馬拉糕(マーライコー)

  • 中国料理、香港料理、マカオ料理

  • 現地表記

    :馬拉糕(マーライコー)(広東語)

  • 概要

    :中国風蒸しパン

馬拉糕(マーライコー)

馬拉糕(マーライコー)

これは中国系の蒸しパンです。中国南方の広東省や、香港やマカオで人気がある庶民的なおやつです。飲茶(やむちゃ)の点心でもよく見る定番です。醤油が入るデザートって驚きますか? ラードを使うデザートって聞き慣れませんか? でも美味しいんですよ。蒸籠(せいろ)から出したてのふかふかほやほやを食べるお菓子なので、その温かさも、食べてほっとします。写真は上白糖で作るバージョンと、黒糖で作るバージョンの2つ。どちらも美味しいです。

材料

8人分、直径18 cmの蒸籠1つ分):

薄力粉
130 g
ベーキングパウダー
3 g
重曹
1 g
ココナッツミルクパウダー
大1
牛乳
75 mL
バニラエッセンス
2滴
醤油
小1
黒糖(※1)
120 g
ラード
30 g
2個
  • ※1:黒糖は粉末タイプを使います。黒糖がない場合は上白糖でよいです。

調理時間

:1 時間 40 分

作り方

  1. 蒸籠(せいろ)の直径+高さ×2より幅のある(※直径18 cmで高さ6 cmの場合は幅30 cm以上がある)クッキングシートを用意し、余白を2 cm以上とって円形に切り、蒸籠に敷き、側面はヒダを丁寧に折っておく。
  2. ボウルに薄力粉、ベーキングパウダー、重曹、ココナッツミルクパウダーを入れ、泡だて器で全体を均一に混ぜ、ザルかふるいでふるっておく。
  3. ボウルに牛乳とバニラエッセンスと醤油を入れ、ボウルの底を蒸し器の湯につけて温め、黒糖を入れ、泡だて器で混ぜ、黒糖を完全に溶かす。
  4. 蒸し器に少し水を入れて沸かし、小さな容器にラードを入れ、湯煎にかけ、融かしておく。
  5. 黒糖のボウルに卵を1個分入れ、泡だて器でよく混ぜる。
  6. 卵をもう1個分入れ、泡だて器でよく混ぜる。
  7. ふるった粉を入れ、泡だて器で均一になるように混ぜる。
  8. 融けたラードを入れ、泡だて器で均一になるように混ぜる。
  9. 蒸籠(せいろ)のクッキングシートの中央をめがけて、やや高いところから生地を落とし入れる。
  10. 30分間放置。生地を休ませる。
  11. 蒸し器に水を入れて火にかけ、十分に蒸気をあげ、蒸籠(せいろ)を置き、乾いたタオルをかませてフタをし、絶対に水がなくならないように注意しながら、常に蒸気が強めにあがっている状態で30分間蒸す。
  12. 火を止めてフタをして10分間置いたのちに取り出し、切り分ける。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 蒸し上げると蒸籠(せいろ)の高さよりも高い蒸しパンができるので、蒸し器のサイズは蒸籠よりも十分に高さがあるものでなければなりません。
  • 蒸籠がない場合は小さめのザルを使うこともできます。ケーキの型は底から蒸気が入れないのであまり適さないのですが、十分製作可能です。
  • ベーキングパウダーと重曹の主成分である炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は生地を膨らます二酸化炭素(CO2)を発生するとき炭酸ナトリウム(Na2CO3)を副生成物として生じます。この炭酸ナトリウムが口の中にピリピリとした不愉快な刺激を与えます(その感度には個人差があります)。現地でも日本でもベーキングパウダーや重曹をもっとたくさん加えるレシピはあるのですが、ここではかなり抑え気味にしています(でもちゃんと膨らみます)。
  • ラード30 gを、例えばラード15 g+バター15 gに変えると、バターのよい風味をつけることができます。
  • 蒸し器には乾いたタオルをかませてフタをすることで、水滴が生地に落ちないようにします。
  • 蒸し上がったあと蒸気の中に10分間置いておくことで、出したあとにしぼみにくくなります。
  • 現地では蒸籠(せいろ)から出したアツアツを食べる料理です。冷めたら蒸し直して食べると美味しいです。
  • 切る時は注意。表面がお饅頭の皮のようにしっかりしているので、普通に包丁を入れると表面がはがれます。最初は包丁をごく弱く動かして表面だけ切って、あとはパン切り包丁などで手早く切るとよいです。

Tips about cuisine

  • 「馬拉糕」の広東語(中国南部、香港、マカオなどの言葉)の発音は「マーライコー」、ピンインは「maa5 laai1 gou1」。
  • 「馬拉」(マーライ)はマレーシアの意味、「糕」(コー)は焼き菓子や蒸し菓子の意味。よって「馬拉糕」(マーライコー)は「マレーシアのケーキ」という意味になる。
  • マレーシアとの関係には3つの説があり、1)中国の広東省(香港やマカオも広東省の一角)出身の移民によってマレーシアに持ち込まれた、2)英領マラヤだったマレーシアにおいて英国のデザートから開発され、その後中国の移民によって中国に持ち帰られた、3)大航海時代以降のポルトガルの船員によってマレーシアにもたらされたケーキが、中国からの移民によって中国に伝わった。


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