ヴェリコノチュニーナーディフカ

  • チェコ料理

  • 現地表記

    :Velikonoční nádivka(チェコ語)

  • 概要

    :パンとハムと青菜と卵の焼き物

ヴェリコノチュニーナーディフカ

欧州(ヨーロッパ)の主要宗教であるキリスト教には、宗教にもとづく「特別な日の料理」というものがたくさんありますね。チェコの例では、ヴェリコノチェ(復活祭、イースター)は食文化の点でも重要で、復活祭前の1週間を聖週間と呼びます。灰の水曜日には掃除をし(煙突があればスス取り)、緑の木曜日には青菜料理を食べ、それから大きい金曜日(キリストの死を悼み厳格に断食を行う)、白い土曜日(復活祭の日曜日に向けて祝いの席の準備をする日)など。私はヨーロッパに住んだことがないので住民の立場から体験したことはないのだけど、それならば自宅で復活祭に関連する料理を作っていこうと思いました。「ヴェリコノチュニーナーディフカ」は、その「白い土曜日」に食べるお肉や野草の焼き物です。伝統的にはウサギ肉やイラクサを使うのですが、現代版ではハムやほうれんそうにも置き換わっています。ロンドンに住むチェコ人友人もスーパーで買える食材で作ると言っていて、それならば、このレシピは、日本の家庭でも作れるチェコの宗教行事料理という位置づけで、良いものと思います。一口食べて「すっごい優しい味」と思い、嬉しくなりました。ふわふわで、とても美味しかったです。春を待ちわびる人々の喜びを感じる美味しさでした(※復活祭は春)。

材料

21×16×4 cmの耐熱容器1つ分):

パン(※1)
150~180 g(※2)
牛乳
100 mL
ほうれんそう
150 g
ブロック状のハム
200 g
小ネギ
刻んで大4
バター
大2
4個
ベーキングパウダー
小1/2
小2/3
こしょう
小1/4
オールスパイス
小1/5
ナツメグ
小1/5
生クリーム
大2
  • ※1:パンの種類は問わない。前日の残りのパンなどを使っても構わない。ここでは自宅で焼いた食パンの翌日の残りを使用しています。
  • ※2:パンがハードで牛乳を吸っても体積があまり減らなさそうな場合は150 g、ふわふわで牛乳を吸うとしぼみそうなら180 gくらいを目安にします。なお市販の6枚切り食パン1枚がおよそ65 g、8枚切り1枚が50 g弱です。
  • ※3:

調理時間

(焼けたあとの待ち時間を除く)

作り方

  1. パンを1.5~2 cm角に切り、ボウルに入れ、牛乳をまんべんなくかけて混ぜ、しみこませる。
  2. 小鍋に湯を沸かし、ほうれんそうを入れて色よくゆで、緑色が鮮やかなうちに冷水にとってさらしておく。
  3. ハムを1 cm角に切り、小ネギを小口切り、ほうれんそうを絞って粗みじん切りにする。
  4. 耐熱容器にクッキングシートを敷くかサラダ油(分量外)を塗る。
  5. オーブンを180℃に予熱開始し、小皿にバターを乗せてオーブンの近く(または上)に置いて溶かす。
  6. 卵を割って卵黄と卵白を分け、卵白をハンドブレンダーで撹拌してやや固いメレンゲにし、卵黄を加えて撹拌し、ベーキングパウダー、塩、こしょう、オールスパイスパウダー、ナツメグパウダー、生クリーム、溶かしバターを加えて撹拌し、味見をして塩加減などを好みに調える。
  7. パンを軽く押して(押したほうが戻るときに卵液が入るため)卵液に入れ、ハム、小ネギ、ほうれんそうを入れてヘラで全体を均一に混ぜ、耐熱容器に入れ、耐熱容器を数cm高さの位置から床に10回くらい落として空気を抜き、180℃のオーブンで40分焼く。
  8. 菜箸を刺して生の卵液がついてこなければ取り出し、室温に30分以上置いて、生地が落ち着いてから切り分け、いただきます。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 現地では独自のロールパンを使うレシピが多いのですが、日本に同じものがないので、パンの種類は問わずに作るレシピとしました。
  • パンの組織にまんべんなく牛乳がゆきわたるよう、パンに牛乳をしみこませる工程を一番最初に行います。
  • パンの種類によって牛乳の吸い方が変わるので、あまり牛乳がゆきわたっていないようなら追加してもよいです。
  • 現地ではイラクサを使うので、日本でならスイバという野草を使うのが最も似ています。市販品ではほうれんそうが最も似ています。
  • 卵をメレンゲにして焼くことでとてもふんわりした仕上がりになります。メレンゲにしないレシピもあります。
  • メレンゲを作って焼くと、微小な気泡により表面がざらざらしたように見えるので、途中表面を観察し、ざらざらしている感じが気になるなら溶き卵(分量外)をハケで塗るか、パン粉をまぶして焼きます。
  • ハムの代わりにゆでた鶏肉やうさぎ肉を使うレシピもあります(復活祭で食べるときは特にそのようにされる)。
  • ブロック状のハムがない場合は薄切りハムやベーコンで代用できます。

Tips about cuisine

  • 「ヴェリコノチュニーナーディフカ」のチェコ語(チェコの公用語)の綴りは「Velikonoční nádivka」。
  • 「Velikonoční」(ヴェリコノチュニー)はキリスト教行事の復活祭を意味する「Velikonoce」の活用形で、もとは「Velké」(ヴェルケ、大きい)と「noci」(ノチ、夜)に由来する。「Nádivka」(ナーディフカ)が英語のStuffingに相当する単語で「詰めて焼くもの」の意味。ただしこの料理は鶏の腹や腸の皮に何かを詰めるような料理ではないので詰め物とは訳さず、「復活祭の焼き物」くらいに訳しておくとよい。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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