サムゲタン

  • 韓国料理

  • 現地表記

    :삼계탕(ハングル文字)

  • 概要

    :高麗人参(朝鮮人参)やもち米を詰めた鶏のスープ

サムゲタン

暦には「三伏」(韓国語でサンボク)があり、夏至から3番目の庚(かのえ)を初伏(チョボク)、4番目の庚を中伏(チュンボク)、立秋後の最初の庚を末伏(マルボク)といい、この3つの日を合わせて「三伏」(サンボク)ないし「伏日」(ポンナル)と呼びます。旧暦に基づくので年によって変動するけれど、2021年の場合はそれぞれ7/11、7/21、8/10であることから分かるように、この時期は一年で最も暑い時期で、「伏」の字は暑すぎて犬もへばるという意味らしい。日本ではこの時期に土用のウナギを食べるように、韓国では「サムゲタン」を食べるのです。三伏のみならず、暑いな~とか、疲れたな~というときにはぴったりのレシピですね。お店で朝鮮人参を買ったら冷蔵庫に入れておいて、力をつけたいときにアツアツのサムゲタンを試してみませんか。本当は鶏1羽を使う料理なのだけど、なかなか売っていないし、売っていても高いし、取り扱いが難しいので、ここでは足(脚)だけを使うことで、現実的に日本の家庭で作りやすいレシピとしました。

材料

2人分):

もち米
1/2 C(※1)
骨つき鶏もも肉
2本
高麗人参(※2)
小1本(※2)
にんにく
小さめを2かけ
生姜
にんにくの半量
なつめの実
4個(※3
小1/2(※4)
長ねぎ
2~3 cm
  • ※1:もち米は、鶏肉の大きさにより使用量が変わります。鶏肉が小さいと余るかもしれませんが、1/2 Cを用意しておきます。
  • ※2:高麗人参は韓国料理食材店や中華街などで購入できます。
  • ※3:なつめの実はデーツではありません(デーツはなつめやしの実)。間違えないように。なければ省きます。
  • ※4:鍋の大きさによって水の量が変わるので塩の量も変わります。最初小さじ1/2を入れ、あとで味見をして増やします。

調理時間

:4 時間 30 分(もち米の吸水時間を除く)

作り方

  1. <調理開始の1時間前>もち米を洗い、水に1時間ほど浸けておく。
  2. <調理開始>骨付き鶏もも肉の、もも(太もも)の側から、骨の際(きわ)で肉を切り離すようにキッチンばさみを入れる。数cm骨と肉を離しては肉を外にむけてめくり、更に足先のほうを切り、これを繰り返していくと、骨がすべて抜けるので、骨を取り外したらめくった肉を元に戻す。
  3. 高麗人参をぶつ切りまたは薄い輪切りなど好みに切り、にんにくの薄皮をむき、生姜を薄切りにしておく。
  4. もち米をザルにあげて水を切り、ボウルに入れ、高麗人参、にんにく、生姜、なつめの実もボウルに入れる。
  5. 袋状になっている鶏肉2つに、ボウルの中身を均等に詰める。
  6. タコ糸か縫い糸で鶏肉を閉じるか、なければつまようじや竹串で閉じる。
  7. 鍋に鶏肉を重ならないように入れ、鶏肉の高さの8割くらいの高さまで水を入れ、塩を入れ、中火にかけてゆっくり沸騰させ、沸騰したらフタをしてごく弱火で1時間ほど煮る。
  8. 味見をして塩加減を好みに調え、フタをして2時間くらい室温に置いて、再び同様に1時間ほど煮る。
  9. その間に長ねぎを刻んでおき、盛り付けたあとにトッピングして出来上がり。
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 調理時間の4時間30分の内訳は、鶏肉から骨を取って具を詰めるのに30分、ゆで時間が2回で2時間、その間の放置が2時間です。よって手間がかかるのは最初の30分だけです。
  • 高麗人参は、細いものが1人1本入るとよいですが、輪切りが数枚でも使えればよいので、せめて小さいものが1本あるとよいです。
  • 鍋帽子などの保温性が高い道具がある場合は、1時間ほど煮て塩加減を調えたあと、鍋帽子で半日くらい置いておくと美味しく出来上がります。
  • こしょうや松の実を加えるレシピもあります。
  • 鶏肉の大きさによっては米が全量入らないかもしれないので、その場合は残った汁に、取り出した骨ともち米を入れて煮てスープにすると美味しいです。
  • ねぎをたっぷり乗せるレシピもあります。
  • 写真は器によそったあとで写真撮影用にお肉を切り開いています。切り開かなければ鶏肉しか見えません。
  • 食べるときまでタコ糸などを外さない場合は、食べる人に糸があることを伝えてください。

Tips about cuisine

  • 「サムゲタン」のハングル文字(韓国で使われる文字)での綴りは「삼계탕」。
  • 「サムゲタン」を昔韓国で使われていた漢字で表記すると「蔘鷄湯」。
  • 「サムゲタン」のマッキューン=ライシャワー方式による音価は「samkye-t’ang」。
  • 「삼」(サム、蔘)はにんじんの意味(人参の参)で、高麗人参(別名朝鮮人参)を指す。「계」(ゲ、鷄)は鶏肉の意味、「탕」(タン、湯)はスープの意味。よって「삼계탕」(サムゲタン)は「高麗人参(朝鮮人参)と鶏のスープ」を意味する。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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