ポイキーコース

ポイキーコース

南部アフリカの食文化の多大な基礎を作ったのはオランダ。スエズ運河がない時代、欧州からアジアへ行く船は必ずケープタウンを経由しましたから、オランダ人入植者は補給用の食糧やワイン類の生産も含めて南アの地を豊かな国際市場に発展させました。ところで日本で「ダッチオーブン」とは調理愛好家に人気の厚い鉄鍋で、キャンプやグランピングでもよく使われる鍋ですよね。その「ダッチ」とはオランダのこと。ダッチオーブンが南部アフリカにもたらした厚い鉄鍋が、この料理名でもあるポイキーコースです。キャンプ経験が豊富な人は「ペラペラ薄いコッヘルでカレーを作ってもそこまで美味しくないが、厚い鍋で作ると非常に美味しい」と言います。具への熱の入り方も全然違うし、何より手入れされた鉄鍋で作る料理は味が抜群です。具がとろっとろにほぐれるように煮えて、これはごちそうです。ポイキーコースは単に鍋の名前なので具や味付けに決まりはないので、好みで自由に作れるのも良いです。でもこの「マトンカレーポイキー」は南アのケープマレー料理の風味がして、おすすめです!

材料

4~6人分):

かぼちゃ
1/4個
じゃがいも
4個
さといも
じゃがいもと同量
玉ねぎ
1個
羊肉
500 g
トマト
2個
サラダ油
大3
クミンシード
小1
チューブ生姜(※1)
小1
チューブにんにく(※1)
小1
大1/2
こしょう
小1/3
ターメリック
大1/2
クローブホール
5粒
シナモンスティック
1本
ベイリーフ
2枚
約500 mL(※2)
カレー粉
大1
カイエンペパー
小1/4~1/2
ガラムマサラ
小1/3
  • ※1:チューブ生姜とチューブにんにくは現地のジンジャーガーリックペーストに相当します。
  • ※2:水は具が浸る量を使います。

調理時間

作り方

  1. <材料の準備>かぼちゃは皮をむいて大きめに切り、じゃがいもとさといもは皮をむいて大きめに切り、玉ねぎは粗みじん切りにし、トマトは1.5 cmくらいの角切りにし、羊肉は食べやすい大きさに切っておく。
  2. <屋外で火を起こす>キャンプ風に、薪や炭を燃やして火を起こす。
  3. <鍋調理開始>鍋を火にかけてサラダ油を入れ、熱くなったらクミンシードを入れ、パチパチとはじけてきたらチューブ生姜とチューブにんにくを入れて混ぜ、羊肉、塩、こしょう、ターメリックパウダーを入れて炒める。
  4. 肉をよけて玉ねぎ、クローブホール、シナモンスティック、半分に切ったベイリーフを入れ、玉ねぎの上に肉をかぶせ、玉ねぎに火が通るように炒める。
  5. トマト、かぼちゃ、じゃがいも、さといもを入れ、具が浸る量の水を入れる。
  6. カレー粉、カイエンペパーパウダーを入れ、鍋底が焦げないように時々返しながら30分ほど、あるいはイモ類に火が通るまで煮る。
  7. 味見をして塩加減や旨味加減を好みに調える。(肉系の旨味が足りないときはビーフコンソメの素などを加えてよい。)
  8. 仕上げにガラムマサラを入れて全体を混ぜて出来上がり。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ポイキーコースは現地の3本足の厚い鉄鍋のことで、日本の道具で良い代用になるのは、ダッチオーブンか、囲炉裏(いろり)や火鉢で使うような日本の伝統的な鉄鍋です(日本の鉄鍋も3本足です)。ここでは後者を使用しています。さらに代用を求めるなら、厚手の煮込み用の鍋がよいです。
  • ポイキーコースは基本的に屋外で作られる料理で、ここでも薪を燃やして火を起こすレシピとしました。実際はロケットストーブを使用しています。代用はガスコンロやIHコンロです。ただし鍋もコンロも普通のものになってしまうと流石にその料理をポイキーコースとは呼べなくなるので、せめてキャンプ風にアウトドアで調理する要素は取り入れたほうがよいと思います。
  • ポイキーコースは鍋の名前なので、具や味付けに決まりはなく、自由に作っていただけます。トマトベース、グレイビーベース、カレーベースなどが多く、味付けは濃厚にしっかり作られる傾向があります。
  • かぼちゃを入れると具の甘味が強くなるので、汁はスパイシーに作るとよく調和します。
  • 鍋に入る水の量を最初に計り、具を半分強、水を半分弱(2:1くらい)として、具の総量を決めるとよいです。
  • 羊肉は塊がよいですが、ジンギスカン用の薄切り肉でもよいです。なければ牛肉や豚肉で代用できます。
  • さといもは現地でマドゥンビ(Madumbi)と呼ばれる材料に似ているものです。その他の具としては、なす、マッシュルーム、にんじんなどを加えてもよく、生のトマトをトマト缶に変えてもよいです。
  • 一緒に食べるものは、白いごはんやパップ(トウモロコシ粉を湯で練ったもの)など。

Tips about cuisine

  • 「ポイキーコース」の南部アフリカ諸国での綴りは「Potjiekos」。
  • 「ポイキーコース」(Potjiekos)の略称・愛称は「ポイキー」(Potjie)。
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