ムルゾーキュリー

  • フランス料理

    ベルギー料理

  • 現地表記

    :Moules au curry(フランス語)

  • 概要

    :ムール貝のカレー

ムルゾーキュリー

この料理に20文字程度でキャッチをつけるなら「世界一の美食国家で調理人技術が輝くカレー」です。フランス料理の特徴はソースに凝ることにあり、このカレーも一口食べたその瞬間「ソースが美味しい!」の声から始まります。メイン食材はムール貝。和名ではしばしばカラスガイと呼ばれる貝です。フランス料理といえばバゲット(フランスパン)で、このカレーにはムール貝の旨味がずば抜けて引き出されており、そのクリーミーなムール貝味のカレーソースをバゲットですくっていただくと、バゲットが美味しく進んでしまいます。辛いものが苦手なフランス人の繊細な料理だけあってこのカレーには唐辛子が入らないので、辛いものが苦手な方には最適なカレーの1つです。カレーを作るのに白ワインを使っている。すなわちこのカレーは白ワインによく合います。是非、調理開始の前にはワインを冷蔵庫で冷やすところから始めてみましょう。

材料

4人分):

ムール貝
500 g~1 kg(※1)
香味野菜の茎(※2)
少々(※2)
薄力粉
大1
水(薄力粉用)
大1
玉ねぎ
1/2個
にんにく
1かけ
バター
30 g
白ワイン
150 mL
ベイリーフ
1枚
生クリーム
150 mL
カレー粉
小2
クローブパウダー
小1/8
ターメリック
小1/2
クミンパウダー
小1/4
こしょう
小1/4
  • ※1:ムール貝は殻がついているものを使います。重さは殻つきのものです。
  • ※2:香味野菜の茎はブーケガルニとしての役割で加えます。ここではセロリの細い茎とパセリの茎を2本ずつ使いました。

調理時間

作り方

  1. ムール貝を冷水に浸けておく。
  2. 香味野菜の茎を縦2つ割りに切る。
  3. 小さな容器に薄力粉と水を混ぜ、水溶き薄力粉を作っておく。
  4. 玉ねぎとにんにくをできるだけ細かいみじん切りにする。
  5. ムール貝の汚れを水中に振り落としながら取り出し、ザルにあけておく。
  6. カレーを作る鍋にバターを入れて中火で熱し、融けたら玉ねぎとにんにくを入れ、焦げないようにゆっくりと炒める。
  7. 香りが出てきたら白ワインを入れ、香味野菜の茎、ベイリーフを入れ、全体を混ぜる。
  8. ムール貝を殻ごと入れて強火にし、フタをして3分(または貝の口が少し開いてくるまで)加熱し、白ワイン蒸しにする。
  9. 火を止めて、香味野菜の茎とベイリーフを取り除いて捨てる。
  10. 鍋を傾け、ムール貝の中の蒸し汁をなるべく落としながらムール貝をボウルに取り出す。
  11. 鍋の中の蒸し汁を確認し、殻のかけらなどを見つけたら取り除く。
  12. 鍋に生クリームとカレー粉を入れ、ごく弱火で混ぜ、熱くなったら水溶き薄力粉を細くたらし入れ、弱火で混ぜる。
  13. クローブパウダー、ターメリックパウダー、クミンパウダー、こしょうを入れて混ぜる。
  14. (なめらかなソースが好みならここでハンドブレンダーにかけて玉ねぎを粉砕する。写真のソースもそうしています。)
  15. 味見をして塩加減やクリーミー加減やスパイス加減などを好みに調え、水溶き薄力粉を加えて混ぜてとろみをつける。
  16. ムール貝を鍋に戻し入れ、全体を軽く和える。
  17. 盛り付けるときは、カレーソースを皿に敷き、貝殻から身を外して貝殻に戻してソースの上に置く(こうすることでナイフとフォークで食べやすくなる上、口が開かず食べられない貝を除去できます)。
  18. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ムール貝は日本の磯で採る場合はイガイやカラスガイと呼ばれていることもあります。
  • 日本の磯で採った場合、貝殻に藻がついているので、ナイフで藻をこそぎ落とした状態のものを使います。
  • 香味野菜の茎は、そのほかお気に入りのハーブの茎を加えてもよいです。
  • 唐辛子を加えて作るレシピもあります。その場合は現地ではエスペレット唐辛子(ピマンデスペレット、Piment d’Espelette)というバスク産唐辛子が好まれています。
  • 貝から塩分が出るので塩を加えないで作っていますが、味見をして好みで塩を足してもよいです。
  • 貝から塩分が出て味が尖っていると感じた場合は、砂糖を少々加えて調えるとよいです。
  • 貝を蒸すのは3分!加熱時間が長いと貝の身がごく小さく縮んでしまいます。3分蒸しにし、身に旨さを残します。
  • 生クリームを入れたあとはごく弱火にします。火加減が強いとタンパク質が凝固してぼそぼそになってしまいます。
  • ソースもまた主役の料理なので、パンでぬぐって食べやすいよう、平皿に盛りつけます。
  • 食べる人が素手でも抵抗がないならば、盛り付けるときに貝殻から身を外す作業は省いてよいです。そのときは、指を洗うためのフィンガーボウルを卓上に用意します。
  • 是非バゲット(フランスパン)を用意し、皿に残るソースを残さずぬぐって召し上がってみてください。

Tips about cuisine

  • 「ムルゾーキュリー」のフランス語(フランス、ベルギーの公用語)の綴りは「Moules au curry」。
  • 「Moules」(ムール)はムール貝、「au」(オー)は方向性を指す単語である「à」(ア)と男性名詞の定冠詞である「le」(ル)の縮約形であり、「Curry」(キュリー)はカレーの意味である。よって「Moules au curry」(ムルゾーキュリー)は「ムール貝のカレー」という意味である。
  • フランスではブルターニュ地方など大西洋沿岸部の料理である。
  • ムール貝は和名としてカラスガイ(カラス貝)とも呼ばれる。
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