カイマクチャイ

  • アフガニスタン料理

  • 現地表記

    :قیماق چای(ダリ語)

  • 概要

    :クリームを浮かべた緑茶由来のピンクミルクティー

カイマクチャイ

これはカシミールを中心とした地域の塩入りミルクティーのアフガン版。緑の茶葉からピンクの茶を作り、クリームが浮いたお砂糖入りのミルクティーになります。緑茶をピンクに変える工程はいざやってみると意外に簡単で、重曹入りお茶とは警戒心すら抱きますが、実はこれにより緑茶からココアのフレーバーが生まれ、ミルクとクリームと砂糖と組み合わせたときのリッチな味わいが激美味になります。本当は料理名のようにカイマク(牛から採った乳を遠心分離にかけて得るバターのようなクリーム)を使うのですが、日本の市販品には同じ品質のものがないため、ここでは市販の生クリームを使用するレシピとしました。是非温かく作って、目にも美味しいピンクミルクティーを飲んでみませんか。

材料


<カフワ(ピンクの元の濃厚液)の材料>(出来上がり約250 mL

500 mL
緑茶(※1)
大2
カルダモン
5さや
八角
2角(1/4個)
重曹
小1/5
小1/5
100 g

<ピンクミルクティーの材料>(2杯分

ピスタチオ(※2)
2つ
牛乳(※3)
350 mL
砂糖
大2
カフワ
大3
生クリーム
小2~大1
  • ※1:現地では中国緑茶で作りますが、日本の緑茶(煎茶など)でよいです。
  • ※2:ピスタチオ以外のナッツ類でもよいです(アーモンド等)。
  • ※3:牛乳は成分無調整等の美味しいものを使います。

調理時間

作り方

  1. <カフワ(ピンクの元の液)を作る>カルダモンのさやに包丁かハサミで切れ込みを入れる。
  2. 小鍋に水、緑茶の茶葉、カルダモン、八角(のうちの2角)、重曹、塩を入れて火にかけ、沸騰したら、弱くブクブクと泡が出る程度に火加減を落とす。
  3. ときどきお玉ですくっては落とす作業を繰り返し、空気を含ませるように、少しずつ水分が蒸発するように煮る。
  4. 10分おきに白い小皿に取って色調を観察する(緑茶がだんだんと赤くなる)。赤い色がもう変化せず、体積が1/3くらいに減ったら、火を止める。
  5. 氷を入れて粗熱を取り、茶漉しで固形分を除去して小ビンに入れる。<カフワ完成。この状態で冷蔵庫に入れておける。>
  6. <ピンクミルクティーを淹れる>ピスタチオの殻を割り、中から実を出してすり鉢に入れ、すりこぎで粗く叩いておく。
  7. 小鍋に牛乳と砂糖を入れて中火にかけ、お玉で牛乳をすくって落とすことを繰り返し、熱めに温まったらカフワを入れる。
  8. カップに注ぎ、生クリームを浮かべ、ピスタチオをトッピングして出来上がり。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • カフワ(ピンクの元の濃厚液)は40分くらい煮て作ります。煮る時間が短いと良い赤が出ません。40分の間に水分がなくならないように火加減にも注意します。
  • カフワは冷蔵庫で保存できるので、たくさん作ってストックしておけば、塩入りミルクティー自体は5分くらいで作ることができます。
  • ピンクミルクティーを作るとき、急激に加熱して牛乳のタンパク質が凝固すると、そこにカフワからどす黒い色がつき、見た目が綺麗ではないので、ゆっくりと加熱するとよいです。
  • ピンクミルクティーを作るとき、お玉で牛乳をすくって落とすことを繰り返すことで、色と味が良くなります。
  • カフワの出来具合や濃さによってはピンク色が薄いかもしれないので、そのときはカフワを多めに入れます。

Tips about cuisine

  • 「カイマクチャイ」のダリ語(アフガニスタンの公用語)の綴りは「قیماق چای」。
  • 「قیماق」(カイマク)は生乳から遠心分離で得る脂肪分濃厚なクリーム、「چای」(チャイ)は茶の意味。よって「قیماق چای」(カイマクチャイ)は「クリーム仕立てのお茶」という意味である。
  • 「قیماق چای」(カイマクチャイ)は「ق ی م ا ق چ ا ی」が「i a ch q a m i q」でこれを右から読む。「qとiの間の母音」はこの通常表記では省略されている。


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