アクアパッツァ

  • イタリア料理

  • 現地表記

    :Acqua pazza(イタリア語)

  • 概要

    :魚をトマトと塩と水で煮る料理

アクアパッツァ

アクアパッツァは元はイタリアのポンツァ島の漁師料理とのことで、カプリ島(青の洞窟で有名な島)でファッショナブルな名物料理となりました。カプリ島の最寄りの大都市にはナポリがあり、ナポリのレストランでも提供される料理です。名前の由来の一説として、もとは遠くトスカーナの農園の小作人が作ったワインを地主にほとんど提出したために自分たちが飲むワインがなく、ワインの搾りかすやブドウの種などを水で煮て発酵させて作る「粗悪なワインもどき」を作り、それは「きちがいの水」とか「クレイジーな水」という意味合いをもつ「アクアパッツァ」と呼ばれました。一方で、ポンツァ(イタリアの島)の漁師はその日に獲れた魚を海水、トマト、オリーブオイルでソテーするように煮るところ、トマトの赤い色が出た煮汁の色が例の「粗悪なワインもどき」に似ていたので、その魚料理を「アクアパッツァ」と呼ぶようになりました。トマトが完熟で美味しい夏~秋に作ると、アクアパッツァは本当に美味しいと思います。また、日本では貝を加えるレシピばかりを見かけますが、現地の本当のアクアパッツァは貝を加えないので、このレシピでも加えていません。

違う文化。イタリアのアクアパッツァ、日本のアクアパッツァ

材料

4人分):

魚(※1)
大きめ1尾
小1/2
オリーブオイル
大3
にんにく
4~8かけ
トマト(※2)
2~3個
白ワイン
50 mL(※3)
100 mL(※3)
イタリアンパセリ
仕上げに乗せる量
  • ※1:トマト煮に合うよう白身魚がよいです。お刺身クオリティーのものを使います。写真は800 gくらいのイトヨリを使っています。お刺身にできる鮮度の切り身の魚でもよいです。
  • ※2:トマトの美味しさが大事なのでトマト缶は使わず、美味しそうなフレッシュトマトを使います。チェリートマトなど旨味が濃いものがよいです。ミニトマトを使う場合は、300 gくらい用意するとよいです。
  • ※3:煮汁が魚の腹を出入りする量を使います。加えてみて、もう少し必要と思う場合は、白ワインと水を増やします。

調理時間

:45 分

作り方

  1. 魚のエラとウロコを取り除き、お腹に包丁を入れて内臓を取り出す。
  2. 内臓を取り出したあとのお腹の内部をキッチンペーパーで拭き取り、内部に塩を塗りつける。
  3. ぴったり合うフタがあるフライパンに、好みでクッキングシートを敷き(敷いたほうが皮がはがれずきれいに調理できる)、魚を乗せる。
  4. にんにくを軽く潰して入れ、中火にかけ、ときどきゆすりながら10分くらい炒める。
  5. その間にトマトを食べやすい大きさに切る。
  6. すき間にトマトを入れ、白ワインと水を入れ、お腹の中に煮汁が出入りできるだけの量があることを確認し(足りなければ白ワインと水を増やす)、フタをして30分弱火で煮る。途中煮汁を魚にかける。
  7. その間にイタリアンパセリをちぎるか刻んでおく。
  8. 味見をし、塩加減を好みに調える。
  9. イタリアンパセリを散らして出来上がり。
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 写真はトマト多めに作っています(美味しいので)。
  • トマトの皮が気になるなら湯むきしてもよいです。しかし本来これが漁師料理であることを想像すると、皮の湯むきは必須ではありません。
  • クッキングシート(あるいはくっつかないホイルシート)を使うと、魚の皮がはがれにくく、きれいに調理することができるので推奨します。
  • クッキングシートがない場合、取っ手の取れるフライパンを使うと、お皿に移さずに食卓に出せるので、きれいに見えます。
  • 炒めるときに唐辛子を加えるレシピもあります。
  • 魚を煮るときは骨までしっかり火が通るようにします。じっくり煮るほど美味しくなります。
  • 魚をひっくり返すときれいでなくなるので、煮汁に浸からない部分は蒸気の高温で火を通します。そのためにもぴったり合うフタが必要です。
  • 仕上げにオリーブを加えるレシピもあります。

Tips about cuisine

  • 「アクアパッツァ」のイタリア語(イタリアの公用語)の綴りは「Acqua pazza」。
  • 「Acqua」(アクア)は水、「pazza」(パッツァ)は「きちがい」や「クレイジー」の意味。よって意訳ではあるが「Acqua pazza」(アクアパッツァ)は「奇妙な色の煮汁の料理」という意味になる。
  • 名前の由来の一説として、もとは遠くトスカーナの農園の小作人が作ったワインを地主にほとんど提出したために自分たちが飲むワインがなく、ワインの搾りかすやブドウの種などを水で煮て発酵させて作る「粗悪なワインもどき」を作り、それは「きちがいの水」とか「クレイジーな水」という意味合いをもつ「アクアパッツァ」と呼ばれた。一方で、ポンツァ(イタリアの島)の漁師はその日に獲れた魚を海水、トマト、オリーブオイルでソテーするように煮るところ、トマトの赤い色が出た煮汁の色が例の「粗悪なワインもどき」に似ていたので、その魚料理を「アクアパッツァ」と呼ぶようになった。
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