ケワダツィ

  • ブータン料理

  • 現地表記

    :ཀེ་བ་དར་ཚིལ།(ゾンカ語)

  • 概要

    :じゃがいものチーズ絡め

ケワダツィ

普通首都というのは人が住みやすいところに形成されるものですが、ブータンは首都ティンプーさえ標高2400 mという、厳しい地理・気候の、ヒマラヤ山麓国家です。ブータンでは、山麓で飼育される牛やヤクの乳から作られるチーズが主要な食材として頻繁に料理に使われます。エマダツィ(唐辛子のチーズ絡め)、ケワダツィ(じゃがいものチーズ絡め)、シャモダツィ(きのこのチーズ絡め)など、「ダツィ」の名がつく料理はチーズがとろけて素材に絡む美味しいブータンの国民食です。標高の高いブータンでは料理に圧力鍋を使いますが、日本でこの料理を再現するにあたり、チーズの種類や気圧が現地と違うことから何度も失敗し、でも、やっと、チーズがとろとろの、ブータン現地を思い出す「ダツィ」を作れるようになりました。

材料

4人分):

じゃがいも
300~400 g
鷹の爪
1~2本
ピザ用チーズ
80~100 g

調理時間

(道具を用意する事前準備時間を除く)

作り方

  1. <事前準備>蒸し器とボウル、蒸し器とシチュー皿、蒸し器がない場合は大鍋とボウルなど、水蒸気で蒸す道具を組み合わせる。
  2. じゃがいもの皮をむき、4つ割りや1 cm幅の輪切りなど、好みで食べやすい大きさに切る。
  3. じゃがいもを鍋に入れて強火にかけ、沸騰後5分(あるいは完全に火が通るまで)ゆで、ザルにあげておく。
  4. この間に、辛いのが好きなら鷹の爪を1 cm長さの輪切りに切る(あまり辛くしたくない場合は切らない)。
  5. 蒸し器か大鍋にかける器に、じゃがいもと唐辛子とチーズを入れる。
  6. 蒸し器か大鍋に水を入れて沸かし、器をセットし、フタをして強火で蒸す。
  7. 5分ほど経ったらフタをあけて中を確認し、チーズがとけていたら完成、とけていなければ蒸し時間を長くする。
  8. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ピザ用チーズのほか、とけやすいチーズを使うと上手くとろとろに作れます。
  • 辛いのが苦手な場合は、唐辛子の量を減らして切らずに加えるか、若干量の粉末唐辛子にとどめます。
  • 現地では標高が高くて気圧が低いので圧力鍋を使いますが、日本の調理環境であれば圧力鍋は必須ではありません。
  • ブータン産唐辛子は辛味が弱いので現地ではたくさん入れてもそれほど辛い料理になりません。日本の鷹の爪はたくさん使うととても辛くなるので注意します。ただしブータンで普及しているインド産唐辛子は辛いので、辛くなってもブータン現地の味と言えます。

Tips about cuisine

  • 「ケワダツィ」のゾンカ語(ブータンの公用語)の綴りは「ཀེ་བ་དར་ཚིལ།」。
  • 「ཀེ་བ།」(ケワ)はじゃがいも、「དར་ཚིལ།」(ダツィ)はチーズの意味である。よって「ཀེ་བ་དར་ཚིལ།」(ケワダツィ)は「じゃがいもとチーズの料理」という意味になる。
  • 「།」(シェー)は後ろに何も続かないときの末尾の文字で「་」(ツェグ)は後ろに言葉が続くときの音区切りなので、ケワが「ཀེ་བ།」でもケワダツィのときは「ཀེ་བ་」と表記する。
  • 「ཚ」は「ツィ」の子音であり、「チ」の子音は別に存在するので、「ケワダツィ」と表記するのが正しい。
  • エマダチか、エマダツィか。答えは両方。



本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
出典URL付記リンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやTwitterにおける情報の小規模な引用や紹介。
事前連絡出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動や出版等で、当サイトおよび当管理人のもつ料理レシピや写真を活用・使用したい場合(料金は≫こちら)。
事後連絡でもよいのでお寄せ下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。
ご遠慮ください】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用ならびに営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。