キャロットラペ

キャロットラペ

キャロットラペはにんじんを細く長く金具でおろして作る(あるいは千切りの機械で作る)フランスの定番のサラダです。カフェやスーパーのデリで必ず見かけると言っても過言ではないくらい、そして家庭料理の定番と言っても過言ではないくらい、普遍的に愛されています。千切りが簡単に作れるスライサーがあると、スライスに5分、調味料を和えるのに5分と、とても短時間で作ることができます。包丁で千切りにすると合計時間15分くらいでしょうか。美味しいにんじんで作ると甘さを加えなくても十分に甘い。そういう点でこのサラダはにんじんの魅力を最大限に引き出した名菜です。なおこのレシピでは、すべての調味料をにんじんの重さを基点とした相対分量で規定しました。そうすると、今あるにんじんの重さに合わせて調味料が確実に加減でき、いつでも美味しいキャロットラペを作ることができるのです。

材料

4人分):

にんじん
350 g(※1)
7 g(小1強、※2)
オリーブオイル
14 g(大1、※2)
酢(※3)
14 g(大1、※2)
マスタード(※4)
4 g(小2/3、※2)
白こしょう(※5)
1 g強(小1/4、※2)
  • ※1:にんじん350 g(およそ2~3本分)としましたが、冒頭ならびに下のコツの文章のように、にんじんの量が変わっても調味料の分量を変えられるので、にんじんは好きな量を使ってよいです。
  • ※2:塩はにんじんの2%、オリーブオイルと酢は塩の2倍、マスタードは塩の半量、白こしょうは塩の1/5量として計算した値です。
  • ※3:酢は白ワインビネガーがあれば使います。日本の酢でもよいです。
  • ※4:マスタードはディジョンマスタードなどなめらかなものを使います。
  • ※5:白こしょうを使うときれいに仕上がります。なければ普通のこしょうでよいです。

調理時間

(スライサーを使わない場合)

作り方

  1. にんじんの皮をむいてヘタと先端を切り落とし、長さを半分に(大きいサイズのにんじんなら3等分に)切る。
  2. 1~2 mmの厚さに切り、1~2 mmの千切りにし、ボウルに入れる。
  3. 塩をにんじんの2%入れ(にんじんが350 gなら7 g)、菜箸で塩が全体に均一になじむように混ぜる。
  4. その間に別のボウルにオリーブオイルと酢を塩の2倍ずつ(塩が7 gなら14 g)、マスタードを塩の半分、白こしょうを塩の1/5(塩が7 gなら1 g強)を入れ、菜箸で混ぜてマスタードを溶いておく。
  5. にんじんを手のひらに乗せて両手のひらでぎゅっと押し、余計な水分を押し出して捨て、にんじんを調味料のボウルに入れ、全体を均一に混ぜたら出来上がり。
  6. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 調理時間を20分としました。内訳は、丁寧ににんじんを千切りにするのに15分、調味料と和えるのに5分です。もし千切りスライサーを使ったら5分で千切りが終わるので、合計調理時間は10分程度と短くなります。
  • 例えばにんじんが300 gあったとき、「塩は300の1/100の2倍だから6 g」とまず計算します。オリーブオイルと酢はその2倍です(12 g)。マスタードは塩の半分です(3 g)。白こしょうは塩の1/5です(1 gちょい)。よってにんじんの量を最初に決める必要がなく、にんじんの量に合わせて調味料を変えます。
  • にんじんを塩と和えたら、洗い物をしたり調味料を出したりして、少し時間を置きます。そうすると塩がにんじんをしんなりさせるので、にんじんをぎゅっと握っても折れなくなります。
  • 調味料は好みで加減できますが、この配合だと、和えた後でも調味液が遊離せず、にんじんとなじんだままになります。
  • 作りたても美味しいのですけど、調味液がなじんだ後のほうが一層美味しいと思います。
  • レーズンを加えるレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「キャロットラペ」のフランス語(フランス、モナコ、スイス、ベルギーの公用語)の綴りは「Carottes Râpées」。
  • 「Carottes」(キャロット)はにんじんの意味(複数形)、調理における「Râpées」(ラぺ)はしりしり器のような道具で千切り状態に切るという意味の「Râper」(ラペール)の過去分詞形で「千切りにおろした」という意味。なお「Râper」(ラペール)の過去分詞形にはRâpé(男性単数)、Râpés(男性複数)、Râpée(女性単数)、Râpées(女性複数)があるがにんじんが女性名詞で「Carottes」と複数形をとるのでRâpéesとなる。よって「Carottes Râpées」(キャロットラペ)は「にんじんを金具で千切りにしたもの」のような意味になる。道具を意図しなくてよいのなら、細く長い形状から(包丁で切ったわけではないが細く切れた形状を指して)「にんじんの千切り」と訳すこともできる。
  • 「金具で千切りにおろす」とは変な日本語だが、英語のグレート(Grate)、その道具であるグレーター(Grater)に相当する。包丁の千切りとも千切りスライサーとも違い、「にんじんしりしり器」あたりが近い道具となる。日本の調理では普遍的な道具ではないため日本語に適切な訳語がないが、食材が細く長い形状になるので、日本語では(包丁で切ったわけではないが細く切れた形状を指して)「千切り」と訳すのが無難である。


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