テレティナサクロンピロン

テレティナサクロンピロン

ヨーロッパと言えば主要宗教はキリスト教ですが、ムスリム(イスラム教徒)の比率が高い国も稀に存在します。それがアルバニアやボスニア・ヘルツェゴビナです。そういうヨーロッパの国の料理を作るなら、イスラム教の行事食を作ってみたいなと思いました。さてイスラム教の大事な行事には、毎年およそ1か月にわたる「断食月」(ラマダン)があり、日の出から日没までは飲食をせず、日没後より1日分の料理を食べる期間があります。ボスニア・ヘルツェゴビナでは断食月にはよく「テレティナサクロンピロン」が作られると聞き、私も異宗教への理解を深めようと思い、作ってみました。本当は「ペカ」等と呼ばれるフタつき鉄鍋で、鍋の下のみならずフタの上にも熱い炭を置いて中の具を焼くのですが、日本の家庭にはそういう道具はないので、オーブンを使った「ペカもどき調理」です。でもお肉もじゃがいもも柔らかくて優しい味わいで、美味しいと思いました。

材料

4人分):

牛かたまり肉
500 g
小1
ベイリーフ
3枚
黒こしょう粒
10粒
じゃがいも
4個(※1)
玉ねぎ
大1個
バター
大1
顆粒コンソメ(※2)
小2/3
粉砕した唐辛子(※3)
小1/4~1/3
パプリカパウダー
小1/2
  • ※1:じゃがいもは500 g台くらいを想定しています。
  • ※2:顆粒コンソメは現地のベゲタという野菜ブイヨン系調味料の代用です。「野菜コンソメ」のように記載されている商品を使うと良い代用になります。
  • ※3:レッドペパーなどの商品名で市販されているものがよいです。日本の一味唐辛子を使う場合は辛さが強すぎるおそれがあるので使用量を減らすなどします。

調理時間

作り方

  1. 牛肉を3~4 cm角くらいに切り、浅い鍋かフライパンに敷き詰め、お肉が少しだけ水面から出るくらいの水(分量外)を入れ、塩の半量(小さじ1/2)、ベイリーフ、黒こしょう粒を入れて強火にかけ、沸騰したら中火にし、水が最初の半分に減るまで肉を煮る。水が半量に減ったら火を止める。
  2. その間にじゃがいもの皮をむいて食べやすい大きさに切り(くし形や一口サイズなど)、耐熱容器に入れてフタをして電子レンジで加熱し(500 Wで10分くらい)、そのままでも食べられる程度に火を通しておく。
  3. その間に玉ねぎを千切りにしておく。
  4. オーブンを200℃に予熱開始。
  5. オーブン耐熱皿に肉を敷き、塩の残り半量(小さじ1/2)をふりかけ、バターをところどころに落とす。
  6. 鍋に残った肉のゆで汁に、じゃがいも、玉ねぎ、顆粒コンソメを加えて強火にかけ、玉ねぎがしんなりしたら味見をし、煮汁が煮詰まったときに肉やじゃがいもが美味しく食べられるような塩加減にする。
  7. 鍋の中身を肉の上にかけ、レッドペパーとパプリカパウダーをふる。
  8. アルミホイルを2重にかけてフタをして、200℃のオーブンで60分あるいは水分がなくなる寸前まで焼く。
  9. (オプション)(肉の焼き色を良くしたい場合は取り出してじゃがいもを下に肉を上に盛り直してフタをせずに最高温度で好みの焼き色がつくまで焼く。)
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 現地の調理ではじゃがいもを電子レンジ加熱しませんが、家庭用オーブンでは現地の上下炭火焼きのような火の通し方ができないので、生焼けを防ぐために電子レンジを補助的に使いました。
  • 顆粒コンソメは現地の「ベゲタ」という調味料の代用です。ベゲタは野菜ブイヨンを主体としているので、例えばマギー野菜コンソメなど野菜主体の製品を使うと良い代用になります。
  • オーブンで加熱しながら煮汁の量の状態が観察できるよう、ガラス製の耐熱容器を使うと便利です。

Tips about cuisine

  • 「テレティナサクロンピロン」のボスニア語(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の公用語の綴りは「Teletina sa krompirom」。
  • 「Teletina」(テレティナ)は牛肉、「sa」(サ)は英語のwithと同じで「~~と」、「Krompirom」(クロンピロン)はじゃがいもの意味。よって「Teletina sa krompirom」(テレティナサクロンピロン)は「牛肉とじゃがいも」という意味になる。


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