【基礎情報】
イエメン共和国、Republic of Yemen、首都:サナア、ISO3166-1国コード:YE/YEM、独立国(1990年統一国家成立)、公用語:アラビア語、通貨リアル
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【地図】
イエメンはアラビア半島の南端にある国です。陸で接する国は北にサウジアラビア、東にオマーンがあり、海を渡った近隣国には、エリトリア、ジブチ、ソマリアがあります。
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◆伝統文化とアラブの習慣を守る、強烈な部族社会の国
アラビア半島といえば砂漠のラクダ引きのイメージですか? いえいえ。イエメンの場合、サナア、タイズ、イッブ・・・昔から人口の多い都市はたいてい山の中にあり、今も人口のほとんどが高地に集中し、むしろ山岳国家と言う方がふさわしい。山があるからこそ雨が降り緑が茂るイエメンは、砂漠主体の他のアラビア半島の国とは違うのです。イエメンには太古から町があって伝統がある。それが今も多く残る。世界でも最高級の「エキゾチックな国」です。
サルタはイエメンを代表する料理。強熱して石鍋がぐつぐつ。(撮影地マグラバ)
1967年に英国より独立した南イエメンと1918年にオスマントルコから独立した北イエメンが1990年に統一して出来たのが今のイエメンの国家形態なので、一見イエメンは新しい国に見えるかもしれませんが、イエメンの歴史は実に古いのです。アラビア半島の中でも雨が多く降り緑が茂るイエメンには、古くから人が住んでおり、北にメソポタミア、紅海の先にエジプト、東にインド、西にソマリアがあるその立地は交易の中継地点として重要性があり、古来より人と物の往来で栄えてきました。今もイエメンには伝統をもつ町がたくさんあります。
イエメンの歴史が長いことは料理にも表れていて、イエメン発祥の料理は、砂漠主体の他のアラビア半島の地域へ伝播していきました。UAEやサウジアラビアなどアラビア半島の他の国で国民食を求めると、聞けばそれはイエメン発祥だった、ということがしばしばあります。マンディ(米と肉の土中蒸し焼き)がその好例です。
イエメン料理のもう一つの特徴は、アラビア半島のどの国よりも、北東部アフリカ料理と似ていることです。イエメンのサハウはエジプトのシャッタ、イエメンのラホーフはエチオピアのインジェラあるいはソマリアのカンジェロといった具合です。カート(嗜好性の葉)を噛む習慣もエチオピアやソマリアと同じですし。
紅海の海洋交易路に位置するイエメンは香辛料を運ぶ「海のシルクロード」の交易中継地でもあり、その影響でイエメン料理も香辛料を豊かに使うようになったかもしれません。イエメン料理は香り高くて本当に美味しいですね。
私の個人的な感想ですが、イエメンは世界で一番豆料理が美味しい国だと思っています。豆嫌いの人は是非イエメンの豆料理を食べてみてください。トマトや香辛料でこれでもかと豆を旨くするのだから、開眼の思いですよ。
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