【基礎情報】
国名:セウタ、Ceuta、首都:セウタ、ISO3166-1国コード:EA(メリリャと共用で割り当て)、非独立国(スペイン内の自治都市)、公用語:スペイン語、通貨:ユーロ。
【地図】
セウタはアフリカの北部の地中海沿岸にあり、陸地はすべてモロッコに囲まれています。対岸はスペインです。
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◆そこはアフリカ大陸のスペイン。アラブの美食とスペインの美食が交ざる
スペインから船で1時間半の、地中海対岸の美しい港町がセウタです。フェリーターミナルから徒歩で観光名所を見て歩け、新市街も旧市街もモロッコの都市かと思うようなきれいな街並みが続きます。セウタで食事をすると、海産物が豊富で美味しくて、香辛料の使い方がモロッコ風で香り良く、美味しいビールやワインも気軽に飲めます。セウタでは食の点からも「アラブとスペインの混交」を実感できます。
*このサイトでは、スペインとメリリャについて、別途ページを設けます。セウタとメリリャはスペイン領北アフリカとして同じ国コード(ISO3166-1における「ea」)を持つ自治都市でしたが、今は正式には「ea」は有効ではなく、ISO3166-2において、セウタが「es-ce」、メリリャが「es-ml」の自治都市として区別されています。本ページではスペイン領の非独立自治地域セウタにおける食文化を紹介します。
セウタの食事風景。モロッコ風料理、スペイン風料理、美味しい魚とビール(撮影地セウタ)
「セウタ」と言っても知名度が低いと思うので、簡単にご紹介をば。
モロッコに囲まれる土地に、スペイン領北アフリカとして同じ国コード(ISO3166-1における「ea」)を持つ自治都市が2つありました。それが現スペイン内の自治都市であるセウタとメリリャです。セウタとメリリャの歴史は、15世紀以降欧州に支配されるとき、「最初からスペインだったメリリャと、ポルトガルが長くて後からスペインになったセウタ」という点に違いがあります。
もともとセウタはメリリャ同様に地中海を席巻する古代フェニキア人が建設した歴史の古い都市で、セウタは長らくアビラと呼ばれていました。中世の「大航海時代」の開始時期には諸説あるものの、1415年のポルトガルによるセウタ侵攻を基点とする考え方が有力です。つまり、まず1415年にセウタがポルトガルに陥ち、スペインが1492年にレコンキスタ(※)を完了するとアフリカ東方面(アルジェリア方面)がスペインに占領されていきました。その後のオスマントルコの侵略でスペインはアルジェリア方面を手放すことになってメリリャが残り、17世紀に入るとセウタがポルトガルからスペインへ譲渡され、その結果としてスペインは北アフリカに2つの町「セウタとメリリャ」をもつことになりました。
※レコンキスタ:キリスト教徒によるイベリア半島の再征服。イスラム人に8世紀にわたって占領されたイベリア半島をキリスト教徒が奪回。1492年に完成した。
セウタの住民は約1/3がイスラム教徒(アラブ人やベルベル人)で、約2/3がキリスト教徒です。キリスト教徒には基本的に食の禁忌がありませんがイスラム教徒は酒類と豚肉が禁忌です。セウタはスペイン本土や欧州各地からの観光客がとても多いツーリスティックな街なので、市街地のレストランの多くはイスラム教徒向けではなく、イベリコハムやビールなども置いています。ただ、イスラム教徒(それから少数派のヒンズー教徒やユダヤ教徒)への配慮があるのか、メニューには材料が明記される傾向を強く感じます。例えば、肉料理の欄にステーキ、ケバブ(串焼き料理)・・・と並べるのではなく、牛肉ステーキ、豚肉ステーキ、エビのケバブ、マグロのケバブ、鶏肉のケバブ、といったように材料が見て分かるようになっています。
セウタ料理はアラブ風・モロッコ風に香辛料を多く使う料理が多く、スペインと同じメニューを注文してもアラブのフレーバーが漂うこともしばしば。アラブ諸国の料理が好きでビールも好きという旅人には、セウタの旅は朗報でしょう。そして美味しい海鮮が目白押しなので、魚好きの日本人の味覚にも、セウタは期待に応えてくれますよ。
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