシャは、グリーンランドを代表する国民食です。

*グリーンランドはデンマーク本土及びフェローと対等の地位でデンマーク王国を構成し、自治政府をもつ地域です。このサイトでは、デンマーク本土、グリーンランド、フェローをそれぞれ1か国とし、それぞれの食文化を記載していきます。

グリーンランド
スワシャ(アザラシのスープ)を皿によそう。イヌイットの家庭にて。(撮影地クルスク)

グリーンランドはカナダに隣接する世界最大の島です。ほぼ全土が永久凍土の上にあり、極めて寒冷な土地にも、人は定住してきました。グリーンランドはイヌイット(カラーリット、※)及びその混血が人口の9割以上を占める国です。

※イヌイットはエスキモーとも呼ばれる北米の極北先住民で、主にカナダとグリーンランドに分布する。カナダのイヌイットとグリーンランドのイヌイットを呼び分ける場合、後者をカラーリットと呼ぶ。

人類はアフリカで発祥してユーラシア大陸を東に移動し、シベリアからベーリング海峡を渡って現在のアラスカ、カナダ、そしてグリーンランドへ渡ったため、グリーンランドのイヌイットは直接的にはカナダからの移住者の子孫ということになります。移住は段階的に行われましたが、最初のイヌイットの到来はおよそ4000年前にさかのぼるそうです。

グリーンランドの内陸は氷床で、沿岸部はツンドラ(寒地荒原)。人が住む集落はすべて沿岸部にあります。フィヨルドすなわち氷河の浸食により形成された複雑な地形の湾は、彼らの狩猟の舞台。厳しい寒さの下でアザラシやクジラなどの海棲哺乳類を仕留め、タラやシシャモなどの魚を獲り、陸ではイッカクやホッキョクグマを獲ります。

およそ1100年前、10世紀後半からノース人(バイキング)がグリーンランドを植民地化したことがアイスランドのサガ(伝説物語)に書かれています。ノース人はグリーンランドに500年近く居住したのちに島からいなくなりますが、その間にグリーンランドはノルウェー王国の一部になり(1261年)、デンマーク=ノルウェー連合国が成立するとき(1536年)にグリーンランドも組み込まれ、解体するとき(1814年)にはグリーンランドの領土はデンマーク側に残りました。その後島の自治は次第に強化され、2009年にはデンマーク本体と同等の立場でデンマーク王国を構成するまでになり、自治政府と高度自治権が認められています。グリーンランドは独立を目指しています。

ということで、グリーンランドを大まかに語ると、地理的には北米で、イヌイットとしての基本文化が北米カナダと共通し、行政的には1000年以上にわたりヨーロッパ(特にデンマーク)と結びつく。このような背景を理解していると、現地では今も干した魚やアザラシ肉を食べる一方で、ショップに行けばデンマークからの輸入食材や日用品が普通に売られていることが、歴史背景とともに理解できます。規模の大きな町ほど近代化した様相を見せています。それでもイヌイットは狩猟生活をやめていませんから、グリーンランド料理を語る言葉は、「半狩猟・半北欧の暮らし」に集約されると思うのです。

アザラシ肉は至極美味ですよ。その上クジラやアザラシの脂をふんだんに使った味わいはリッチもリッチで、調味料は塩こしょう程度とごくシンプルに、肉や魚の味が最高に活かした料理が目白押しです。グリーンランドの伝統料理は、人類の本能が喜ぶ極めつけの美食の1つと言えるでしょう。
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