パスタ

  • ロシア料理

  • 現地表記

    :Паста(ロシア語)、П1астэ(北コーカサスの綴りの1つ)

  • 概要

    :とうもろこし粉を湯で練ったもの

パスタ

パスタ

ロシアの北コーカサスを旅して出会った「パスタ」という主食があります。それはスパゲティのパスタ麺ではなく、とうもろこし粉やキビを湯で練ったものでした。ゆるく練ったどろどろを食べるより、冷えたら切り分けられるようにある程度硬めに作られることが多そうでした。これならパンのような位置づけの主食になるのが良いですね。現地の市場に行くと食堂では大きな大きなボウルにパスタが入っていて、お客の注文に応じてその都度切り分けていて、是非自分でも作りたいと思ったものです。大航海時代以前はキビで作り、コロンブスがとうもろこしを持ち帰ったあと、16世紀くらいからは欧州にとうもろこしも普及しました。北コーカサスのパスタはイタリアのポレンタと同じ文化なので、今回は輸入食材店で手に入るポレンタの粉(とうもろこし粉)を使って作っています。これとは別にキビでも作ってみようと思います。

材料

4人分):

ポレンタの粉(※1)
200 g
600~800 mL
  • ※1:ポレンタの粉はとうもろこしの顆粒状の粉で、輸入食材店などで購入できます。

調理時間

(加熱時間が短いタイプの場合)

作り方

  1. ポレンタの粉のパッケージを読み、粉と水の比率、加熱時間を確認する。粉と水の比率が1:4だったら少なめに1:3で始めるなど目安をつける(このレシピは1:3にしている)。
  2. ポレンタの粉を容器に量りとり、鍋に水を入れて強火にかけて沸かす(ここでは粉:水=1:3を目安に水600 mLとしている)。
  3. 沸騰したら中火に落とし、ポレンタの粉を大さじ1杯くらい(適当量でよい)パラパラと入れて木べらで素早く全体を混ぜ、続いて残り全量を入れて木べらで素早く全体を混ぜてダマをなくす。
  4. しばらく待ってふつふつしてきたら、ヘラで力をかけて練る。一部分をヘラ全面を使って押しつけながらすりつぶし、別の部分を押しつけながらすりつぶし、これを繰り返して全体を練る。ゆるくしたい場合は水を足す。
  5. 個別の容器に入れてもよいし、大きな器にまとめて入れてもよい。フタをして室温に冷ます。
  6. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • とうもろこしの粉には、コーンミール、コーングリッツ、コーンフラワーのように様々な名前の商品があるのですが、ポレンタの粉は加熱時間が短くても上手に作れるように事前加熱処理してある商品であることが多く、よってほとんど失敗しませんし、主食になる味わいも安定しているので、各種とうもろこし粉の扱いに慣れないうちはポレンタの粉を推奨します。
  • ポレンタの粉はメーカーによる差異が大きいため、最初にパッケージを読んで、1)粉:水の量、2)加熱時間を事前確認し、それよりも水の量を少なく、加熱時間は長く作るようにします。
  • 今回の調理では、パッケージ記載が、粉:水=1:4、加熱時間2分だったので、粉:水=1:3とし、5分間加熱しています。
  • 粉:水の比率が1:3くらいだと固まったときにケーキ状の固形になると思います(メーカーによる)。
  • ただ混ぜるだけでなくポレンタの粉からデンプン質を引き出すように力をかけることで、出来上がりがもちもちと美味しくなります。
  • 加熱時に硬いと思ったら水を足すことができます。鍋の中ではゆるくても冷えれば意外に固形状に固まります。
  • 容器に移したとき、水か油を塗った手で表面を平らにならすとよいです。
  • 個別容器に入れた場合はそのまま食べることもできますが、硬くケーキ状に作った場合は皿にひっくり返して乗せて、糸や針金で切るときれいです。

Tips about cuisine

  • 「パスタ」のロシア北コーカサス地方の現地の綴りは「П1астэ」。北コーカサスの諸民族の綴りの1つで、カバルダ語かアディゲ語あたりではないかと思われるが詳細未検証。コーカサス諸語は欧米の言葉よりも子音が多く、昔アラビア文字で書かれていた時代の「ف」と「ڢ」がそれぞれ「П」と「П1」として使い分けられており、音価はそれぞれ「p」と「ph」である。
  • 北コーカサスがロシアに併呑されてロシア語文字に当てたとき、「パスタ」はロシア語(ロシアの公用語)の綴りとして「Паста」になったと思われる。
  • 「パスタ」の語源は不明だがラテン古語や古代ギリシャ語にもパスタがあり、粉と水を混ぜたペースト状のもの、練ったもの、練り固めたもののような意味がある。


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